2025年11月09日 23:59:59まで
より良い社会
危機を希望に。読者とともに「新しいメディアのかたち」をつくりたい
FOR GOOD
プロジェクト実行者が支援金を全額受け取れるよう、支援者さまからのシステム利用料(220円+決済手数料5%)により運営しています。
2025/10/14 10:00
IDEAS FOR GOOD メンバーの想い #4 誰もが希望と優しさに包まれて生きられる社会の実現を目指して
みなさんこんにちは。IDEAS FOR GOOD創刊者で、運営元のハーチ株式会社の代表をしております、加藤です。
このたびは、IDEAS FOR GOOD のクラウドファンディングに興味を持ってくださり、本当にありがとうございます。また、すでに支援していただいた皆様も本当にありがとうございます。
すでに100名を超える方々からご支援をいただき、またたくさんの温かい応援コメントやメッセージもいただいており、改めてIDEAS FOR GOODは本当に多くの方々に支えられて運営してこれたのだと実感するとともに、ご支援いただいた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。編集部メンバー一同、皆様からの一言一言に励まされ、勇気をいただいております。本当にありがとうございます。
本日の活動報告では私から改めて、今回のクラウドファンディングを始めた経緯についてお話しさせてください。
弊社では2015年の創業以来、 Webメディアの運営を軸として事業を展開してきました。様々なお客様や広告主の皆様からの支えもあり、2021年ごろまでは順調に事業が推移していたのですが、数年ほど前より、検索やSNSプラットフォーマーの変化、アテンションエコノミーの加速など、メディアを取り巻く環境が変わる中で、少しずつメディア事業を取り巻く環境が厳しくなっていきました。私たちとしても、それらの変化に対応するべく、企業や自治体の皆様とのお仕事など、メディアとは異なる仕事の量を増やして対応してきました。
しかし、そこに昨年ごろから登場したのがAIです。国内外の多くのメディアがAIの登場により訪問者数を減らしており、中には人員削減をするといったニュースを目にする機会が増えました。実際にIDEAS FOR GOODや弊社の他メディアも、ピーク時と比較して大きく読者数が減少しています。もちろんこれらは外部環境そのものではなく、外部環境の変化に対応しきれいない私たちの問題であり、全員が持続可能なメディア運営の実現に向けて日々努力を続けています。
「社会課題を解決するクリエイティブな事例を10個紹介してください」とAIに聞けばすぐに答えを返してくれる時代。AIによる環境負荷の増大や、社会的な分断の深まりも懸念されています。IDEAS FOR GOODは、これからメディアとしてどのような価値を作っていけば良いのか。真剣に問い直すタイミングが来ていると感じます。
メディアを取り巻く事業環境が変わるなか、IDEAS FOR GOODでも、記事に加えてポッドキャストやニュースレターの配信、サポーター制度の創設、Repair Cafeのドキュメンタリー制作、企業や自治体の皆様とのコラボレーションによるリサーチや展示プロジェクト、体験、ワークショッププログラムなど、様々な新しい挑戦を続けてきました。
おかげさまで、こうした企業や自治体の皆様とのお仕事は順調に増えており、ありがたい限りなのですが、一方で、それらの価値の源泉となるメディア事業についてはかつてなく厳しい状況にあり、私たち自身が過去のメディア運営の成功体験を捨て去り、変わらなければならないと強く感じています。
このような背景も踏まえ、これからAIという巨大なメディアがより生活に浸透していく時代において、IDEAS FOR GOODはどのようにメディアとして存続し、価値を創造できるのか。編集部でも議論を重ねてきました。一つ一つの取材には時間も手間もかかりますが、その丁寧さを失ってしまえば、IDEAS FOR GOODの価値はなくなってしまいます。一方でアテンションエコノミーが加速し、インスタントな情報や動画、生成AIのコンテンツが溢れるなかで、私たちが大事にしたいスローなジャーナリズムやコンストラクティブ・ジャーナリズムは従来のやり方では継続が難しいのも事実。そこで行き着いたのが、今回のクラウドファンディングです。
