2024年9月26日
For Goodアカデミー

世界の抱える国際問題一覧|私たちにできること

私たちは日々の生活で、世界で起こるさまざまな問題を目にします。

これらの問題が「なぜ起こっているのか」「どのようにすれば解決するのか」などを考える方も多くいるでしょう。

本記事では、世界で発生している問題について紹介します。

 

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目次

 

世界規模での問題一覧表

SDGsの17の目標をもとに、世界で起きている問題の解決を一覧化しました。

SDGs17の目標

一例

1.貧困をなくそう 貧困問題
2.飢餓をゼロに 食糧問題
3.すべての人に健康と福祉を 健康問題
4.質の高い教育をみんなに 教育問題
5.ジェンダー平等を実現しよう ジェンダー格差
6.安全な水とトイレを世界中に 水質汚染
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに エネルギー問題
8.働きがいも経済成長も 児童労働
9.産業と技術革新の基盤を作ろう 情報格差
10.人や国の不平等をなくそう 移民問題
11.住み続けられる街づくりを 大気汚染・災害問題・人口問題
12.つくる責任つかう責任 ごみ問題
13.気候変動に具体的な対策を 地球温暖化
14.海の豊かさを守ろう 海洋汚染
15.陸の豊かさも守ろう 森林破壊
16.平和と公正をすべての人に 人権問題・紛争問題
17.パートナーシップで目標を達成しよう 1~16の目標を達成するための国際協力案

 

これらの問題は、一つひとつが独立しているわけではありません。それぞれの問題は他の問題とは切り離せず、複雑に絡み合っています。

例えば、9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の解決を目指して工場の稼働率を上げると、二酸化炭素排出量が増加し、13「気候変動に具体的な対策を」の解決が遠ざかります。この場合に考えられる効果的な対策は、カーボンニュートラルを意識した産業革新です。

このように、問題を“一つずつ”解決するのではなく、他の問題にも配慮しながら解決することが重要です。

 

1|貧困問題

2021年の時点で世界では、およそ7億6700万人が絶対的貧困と呼ばれる極度の貧困状態(一日当たり1.9ドル以下で生活している人。現在の国際貧困ラインは2.15米ドルに見直されています。)にあり、世界で約10人に1人が貧しい生活を送っている計算になります。

問題解決には金銭的な支援だけでなく、教育支援や衛生環境の整備、差別の根絶などの推進も必要といわれています。

また、発展途上国の「絶対的貧困」はもちろんのこと、先進国における「相対的貧困」も課題です。先進国では所得格差が拡大し、国内での貧困層を増加させています。

そのため貧困問題は、世界全体が抱える問題といえます。

 

2|食糧問題

世界では食糧不足が深刻です。栄養不良で亡くなる子ども・赤ちゃんも多く、迅速な解決が求められています。

その一方で、食糧不足と同時に発生している問題が「フードロス(食品ロス)」です。先進国では、食べ残しや賞味期限切れ食品など「まだ食べられる食品」が大量に廃棄されています。食糧不足で命を落とす人がいる傍ら、まだ食べられる食品が廃棄されている現実には考えさせられるものがあります。

 

3|健康・医療問題

世界では医療・健康に格差が起きています。

病院が近くにない・医療費が高くて受診できないなど、満足に医療サービスを受けられない人々が増加しています。

これは発展途上国だけでなく、先進国にも見られる問題です。例えば日本では、地方の病院数・医師数が不足していることから、国内で医療格差が発生しています。

怪我や病気の時に、満足に医療サービスが受けられるかどうかは人命に関わる重大な問題ですが、実際には生まれや収入に左右されてしまいます。

医療・健康の格差は、人々が負担なく医療サービスを受けられる環境の整備によって是正できるでしょう。

 

4|教育問題

国連によって採択されている「子どもの権利条約」には、子どもが教育を受ける権利について明記されています。
しかし世界には現在も、就学年齢に達しながら学校に通えていない子どもたちがいます。

また受ける教育は「質の高い教育」であることも重要です。教育は、子どもたちが社会参加するための「準備」といえます。

子どもたちの未来を考えると、教育を受けられるのは当然のこと、質の高い教育を提供できる環境を整えることが必要です。

 

5|ジェンダー格差

「ジェンダー」とは、生物学的な性ではなく、社会や文化によって形作られた性別です。

また、「男だから」「女だから」などの決めつけや先入観は「ジェンダーバイアス」と呼ばれます。ジェンダーバイアスが原因で、自分らしく生きられない人々は世界でも多くいます。

