2026年3月5日
For Goodアカデミー

NPOの収入源とは?6つの選択肢と組み合わせ方を解説

NPOを運営している方や会計担当の方、そしてこれからNPOを立ち上げようとしている方。

現代では助成金や寄付・会費、クラウドファンディングなど様々な収入源の選択肢があるのにもかかわらず、収入の見通しが立たない不安や焦りを感じていませんか。

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多くのNPOにおいて主な収益源は「会費」と「寄付金」であり、そのあとに行政からの事業委託費や補助金・助成金が続きます。

一方で収益が1000万円を超える法人は、認証法人で41.7%、認定法人で69.4%と半数以上を占めており、多くのNPOが自主事業収益により持続可能な活動費を捻出していることも分かります。(2023年・内閣府による調査より)

助成金に頼りきりの運営への不安、寄付が止まったらどうしようという焦りは、多くのNPOが直面する現実です。

実際に2023年の内閣府の調査でも、認証法人の50%以上が「収益源の多様化」を課題に挙げています

そこでこの記事では、以下の内容をお届けします。

NPOの主な6つの収入源

組み合わせモデル例

偏りの注意点

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NPOの主な収入源一覧|押さえたい6つの選択肢

NPOの収入は、団体ごとにバラバラに見えても、実は大きく分けるといくつかのパターンに整理できます。

この章では、NPOの主な収入源を網羅的に把握することを目的に、代表的な6つの選択肢を紹介します。

寄付金(単発寄付・マンスリー寄付)

寄付は多くのNPO法人、特に認定・特例認定法人において最も大きな割合を占める収入源です。

NPOの理念や活動に共感してもらうことで得られる収入であり、個人や団体から募ります。

主な形:

・単発寄付

・マンスリーサポーター(毎月定額寄付)

・大口寄付

寄付の強みは、資金の使い道の自由度を広く保てる点です。

特にマンスリー寄付は安定的な収入源として団体の持続可能な運営にとって非常に重要です。

ただし、寄付を募るためには発信力や日々の信頼構築が欠かせません。

事業収入(自主事業・受託事業)

事業収入は、多くのNPO、特に認定法人で大きな割合を占める収入源です。

サービスや商品を提供し、その対価として収入を得る仕組みです。

主な例:

・セミナーや研修の開催

・相談支援・居場所事業などの自主サービス

・行政や企業からの受託事業

・物販やコンテンツ販売

特徴は、収入の継続性を持たせやすいことです

一方で、人員体制や専門性が必要になるため、規模や分野によって難易度は変わります。

会費収入(正会員・賛助会員)

会費は、団体の想いに共感して加入してくれる会員や賛助会員からの資金です。

これも寄付や事業収入と同様に多くのNPOにおいて重要な財源となっており、特に認証法人において大きな割合を占めています。

一般的な区分:

・正会員(議決権あり)

・賛助会員(応援目的)

会費モデルが機能すると、年間収入の見通しが立てやすいことや、コミュニティが形成されるといった利点があります。

ファンを増やす設計ができている団体ほど、安定しやすい傾向があります。

助成金・補助金

助成金や補助金は国・自治体・財団などからの公的資金です。

特徴は以下の通りです。

・一定額をまとめて確保できる

新規事業の立ち上げに向いている

一方で、以下のような側面から団体の資金の基盤とすることは推奨されません。

・期間限定であることが多い

・使途制限がある

・採択されないリスクがある

助成金は立ち上げや事業拡大など、きっかけを生むための資金として活用する発想が重要です。

クラウドファンディング

インターネットを通じて、広く支援を募る仕組みです。

単なる資金集めではなく、仲間づくりや発信の手段として活用できる点が特徴です。

クラウドファンディングのページを通して想いを伝えることができ、理念や活動を理解してくれる協力者も集まります。

 新しい挑戦や設備投資など、明確な目的がある場合に力を発揮します。

一方で、クラウドファンディングは集まった支援金額から手数料が10~20%引かれてしまうことが懸念されます。

クラウドファンディングFor Goodは、NPOなどのソーシャルグッドな取り組みのみを掲載しており、手数料0円で利用することが出来ます。

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企業協賛・スポンサー収入

開催イベントへの企業からの協賛金やタイアップも収入源となり得ます。

企業にとっては、社会貢献の実績づくりやブランド価値向上といったメリットがあります。

活動内容が企業の理念やSDGs方針と重なると、連携しやすくなる傾向があります。

 