厳しい状況に変わりないですが、せっかくであれば、IDEAS FOR GOODらしく「危機」だけではなく未来に向けた「希望」を発信したい。また、どんな未来がほしいのかを編集部だけではなく読者の皆様と一緒に考え、実現していきたい。そう考える中で生まれた方向性が、下記の3つでした。
- 人を幸せにする“ちょうどよい”デジタルメディア
- それぞれの正しさに寄り添う、「問いのジャーナリズム」
- ともに考え、つくる。“読む”メディアから“編む”メディア
AIによりメディアに限らずあらゆる事業環境が変化していることは事実ですが、我々自身も日々のメディア運営や業務においてはAIから多大な恩恵を受けていますし、大きな事業機会だと捉えています。一方、環境負荷や分断、倫理など様々な懸念も表面化するなかで、持続可能な未来の実現を目指すメディアとして、どのように責任あるジャーナリズムを実現できるのかを、これまで以上に真剣に考える必要があると実感しています。ただAIを否定するのではなく、どうすれば人間とAIとが共愉的な関係を築きながら、本当の意味で人が幸せになるデジタルメディアを作ることができるのかを考え、実際にそれを体現したメディアを作りたいなと考えています。
また、さらに未来への不確実性が高まり、未来も正しさも複数形となっていく時代の中では、これまでIDEAS FOR GOOD が提供してきた「課題」と「解決策」というシンプルな構造では十分ではなくなっていると感じています。「正しく」解くのではなく、「正しさそのもの」を解き(ほどき)なおし、自分たちが考える正しさとは異なるもう一つの正しさや、その背後にあるWHY(なぜ)に耳を傾け、正しさを「問いなおす」ところから始めるメディアを作りたいなと考えています。
このプロトタイプとして、先日もSustainable Media Futuresというテーマで、読者の皆様と対話しながらAI時代の持続可能なメディアのプロトタイプを考える体験型メディアとしてのイベントを開催させていただきました。そして、参加者の皆さんからたくさんのインスピレーションをいただきました。

これは、3つ目の「読む」から「編む」メディアへの変革にもつながります。従来の編集部・読者という関係性を超えて、記事というアウトプットではなくそれらのアウトプットを作る「プロセス」自体をメディア体験として共有・提供しながら、ほしい未来をただ記事として「読む」のではなく、ともに「編み」なおしていけるようなメディアのあり方を追求したい。そう考えました。
「不安」ではなく「希望」が、「知識」ではなく「仲間」が増えるメディア。それが、IDEAS FOR GOOD の目指す姿です。ただ、これらの変化は、私たちだけで実現できるものではありません。皆様の力をお借りしながら、私たち自身が IDEAS FOR GOOD 2.0として生まれ変わる。このクラウドファンディグには、そのような決意が込められています。
期間中は、私も含めてそれぞれのメンバーが動画などでそれぞれの想いを発信していきます。ぜひIDEAS FOR GOODというメディアをつくりあげてきたメンバー一人一人の声に少しでも耳を傾けていただければ嬉しいです。
そして、少しでも共感いただけることがあれば、支援をいただいたり、ページをシェアいただいたり、一言叱咤激励や応援のコメントをいただけるだけでも大変ありがたいです。もちろん、SNSのいいね!ボタンを押していただくだけでも、心の中でそっと「がんばれ」と呟いていただくだけでも、むしろ貴重な人生の時間の一部を費やしてここまで文章を読んでくださっただけでも、本当にありがたく、嬉しく思っています。
日頃よりお世話になっている読者やパートナーの皆様に恩返しをするためにも、この旅路を終わらせたくないと思っています。まだまだIDEAS FOR GOODを通じて応援したい企業、個人、取り組み、夢、未来がたくさんあり、その一つ一つのために、私たちのメディアは存在し続けたいのです。
私たちは至らぬところばかりではありますが、この挑戦の先にある、誰もが希望と優しさに包まれて生きられる社会の実現を目指して、これからも真っ直ぐに前を向いて進んで行こうと思っています。少しでもその背中を押していただけたら嬉しく思います。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!
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