誰もが自分らしく生きるためには「ジェンダーにとらわれず、お互いを認め合う」ことが重要です。

またLGBTQのような、多様な性を認めることもジェンダー格差の是正につながります。
自分の性がどのような形であれ、それが原因で差別・格差を受けることがないような社会の実現が求められています。

 

6|水質汚染・衛生問題

工場排水不法投棄されたごみなどが原因で衛生的な環境が脅かされています
また浄水設備が整っていない地域では、飲料用の水を得られない現実があります。

さらに水質が汚染されると、人間以外の動物にも深刻な影響を与えます。
汚染された水は水生生物の住処を奪い、やがて生物多様性が失われる結果につながります。

人々が安全な水を簡単に手に入れられるような社会づくりとともに、生き物全体のために水質を保つ必要があります。

 

7|エネルギー問題

私たちの生活のほぼ全てに電気やガスが関わっています。
近代では、テクノロジーの進化に伴って必要なエネルギー量も増加し、エネルギーを生み出す化石燃料の消費量も膨大です。

その一方で、「化石燃料の大量消費」は地球温暖化の原因として知られています

今後さらに増え続けるエネルギー需要と、地球環境に配慮したエネルギー供給とのバランスが求められています。

現段階で取り組まれている対策は、風力や太陽光を利用した再生可能エネルギーの導入です。また、CO2の実質排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の取り組みも推進されています。

 

8|児童労働

世界には、15歳未満の子どもが学校に行かずに悪質な環境で労働している実態があります。

家庭が貧しい・誰かに強制されているなどの理由で、子どもでありながら大人同様に働かざるを得ないケースが多くあります。

SDGsの目標8ではあらゆる労働の改善を目指していますが、特に児童労働については「完全になくすこと」が最終目標です。

また児童労働は、SDGsの目標1と4の貧困・教育問題とも密接に結びついています。

これらの問題の解決にも、児童労働は完全になくさなければなりません。

 

9|情報格差

現代ではインターネットの発達によって、欲しい情報を簡単に得られるようになりました。

総務省の『令和4年版 情報通信白書』によると、日本における2021年時点のモバイル端末全体の世帯保有率は97.3%です。

しかし世界には、依然としてインターネット環境の整備が進んでいない国も存在しています。こうした情報へのアクセス格差を「デジタルデバイド」と呼びます。

先進国を中心とした、各国間のデジタルデバイドの是正が必要です。情報インフラの整備が遅れている発展途上国への支援や、IT人材の育成支援などが求められています。

 

10|移民問題

近年の世界では、政治不安・求職を理由とした外国人移住が増えています

日本にも、さまざまな理由で祖国から移住する外国人が増加しています。
彼らの受け入れ体制や生活支援などを含めた対策が移民を受け入れる国の喫緊の課題です。

また、移民として生活をする人々は、悪質な労働環境や差別を受けることが多くあります。全ての人が出身国に関係なく自由に暮らすために、受け入れ国の差別撤廃が求められています。

 

11|大気汚染・災害問題・人口問題

都市は多くの人が集まるため、さまざまな課題を抱えています。

住宅・土地不足問題・騒音や排気ガスなどの公害・インフラの整備・スラム問題など、枚挙にいとまがありません。
また災害の激化に対応できていない・市民の防災意識が低下しているなど、災害への脆弱性も課題です。

近年は時代の流れが早く、都市で生活する人々のニーズも多様化しています。「みんなが快適に住み続けられるまち」の実現は、政府や自治体の働きかけだけでなく、生活する人々一人ひとりのアクションが重要です。

 

12|ごみ問題

2「食糧問題」でも登場した「フードロス(食品ロス)」だけでなく、まだ着られる衣料品が捨てられる「衣服ロス」が、世界中で発生しています。

日本では「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」として、社会全体で資源の再利用が推進されています。

しかし環境省の『サステナブルファッション』によると、2022年時点で捨てられた衣料品のうち66%が処分・埋め立てられています

埋め立て地の不足や焼却時のCO2発生など、ごみ処理に関する問題は増加しています。ごみを増やさないだけではなく、リサイクルを通して限られた資源を循環させることも重要です。

 

