2025年3月21日
For Goodアカデミー

衣服ロスを削減するには?現状と実践可能な対策方法を解説

私たちの消費行動が環境に与える影響は大きく、衣服ロスはその代表例です。

個人としてできる取り組みや企業の活動を通じて、この問題に立ち向かう必要があります。

そこで本記事では、下記内容を解説していきます。

衣服ロスの現状と影響

個人と企業の取り組み方法

実践できる対策と事例

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衣服ロスの現状

衣服ロスは世界中で増加しており、その規模は膨大です。

私たちが日常的に購入する衣服の多くが、短期間で使われなくなり廃棄されてしまっています。

世界の衣服ロスの現状

世界全体で毎年9200万トン以上の衣服が廃棄されています

その約5%しか再資源化されず、残りは焼却されたり埋め立てられたりして、リサイクルされずに無駄にされています(出典:環境省)。

衣服の生産には膨大な水資源やエネルギーが消費され、1枚のTシャツを作るためには約2700リットルの水が必要です(出典:The Ellen MacArthur Foundation)。

衣服が短期間で大量に廃棄されることで、生産過程での資源浪費が加速し、環境への負荷が増大しています。

日本における衣服ロスの現状

日本国内では、毎年約80万トンの衣服が廃棄されています(出典:環境省)。

これらの衣服の多くがリサイクルされず、焼却または埋め立てられています。

特に、消費者が着なくなった衣服の再利用が十分に進んでいない現状が問題です。

また、衣服ロスの増加に伴い、資源の無駄遣いが続き、持続可能な社会の実現に向けた課題が大きくなっています。

次の章では、衣服ロスが環境をはじめ社会に与える様々な影響について見ていきます。

衣服ロスが社会に与える影響

衣服ロスの問題は、社会全体に深刻な影響を及ぼしています。

この章では、衣服ロスが引き起こす環境や経済に対する影響について解説します。

環境負荷

衣服ロスがもたらす最大の影響の一つは、環境への負荷です。

衣服の生産には大量の水やエネルギーが使用され、その結果として膨大な温室効果ガスが排出されています。

米国のコンサルティング会社マッキンゼーが2020年に発表した「気候変動におけるファッション(Fashion on Climate)」調査によると、2018年のアパレル・履物産業のサプライチェーンでのGHG排出量は約21億トンで、同年の世界全体のGHG排出量の約4%に相当するとみられます。

また、廃棄された衣服は埋め立て地で分解されることなく、長期間にわたり環境を汚染し続けます。

労働者への負担

衣服の大量生産は、発展途上国における労働者に過酷な影響を与えています。国際労働機関(ILO)によると、発展途上国での衣服の生産現場は低賃金労働が問題視されています。

特にバングラデシュやインドなどの国々では、労働者が低賃金で過酷な労働条件のもと働いていることが多いです(出典:International Labour Organization)。

経済的な影響

衣服ロスは経済的にも大きな負担をもたらします。衣服が大量に生産されて大量に廃棄されるというプロセスでは。

無駄な廃棄物処理に多額の費用がかかり、さらに新しい衣服を生産するためには膨大な資源とエネルギーが必要です。

消費者が短期間で使い捨ての衣服を購入し、その後廃棄するというサイクルは、経済全体の資源の無駄遣いを引き起こし、経済的な持続可能性を妨げる要因となっています。

 

