2026年2月27日
For Good STORY

“日本一家庭食が豊かなまち” を目指して。クラファンを通じた、地域創生・仲間集めのかたち。

延岡 由規さんは、一般社団法人イヒの代表理事です。イヒは「変化への愛で満ちた社会を」をビジョンに掲げ、高校時代の同級生3人で2021年に立ち上げた一般社団法人になります。住民の「やってみたい」という気持ちをまちのインフラにするべく、日常の暮らしに対する取り組みを続けています。

今回、兵庫県三田市を中心に、「家庭食」を通じて新たな交流を生み出す場、「こんびび」を立ち上げるにあたり、その仲間集めの一環としてクラウドファンディングに挑戦されました。

本プロジェクトは、目標金額200万円を掲げ、70日間にわたり、実施されました。支援者310名から3,058,700円の支援金が集まり、目標金額を大きく上回る結果となりました。

今回のインタビューでは、地域創生のクラウドファンディングに挑戦された延岡さんに、クラウドファンディング実施の経緯や、成功要因をお伺いしました。

プロジェクトはこちら:https://for-good.net/project/1001469

クラウドファンディング実施背景

今回のプロジェクトの背景についてお聞かせください。

僕たちは、「変化への愛で満ちた社会を」をビジョンに掲げ、2021年4月から兵庫県三田市を中心に活動しています。

ニュータウンとして発展してきた三田は、似ている背景の人たちが集まり、同じような価値観が根づきやすい地域です。同質性の高い人の集まりから、安心できる関係性が育ちやすい一方で、「枠から外れる」ことに対する無意識下での否定的な捉え方も育まれやすい環境と言えます。だからこそ、変化に受容的な社会を作っていきたいと思い、このビジョンを掲げています。

団体として、様々な活動をしていくなかで、「日常の中で人が集まり、社会とつながれる場所が必要だ」という話が上がりました。イベントのような“ハレ”の場も大切ですが、私たちは“ケ”=日常にこそ可能性があると考えています。

「“ケ”=日常」が大事なんですね。

そうですね。たとえば、長年仕事一筋だったパパさんが退職後、家庭や地域での居場所を失ってしまう。

そこに対して、30〜40代のうちから、日常の中で自分の役割を見出す場があれば、街の活力も育まれるのではないかと考えています。

三田には外食文化があまりなく、家庭の味がそれぞれの家に閉じてしまっている現状があります。

そこに着目し、家庭の味を持ち寄って社交の場をつくれたらと考え、「こんびび」の構想が始まりました。

 「こんびび」は、「convivial」 : 愉快な、楽しい / 「conviviality」 : 自立共生、共に生きる といった意味から来ています。みんなで楽しみながら生き方や暮らし方を考える社交の場を目指しています。

どのような経緯で、クラウドファンディングを実施されたのでしょうか。

単なる資金集めではなく、団体を広く知ってもらうPRの場として、クラファンを実施しました。「クラファンやってます」という旗を掲げることで、多くの人に直接声をかけられるきっかけになり、応援してくれる仲間を知っていくことができます。

プラットフォームは、手数料の安さから、For Goodを選びました。今回は身近な人たちからの支援が中心になると想定していたので、自分たちで動いて集める前提で臨みました。結果的に、支援者の約95%が知り合いでしたが、それで良いと思っています。

300人超の支援につながったクラファンの裏側とは

実際に、プロジェクトを実施してみて、いかがでしたか。

私含め、メンバー全員、本業しながら、「こんびび」の改修工事とクラウドファンディングを実施したので、正直、とても大変でした。

ただ、その分得られたものも大きかったです。クラファンのおかげで、応援してくれる人たちとのつながりができた状態でお店を始めることができたので、安心して、進めることができました。今回の支援者の方々は、今後の活動を共にする大切な存在になると感じています。

実際に、支援者の方が こんびびに遊びに来て、友人を連れて再訪してくださるようなつながりも生まれました。

何より、支援には至らなくても、今の活動内容を1対1で丁寧に伝えられたこと自体が、大きな意味を持っていたと感じています。「クラファンに挑戦しています」という一言が、多くの方に連絡を取るきっかけになりました。