これら6つの収入源は、どれか一つが正解というわけではありません

重要なのは、団体の規模・分野・フェーズに応じて、どう組み合わせるかです。

次章では、NPOの成長段階ごとに、どのような収入源の組み合わせが現実的なのかを具体的に見ていきます。

NPOの収入源はどう組み合わせるべきか|よくあるモデル例

収入源は「どれを選ぶか」よりも、どう組み合わせるかが重要です。

一つの収入源に依存すると、外部環境の変化に弱くなります。

ここでは、NPOのフェーズ別に、よく見られる現実的な組み合わせモデルを紹介します。

自団体の状況と照らし合わせながら、ヒントを探してみてください。

立ち上げ初期によくある収入源の組み合わせ

立ち上げ期は、まだ実績や認知が十分でないケースが多いため、短期的な資金確保と共感の獲得がポイントになります。

よくある構成:

・助成金・補助金(初期資金)

・クラウドファンディング(立ち上げ資金+広報)

・単発寄付・個人寄付

この段階では、 「応援してくれる人を増やすこと」が最大の資産になります。

事業収入をすぐに大きく伸ばすのは難しい場合もあるため、まずは活動の土台をつくるフェーズと考えるのが現実的です。

活動が軌道に乗ってきたNPOの収入源の組み合わせ

一定の実績や信頼が積み上がると、収入源のバランスが変わってきます。

よくある構成:

・事業収入(自主事業・受託事業)

・マンスリー寄付

・会費収入

・助成金(新規事業用)

この段階では、事業収入を軸にしながら、寄付や会費で安定性を補強するモデルが多く見られます。

助成金は「足りない部分を埋める資金」ではなく、挑戦や拡張のための資金として活用できると理想的です。

人件費を安定的に払えているNPOの収入源の組み合わせ

スタッフの雇用を継続できている団体は、収入構成にも特徴があります。

共通点:

事業収入が一定割合を占めている

マンスリー寄付や会費で固定収入がある

・単発の助成金に依存しすぎていない

安定している団体ほど、

・事業収入(50%以上)

・継続寄付・会費(20〜30%)

・助成金・その他(残り)

のように、複数の柱で支えているケースが多い傾向にあります。

重要なのは、毎月確実に得られる収入を確保をできていることです。

収入源の正解は一つではありません。
ただし、共通して言えるのは、単一依存はリスクが高いということです。

次章では、収入源が偏ることで実際に起こりがちな課題について整理していきます。

NPOの収入源が偏ることによって起こりがちな課題

収入源を組み合わせる重要性はわかっていても、実際には一つに偏ってしまうケースは少なくありません。

しかし、特定の収入源に依存しすぎることは、組織の不安定さにつながります。

ここでは、よくある3つの偏りパターンと、そのリスクを整理します。

助成金依存で起きやすい運営リスク

助成金はまとまった資金を確保できる反面、継続性が保証されない収入です。

起こりがちな課題:

・不採択で一気に資金が不足する

・年度ごとに事業内容を調整せざるを得ない

・本来やりたい活動より「採択されやすい事業」に寄ってしまう

結果として、団体の軸がぶれてしまうリスクがあります。

助成金は「土台」ではなく、成長や挑戦のための資金と位置づけるのが理想的です。

寄付だけに頼ることの不安定さ

寄付は理念に共感してもらえる大切な収入源ですが、景気や社会情勢の影響を受けやすい側面があります。

よくある課題:

・大口寄付がなくなると一気に収入減

・単発寄付中心で毎月の見通しが立たない

・発信が止まると寄付も減る

特に単発寄付に偏ると、資金繰りが読みにくくなる傾向があります。

安定性を高めるには、マンスリー寄付や会費など、継続型の仕組みづくりが重要です。

事業収入に偏りすぎた場合の注意点

事業収入は安定しやすい反面、注意点もあります。

考えられるリスク:

・収益性を優先しすぎてミッションが後退する

・スタッフの負担が増え、疲弊する

・「NPOらしさ」が薄れてしまう

収入が安定していても、 理念とのバランスを失えば、組織の魅力は下がります。

大切なのは、収益性と社会性の両立です。

どの収入源も、それ自体が悪いわけではありませんが、問題は、「偏り」と「依存」です。

次章では、NPOが収入を得る際に知っておきたい法的・会計的な注意点を整理します。

NPOが収入を得るときに知っておきたい注意点

NPOは非営利だからこそ、お金の扱いには慎重さが求められます。

収入を増やそうとするほど、法的・会計的な基本を押さえていないことがリスクになることもあります。

ここでは、最低限知っておきたいポイントを整理します。

非営利でも「収益事業」になるケースがある

NPOは利益を分配しない組織ですが、収益事業を行うこと自体は可能です。

あなたの団体が行っている事業も内容によっては「収益事業」とみなされ、課税対象になる場合があります。

例えば:

・物販や有料サービスの提供

・継続的な受託事業

・セミナーや講座の有料開催

重要なのは、 非営利=すべて非課税ではないという点です。

事業内容によって税区分が変わるため、専門家への確認が安心です。

税金・会計での最低限の知識を身につける必要性がある

収入源が増えるほど、会計処理は複雑になります。

最低限意識したいこと:

・収益事業と非収益事業の区分

・使途制限のある助成金の管理

・寄付金の記録と証憑管理

特に助成金は、用途が限定されていることが多いため、管理が曖昧だと信頼を損なう可能性があります。

また、認定法人に登録されることで、寄付者の税金控除の対象になるなど寄付を集めやすい仕組みも設計されているためそれらを理解することも必要です。

寄付と対価性の線引きに気をつける

寄付は「見返りを求めない支援」が前提です。

たとえばクラウドファンディングも、寄付を集めるツールとして認識されがちですが、リターンの設計によっては「販売」と判断される場合があります。

例えば:

・商品を提供する

・サービスの提供が実質的な対価になっている

この場合、寄付ではなく事業収入と扱われることがあります。

寄付なのか販売なのかを事前に明確に設計することが必要です。

収入を増やすこと自体は、NPOの活動を広げるために重要です。ただし、ルールを理解せずに進めると、思わぬトラブルにつながります。

次章では、NPOの収入源について特に多い疑問にQ&A形式でお答えします。

【FAQ】NPOの収入源に関するよくある質問

ここでは、NPOの収入源に悩む方から特によくある質問に、端的にお答えします。

NPOは利益を出しても問題ないのですか?

問題ありません。NPOは「利益を出してはいけない組織」ではなく、利益を構成員(社員)に分配しない組織です。

つまり、

・事業で黒字になることは可能

・黒字分は次年度の活動資金に充てる

・給料の支払いはできるが、構成員に利益を分配・配当することはできない

という仕組みです。むしろ、適切な利益の確保は組織の安定につながります。

小規模のNPOの主な収入源は何ですか?

小規模NPOでは、次の組み合わせが多く見られます。

・助成金・補助金

・単発寄付やマンスリー寄付

・クラウドファンディング

・小規模な自主事業収入

特に立ち上げ初期は、助成金やクラウドファンディングを活用しながら、徐々に事業収入や継続寄付を増やしていく流れが一般的です。

規模に関わらず、複数の収入源を持つことが安定への近道です。

まとめ|あなたのNPOに合う収入源から、まず一歩を

NPOの収入源に正解はありません。

大切なのは、自団体の規模やフェーズ、目指す社会像に合わせて、持続可能な組み合わせを構築することです。

収入源を見直すことは、単なるお金の話ではなく、あなたの団体が「どうありたいか」を考える時間でもあります。

できることからはじめる一歩が、持続可能なNPO運営につながっていきます。

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