こどもと平和
【戦後80年】図書館に絵本を寄贈して、25万人の子どもと戦争と平和を考えたい!
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2025/9/19 10:00
Imagine 〜思い出の曲と思い出の街、そして…
こどものころ、母がよくかけていたレコードがあります。
「イマジン」
言わずと知れたジョン・レノンの名曲ですが(母はビートルズ世代)、歌詞の意味を意識したのはずっと後、大学生くらいになってから。(高校までは邦楽に夢中だったので、洋楽は流れていても聴き流していました)
イマジンに話を戻しましょう。
Imagine ——想像してみて。
大学時代を過ごした仙台市は人口およそ100万人。
第一印象は、「とてもきれいな街だなあ」ということ。碁盤の目のような中心市街にはきれいなビルが立ち並び、商店街のアーケードは明るくて、何より清潔感がありました。(当時まだ路上喫煙の禁止という概念がなかったのですが、新宿や渋谷の路上の汚さに驚いたものです)
遠景は青々とした青葉山に抱かれ、広瀬川がゆったりと蛇行して流れていきます。市内に点在するキャンパスも緑が多く、歴史を感じる校舎もなかなか好きでした(女子トイレが少なかったのだけはどうかなと思いましたが)。
先生たちも学生たちも、とても真面目かつエキセントリックで、自分の世界が広がっていく実感と共に四年間を過ごしました。
Imagine ——想像してみて。
100万人の住む街を。
今ニュースでは、ガザの街が破壊される映像が流れています。もうずっと前からガザは空爆でぼろぼろなのに、まだ壊すところがあるの?と驚くほどです。そして「ガザの住民はおよそ100万人。そのうち30万人が避難しました」とニュースは伝えています。
100万人。
仙台の街が、すぐとなりの、たとえば福島や岩手、いいえ、もっと近くの名取や石巻から戦車がやってきて、爆撃されて、破壊されて、仙台の美しい街並みが瓦礫と化して、住民がみんな避難しなければならなくなったら。
家を捨てて、仕事を捨てて、家族や友人と離れ離れになって、鉄道も道路も爆撃で壊れて電車も車も使えなくて、100年も昔の人々のように徒歩で、両手で持てるわずかなものだけを持って、小さな子どもを励ましながら。
あるいは、岩手県の人口は114万人だそうです。
岩手に住む人々の9割と同じ人数が、あの映像のどこかで危険にさらされているのです。
この戦争の何が正義で誰が悪いなどと、私には言えません。
かつては宗教が、今は国家が、この地を戦場にしている。
でも、私にはレノンのように「宗教も国家もない世界を想像して」とは言えません。多くの宗教は人々の心の拠り所となり、国家は国民の生活を守っています。
ただ……
Imagine ——想像してみて。
Imagine all the people livin\' life in peace…
すべての人が平和に暮らすことは、想像の中にしか存在しないのでしょうか。
ひとつ確実なことは、今日この日のことも、いつかは歴史となるということ。
この地域の悲劇の歴史を辿ると、一体どこから間違ったのかというほど膨大な出来事が起きてきました。もしあの時、この地に入植しなければ。あの時、ホロコーストが起きなければ。あの時、あの時、あの時…千年、二千年の古い歴史を遡り、戦乱の糸はどこまでも繋がっていきます。
そしてその糸は、未来へも繋がっていくのでしょう。
だから、今日の戦いが、今家を追われている人ひとりひとりの苦しみが、いつか新たな戦乱の糸につながっていったとき、せめて覚えていなければと思うのです。今日メディアによって伝えられてきたこの光景を、わたしたちは知っていなければと思うのです。
Imagine ——想像してみて。
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