どのように、リターンを設定されましたか。

リターンは、「遠方の方」「地元の方」「関係性の深さ」など、ターゲット層ごとに設計しました。

たとえば、東京など遠方に住む方に「店舗の割引券」は響かないと考え、三田の魅力も伝わるフリーズドライスープのセットを地元企業と組んで用意しました。自分が支援者の立場でも「これなら欲しい」と思える内容を意識しました。

連絡する際には、一人ひとりに合わせてリターンを紹介しました。

たとえば「こんびびには来られないかもしれませんが、このスープは美味しいのでおすすめです」と個別に伝えることで、納得感のある支援につながったと思います。

どのような広報活動をされましたか。

広報では、あらゆる手段を組み合わせて発信しました。

  • チラシのポスティング
  • メール
  • LINE
  • SNSでの個別連絡
  • 商工会やJCのイベントに参加してのPR
  • インスタライブの定期配信 など

数千人の人々にアプローチし、約300人の方が支援してくださいました。

結果として、クラファン上では約300万円の支援がみえていますが、法人からの別途支援もあり、実質的には約400万円が集まりました。

日ごろからつながりがある企業さんが支援してくださりました。

三田市を「日本で一番家庭食が豊かな場所」へ

今後の展望についてもお聞かせください。

まず、クラファンでいただいた資金は、場をよりよくするための設備費用に充てました。

「こんびび」は2026年4月でオープンから1年になります。

現在は、各家庭のレシピを集めています。11月には、「お雑煮」をテーマに出展して、3家庭のお雑煮を提供しました。今後は出展の機会を増やしながら、最終的には地域のレシピブックを出版したいと考えています。

場としては、トークセッションや酒場イベント、陶芸教室、カレーの日、旬の食材を楽しむ会など、”やってみたい”を形にできる場所を目指しています。

店内に食べられる植物を植える構想もあり、エディブルフラワーやハーブ、バナナの木などを育て、CSA(地域支援型農業)の中継地点としても機能させたいと考えています。

最終的には、三田市にある「こんびび」を「日本で一番家庭食が豊かな場所」にし、家庭の味から地域のつながりを育てる拠点にしていきたい。

そしてこのモデルを、他のニュータウンへも広げていけたらと考えています。

「打ち上げ花火」ではなく、「地層のように積み重なる文化」をつくる。そのために、日常=家庭食という日常(ケ)の部分にこだわって、地域に根づくムーブメントを育てていきたいです。

これからクラファンを始めたい方への一言メッセージをお願いします。

クラウドファンディングは魔法の杖ではありません。ページを公開すれば自然と集まるものではなく、「もっと知ってもらいたい」という熱量を持って、自ら動くことが大切です。

まずは、自分のプロジェクトや商品が「自分自身がユーザーとして本当に欲しいものか?」を問い直してみてください。そこに熱があるなら、ぜひ発信してください。

また、第三者の視点を入れることも重要です。自分だけでつくると視野が狭くなりがちなので、客観的に見てもらいながらページを磨いていくことで、伝わりやすさが格段に上がります。

日本ではチャレンジして命を失うことはありません。失敗は必ず学びになります。挑戦しないことの方がもったいない。ぜひ一歩を踏み出してほしいですし、僕もFor Goodのページを見て応援できたらと思っています。

延岡さま、ありがとうございました!

プロジェクトはこちら:https://for-good.net/project/1001469

編集後記
今回は、家庭食を起点にした社交の場「こんびび」を立ち上げ、地域のつながりを育てるためにクラウドファンディングに挑戦された一般社団法人「イヒ」の延岡さんにお話をお伺いしました。
本業を続けながら改修工事とクラウドファンディングを同時に進められた背景や、応援してくれる人との関係性を何より大切にされている姿勢から、活動に込められた強い想いが伝わってくるインタビューでした。
今回、For Goodとしてこのような挑戦にご一緒できたことを非常に嬉しく思います。
これからの「こんびび」と延岡さんの活動も、心より応援しています!

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