13|地球温暖化

温室効果ガスの影響で、世界の年平均気温は100年あたり0.76℃上がっています

数字では小さく感じるかもしれませんが、この気温上昇による豪雨災害や干ばつ被害は世界中で発生しています。

地球温暖化に伴う災害は、貧しい人たちにとっては脅威そのものです。
貧しいために災害から逃れるための家や知恵を持てず、気候変動の影響をそのまま受けてしまいます。

これ以上気候変動を進行させないために、私たちは普段の生活を見直す必要があります。

 

14|海洋汚染

海水の汚染は生き物の命を奪ってしまう深刻な問題です。特に現在は「海洋プラスチックごみ」が問題視されています。

レジ袋・ペットボトル・ストローなどのプラスチック製品が海に捨てられると、自然分解されるまで長い時間が必要です。

その結果、海洋生物がプラスチックごみを餌と間違えて食べたり、ごみの破片で傷ついたりするなどの影響が起きています。

また、海でよく見かける漁網や釣り糸などもプラスチック製品です。

これらのごみが海に投棄されたことで、ウミガメやクジラなどに絡まって死んでしまう事態も確認されています。

 

15|森林破壊

土地の開発・木材調達を目的とした大規模な伐採は、森林破壊につながります

そのため、地球上の森は人間の生活が豊かになるにつれて減り続けています

森林破壊は森で生活する動物たちの住処を奪い、それが原因で絶滅が危惧されている動物・絶滅してしまった動物は多いです。

植樹をはじめとした「緑を増やす活動」も進められていますが、これ以上森を破壊しないための方策を考えることも重要です。

限られた木材資源のリユース・リサイクルなどを通じて、森林破壊をストップさせることが有効だと考えられています。

 

16|人権・紛争問題

「紛争」とは、宗教や民族・文化などの違いや国境などを理由として発生する争いのことです。

紛争には、政治をめぐる個人間で起こる対立も含まれます。今では世界中で紛争が起きており、武力行使を伴うものも少なくありません。

紛争における被害者は、罪のない一般人です。

彼らは戦地となった祖国をやむを得ず逃れたり、あるいは兵士として争いに参加させられたりします。
争いに巻き込まれて命を落とす人々も数多くいます。

 

意見が違った場合でも、どちらか片方が有利になる解決法や武力などに頼らず、両者の人権が保護される解決法を模索する必要があります。

 

世界の問題に対して私たちにできること

世界の問題は規模こそ大きいものの、その解決の糸口は私たち一人ひとりの行動にあります。

以下は、私たちにできることの一例です。

 

「綺麗事だ」とする意見も散見されますが、行動を起こす主体は私たち一人ひとりです。

誰かの言葉に左右されず、自分が目指す社会に向けての行動を起こしましょう。

その行動が海を越え、誰かの助けにつながるかもしれません

問題への理解を深める

本やインターネットを活用して幅広い情報収集を行うことが重要です。また、他者との議論を通じて異なる視点を得ることで、問題の多面的な理解が促進されます。(参照

さらに、複数の媒体から情報を得ることで、偏りのない総合的な理解が可能となります。これらの方法を組み合わせることで、問題に対する深い洞察力を養うことができます。

消費活動を見直す

日常生活における節電・節水の実践は、資源の無駄遣いを減らす効果的な方法です。

また、食品ロスの削減に取り組むことで、環境負荷を軽減できます。使い捨て製品の使用を控え、リサイクルやアップサイクルなどの資源の再利用を心がけることも重要です。

これらの取り組みを通じて、持続可能な消費行動を実現できます。

フェアトレード製品を購入する

フェアトレードとは、開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みです。公正な価格での取引や、生産者への機会提供を通じて、国際貿易における不平等の解消を目指します

コーヒー、紅茶、カカオなどの食品や、コットン製品などがフェアトレードの対象となっています。これらの製品を購入することで、持続可能な発展に貢献できます。

寄付やボランティアを行う

難民支援や教育・食糧支援を行う団体への寄付は、直接的な支援方法の一つです。また、現地や支援団体でのボランティア活動に参加することで、より具体的な貢献が可能です。

これらの活動を通じて、地域社会の問題解決に向けた取り組みに参加し、社会貢献の意識を高められます。自分にできる範囲で継続的に活動することが重要です。

 

まとめ

世界の問題は多様ですが、その全てが「人間によって引き起こされてきたもの」です

問題それぞれが複雑に絡み合っているため、一つずつ解決することは困難でしょう。

しかし私たち一人ひとりの行動が積み上がっていけば、問題の拡大を抑制することが可能です。

本記事の目標を参考に、できることから少しずつ取り組んでいきませんか

 

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