このように、衣服ロスは環境だけでなく、社会的、経済的にも大きな影響を与えています。

次の章では、個人や企業がこの問題にどのように取り組むことができるか、具体的な対策を見ていきます。

衣服ロス削減のために個人ができること

衣服ロスの削減は、私たち一人ひとりの行動によって大きな変化をもたらすことができます。

この章では、個人として今すぐできる簡単な取り組みを紹介します。

日々の生活の中で少しずつ意識を変え、行動を起こすことで、衣服ロス削減に貢献できるでしょう。

実践内容

詳細

不要な衣類を整理する

1年以上着ていない、またはサイズが合わない衣服を見直し、整理する。

リサイクルショップや寄付先を選ぶ

再利用可能な衣服はリサイクルショップに持ち込む、または寄付する。

サステナブルなファッションを選ぶ

エコ素材やオーガニック素材を使用した衣服を選び、長持ちする製品を購入する。

長く使える高品質な衣類を選ぶ

耐久性のある素材やシンプルなデザインを選び、長期間使用できる衣服を選ぶ。

衣服ロスを減らすための日常的な工夫

衣服の手入れを丁寧に行い、洗濯や保管時に工夫することで長持ちさせる。

不要な衣類を整理する

不要になった衣類を整理することは、衣服ロス削減の第一歩です。

自宅で使わない服を見直し、必要ないものを整理しましょう。

その後、再利用できる衣服はリサイクルショップや寄付先に送ることで、無駄な廃棄を避けることができます。

■整理方法

1年以上使っていない、またはサイズが合わない衣服を見つける。

・まだ使用できる衣服を、再利用・寄付できる場所に回す。

リサイクルショップや寄付先を選ぶ

衣服を処分する際、リサイクルショップや寄付先を選ぶことは非常に効果的です。

リサイクルショップでは、まだ価値のある衣服を再利用してもらうことができます。

また、寄付を通じて、困っている人々に衣服を届けることができます。

■リサイクル方法

・近くのリサイクルショップやオンラインで買い取ってもらう。

・寄付を受け付けている団体に衣服を提供する。

サステナブルなファッションを選ぶ

ファッションを選ぶ際には、環境に配慮したサステナブルなブランドを選ぶことが大切です

オーガニック素材やリサイクル素材を使った製品を選ぶことで、衣服ロスを減らし、持続可能な消費を促進できます。

■選び方のポイント

・オーガニック素材やエコ素材を使用したブランドを選ぶ。

・繰り返し使える素材や長持ちするデザインを選ぶ。

長く使える高品質な衣類を選ぶ

高品質な衣類は、長く使用できるため、衣服ロスを減らすことに繋がります。

安価な衣服はすぐに傷んだり、型崩れしたりしますが、高品質なものは長持ちし、結果として購入頻度が減ります。

■選ぶポイント

・耐久性のある素材(ウール、リネンなど)を選ぶ。

・流行に左右されないシンプルなデザインを選ぶ。

衣服ロスを減らすための日常的な工夫をする

衣服を長く使うために、日常的な工夫をすることも重要です。

例えば、衣服を適切に保管する、洗濯の際に傷めないように工夫するなど、小さな努力が衣服ロス削減に繋がります。

■日常の工夫

・洗濯時には衣類を裏返して洗い、長持ちさせる。

・季節ごとに適切に保管し、湿気や日光から守る。

 

これらの簡単な取り組みを実践することで、個人として衣服ロス削減に貢献できます。

次の章では、実際に取り組んでいる事例を紹介し、企業や団体がどのように衣服ロス削減に取り組んでいるのかを見ていきます。

衣服ロスに立ち向かう活動事例4選

衣服ロス削減に向けて、さまざまな団体やプロジェクトが積極的に取り組んでいます。

これらの活動は、個人や企業が関わるだけでなく、地域社会全体が協力し合って解決に向けて動くことができることを示しています。

実際に行われている取り組みを見てみましょう。

事例|エシカルパンツの開発

このプロジェクトでは、サステナブルな素材を使用し、環境に優しい製造方法で作られたエシカルパンツを開発しています。

これにより、製品が長持ちし、消費者が頻繁に新しいパンツを買わずに済むため、衣服ロスを削減することができます。

〈プロジェクトの詳細〉

■アパレル産業に革命を。日本の「不当な労働環境」「衣類ロス」立ち向かうエシカルパンツができました。

■達成金額 ¥1,512,240

■目標金額 ¥300,000

■支援者数 100人

■詳細はこちら https://for-good.net/project/1000382

事例|エシカルブラウスの開発

エシカルブラウスの開発プロジェクトは、リサイクル可能な素材を使用し、衣服の寿命を延ばすことで、廃棄される衣服の量を減らすことを目指しています。

これにより、環境に配慮しつつ、衣服ロス削減に貢献しています。

 

〈プロジェクトの詳細〉

完全受注生産Made In JAPANのエシカルブラウス&スカートが出来ました。

■達成金額 ¥3,125,300

■目標金額 ¥300,000

■支援者数 156人

詳細はこちら:https://for-good.net/trn_project/10964

事例|スローファッション講座

このプロジェクトは、消費者に対してスローファッションの重要性を教える講座を開催しています。

衣服の選び方、手入れ方法を学び、消費を抑え、衣服の使用寿命を延ばすことにより、衣服ロスの削減に寄与しています。

〈プロジェクトの詳細〉

■毎日着る服を通して豊かさを考える「スローファッション講座」を世界中に広めたい!

■達成金額 ¥1,028,000

■目標金額 ¥1,000,000

■支援者数 107人

詳細はこちら:https://for-good.net/trn_project/72345

事例|フリマイベントの開催

フリマイベントを通じて、不要な衣服を再利用する機会を提供しています。

このイベントは、衣服を無駄に廃棄せず、再販することで衣服ロスを減らし、消費者にリユース文化を促進しています。

〈プロジェクトの詳細〉

■着なくなった服を楽しく循環させる「つなぐフリマイベント」を開催したい!

■達成金額 ¥162,000

■目標金額 ¥106,700

■支援者数 57人

詳細はこちら:https://for-good.net/trn_project/42364

 

このような活動の輪を広げていくためには、企業と共に協力し合い、より大きな影響を与えていくことが重要です。

次の章では、企業がどのように衣服ロス削減に向けて具体的な取り組みを行っているのかを見ていきます。

企業が広げる衣服ロス削減の輪

衣服ロス削減において、企業の役割は非常に重要です。

企業が積極的に取り組むことで、より広範な社会的影響を与え、消費者にも良い影響を与えることができます。

この章では、企業がどのように衣服ロス削減に取り組むべきか、また企業間の共同プロジェクトやキャンペーンがどのように効果を上げるかについて解説します。

企業が取り組むべき衣服ロス削減策を実施する

企業は衣服ロス削減に向けて、さまざまな施策を実施することができます。特に重要なのは、製品のライフサイクルを見直すことです。以下のような取り組みが企業には求められています。

生産過程での効率化

・余分な在庫を持たず、需要予測に基づいた生産計画を立てる。

持続可能な素材を使用し、製品の耐久性を高める。

リサイクルと再利用の推進

使用済み衣服の回収プログラムを設け、再販やリサイクルを行う。

・古着をリフォームやリペアで再利用し、新たな製品に変える。

廃棄物削減の目標設定

自社の廃棄物を最小限に抑えるための目標を設定し、その達成状況を公開。

廃棄物の処理方法を見直し、環境負荷を減らす

共同プロジェクトやキャンペーンを立ち上げる

企業が協力して衣服ロス削減に取り組むことは、より広範囲にわたる影響を与えることができます。

共同プロジェクトやキャンペーンを立ち上げることにより、消費者に対しても強いメッセージを送ることができます。

以下のような取り組みが有効です。

業界全体でのリサイクルキャンペーン

複数の企業が共同でリサイクルキャンペーンを実施し、消費者に衣服の回収を呼びかける。これにより、消費者の意識が高まり、リサイクルの普及が進む。

共通のリサイクルプラットフォームの開設

複数のブランドが協力して、消費者が簡単に使用済みの衣服をリサイクルできるプラットフォームを提供する。これにより、リサイクルの手間が減り、普及が促進されます。

社会的意義のあるコラボレーション

環境問題や社会貢献をテーマにした企業間のコラボレーションを行い、共同で衣服ロス削減に向けた啓発活動やキャンペーンを展開する。

 

企業が衣服ロス削減に積極的に取り組むことで、社会全体の消費パターンを変える力を持つことができます。

次の章では、実際のアパレル企業の取り組みを見ていきます。

衣服ロスに関する企業の取り組み事例

企業の取り組みは、衣服ロス削減において非常に重要な役割を果たします。

特に大手ブランドが実施するリサイクルプログラムや再利用の取り組みは、社会全体での意識改革を促進し、消費者にも良い影響を与えます。

この章では、実際に衣服ロス削減に取り組んでいる企業の事例を紹介し、どのようにして効果的に衣服ロスを削減しているのかを見ていきます。

企業名

取り組み内容

衣服ロス削減への貢献

ユニクロ

「Re.UNIQLO」プログラム:使用済み衣服の回収とリサイクル

廃棄される衣服の再利用を促進し、新たな製品に生まれ変わらせる

パタゴニア

「Worn Wear」プログラム:衣服のリペアと再利用

衣服の寿命を延ばし、廃棄を減らすためのリペアサービスを提供

ザ・ノース・フェイス

「The North Face Renewed」プログラム:再生リサイクル製品の提供

使用済み製品を再利用し、新たな命を吹き込むことで衣服ロスを削減

ユニクロの「Re.UNIQLO」

ユニクロは、使用済みの衣服を回収し、新たな製品に生まれ変わらせる「Re.UNIQLO」プログラムを実施しています

このプログラムは、消費者が不要になったユニクロ製品を店舗で回収し、それをリサイクルして新しい商品に生まれ変わらせる仕組みです。

■取り組み内容

・使用済みの衣服を回収し、リサイクルして新たな製品に生まれ変わらせる。

・廃棄物の削減と資源の有効活用を目指しており、衣服の製造に使う資源を減らすことができる。

■社会的意義

消費者が衣服ロス削減に直接参加できる仕組みを提供し、企業の社会的責任を果たす。

パタゴニアの「Worn Wear」

パタゴニアの「Worn Wear」プログラムは、顧客が使用したパタゴニア製品をリペアし、再利用する取り組みです。特に、製品の修理やリサイクルを奨励することで、製品の寿命を延ばし、廃棄物の削減に貢献しています。

■取り組み内容

・使用済み製品のリペア、交換、リサイクルを行い、廃棄物削減に貢献。

・「Worn Wear」オンラインショップでは、再利用された衣服や修理された製品を購入することができる。

■社会的意義

・消費者に対して製品を長持ちさせる価値を伝え、廃棄物削減を目指す。

ファッション業界における持続可能な消費を促進する。

ザ・ノース・フェイスの「The North Face Renewed」

ノース・フェイスの「The North Face Renewed」プログラムは、使用済みの製品をリフレッシュし、再販売する取り組みですブランドは、不要な衣服を回収し、リサイクルしたり、修理して新しい製品として販売しています。

■取り組み内容

・使用済みの衣服をリサイクルまたはリペアして再販売。

・再生可能な素材や修理可能な製品を提供することで、廃棄物の削減と製品寿命の延長を目指す

■社会的意義

・環境負荷を減らし、サステナブルな消費を促進する。

・消費者に対して持続可能なライフスタイルを提案し、衣服ロス削減に貢献。

 

これらの企業の取り組みは、衣服ロス削減に向けて重要なステップを踏み出しています。

消費者としても、これらのプログラムを活用し、積極的に参加することができます。

次の章では、衣服ロス削減に向けて社会全体でできることを見ていきます。

 

衣服ロス削減のために社会全体でできること

衣服ロスの削減は、個人の行動だけではなく、企業や団体、そして社会全体の協力によって大きな効果を生むことができます。

この章では、個人、企業、団体がどのように協力し合い、また社会全体としてどのように意識を高めていくことができるのかについて解説します。

個人、企業、団体が協力し合う

衣服ロス削減に向けた取り組みは、個人だけでなく、企業や団体が協力し合うことで効果的に進められます。以下は、各セクターに期待される役割です。

個人の役割

・衣服の整理と適切な処分(リサイクル、寄付)を行い、無駄な廃棄を避ける。

・サステナブルなファッションブランドを選び、長持ちする衣類を購入することで消費行動を変える。

企業の役割

・サステナブルな製品を提供し、製品ライフサイクル全体を見直す。

・リサイクルや再利用の促進、衣服の回収プログラムを実施し、消費者に参加を促す。

団体・地域の役割

衣服のリサイクルや寄付の仕組みを地域で支援し、生活困窮者に必要な衣類を届ける。

・教育や啓発活動を通じて、地域社会に衣服ロス削減の重要性を伝える。

衣服ロス削減に向けた社会的意識を高める

社会全体で衣服ロス削減に向けた意識を高めることも重要です。以下はそのための方法です。

教育と啓発活動

学校や地域コミュニティで衣服ロス問題に関する教育を行い、子どもたちに早期から環境意識を育てる

メディアやSNSを活用し、衣服ロス削減に向けた取り組みを広く知ってもらう。

企業の社会的責任(CSR)活動

・企業がCSR活動として、衣服ロス削減に取り組むことで消費者や他の企業に対して良い影響を与える。

・衣服のリサイクルやエコ製品の提供を通じて、消費者に持続可能な選択肢を提供する。

政府の政策と支援

政府は、衣服ロス削減のための政策を策定し、企業や消費者が積極的に参加できるインセンティブを提供する。

リサイクルインフラの整備や、消費者への啓発活動を支援するための予算を投入する。

 

社会全体が協力して、衣服ロス削減に取り組むことは、環境だけでなく、経済や社会的にも良い影響を与えることができます。

今すぐできる衣服ロス削減の一歩を踏み出そう

衣服ロス削減は、今すぐに始められる小さな一歩から始まります。

私たち一人ひとりができることを実践することで、少しずつ社会全体に良い影響を与えられます。

以下の方法を今日から実践してみましょう。

・不要な衣服を整理する:着ていない衣服を整理して、リサイクルや寄付を行う。

・サステナブルなファッションを選ぶ:環境に配慮した素材や品質の高い衣服を選ぶ。

・リサイクルプログラムを利用する:企業のリサイクルプログラムに参加し、古い衣服を回収してもらう。

・衣服のメンテナンスを大切にする:衣服を長持ちさせるために、丁寧に手入れし、修理して再利用する。

・周囲に意識を広げる:衣服ロス削減の重要性を周囲に伝え、共に取り組む。

これらの簡単なアクションを今すぐ実践することで、衣服ロス削減に貢献できます。

あなたの行動が社会全体の変化に繋がり、より持続可能な未来を作る力となります。

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