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2025/10/16 13:55
IDEAS FOR GOOD メンバーの想い #5 やさしさで世界を編む。IDEAS FOR GOODに支えられてきた7年
みなさんこんばんは!IDEAS FOR GOOD編集部の富山恵梨香です。クラウドファンディングが始まってからというもの、毎朝まずこのページをひらくことが、すっかり日課になりました。「社会に必要なメディア」「大切な存在」など、そんな言葉を読むたびに、「このメディアを、どうしても残さなければ」と、毎日背中を押されています。
同時に、応援してくださるお名前やお顔を思い浮かべるたびに、IDEAS FOR GOODは本当にたくさんの人とともにあるメディアなのだと実感します。みなさん、いつも本当にありがとうございます!
今日の活動報告は「IDEAS FOR GOOD メンバーの想い #5 」として、少しだけ、個人的な想いを書かせてください。
私は2018年の9月、ハーチに入社しました。
当時の編集部はたった3人。入社前ベトナムで働いていた私は、右も左もわからぬままにハーチ入社早々、取材でまたベトナムへ。その後すぐ、現地で出会った社会起業家をもう一度訪ねる「Experience for Good」という体験ツアーをつくることに。ツアーの中で感じた、人と人とのまなざしのあたたかさは私にとって、忘れられない原点です。言葉を交わし、互いの背景を知り、誰かの想いが誰かの行動へとつながっていく。あのとき感じたつながる力が、いまの私の「伝える」という仕事の根っこになっているように思います。
IDEAS FOR GOODで書かせていただく記事は、私にとってギフトのようなものです。取材先へのお手紙のように、一つひとつ心を込めて手渡してきました。その記事が誰かの活動の水になり、芽が育ち、花が咲き、やがて種が生まれていく。その種がまた別の誰かに届き、インスピレーションとなり、土壌が少しずつ豊かになっていく。
幸運なことに、この7年間、私はその連鎖を何度も目にしてきました。IDEAS FOR GOODは自分にとって、社会にあるそうした希望の循環を、そっと見守ることのできる場所でもあります。

いま、私はこの大好きなメディア、IDEAS FOR GOODの「共同編集長」というバッチをいただいています。けれど、正直に言えば、自分からその肩書きを名乗ることは、ほとんどありません。
期待を寄せていただいている限り、その責任を果たさなければと、日々自分に言い聞かせながら働いています。けれど時に、複雑さを増すサステナビリティの議論や、大きくなる期待の重さに心が追いつかなくなり、過去には「編集長をやめたい」と、代表の佑さんに泣きながら話したこともありました。それはきっと、「IDEAS FOR GOODを背負わなければ」と、勝手にどこかで思い込んでいたからだと思います。
けれど本当は、IDEAS FOR GOODは誰か一人が率いるメディアではありません。
メンバー一人ひとりが、自分で考え、問いを立て、答えを探し、行動しています。それぞれが編集長のように対話を重ね、有機的につながりながら、ひとつのメディアを紡いでいる。そしてその輪は、編集部の内側だけでなく、日々IDEAS FOR GOODを応援してくれる読者の方々や、一緒にプロジェクトをつくり上げてくれているパートナーの方々にも広がっています。IDEAS FOR GOODは、そんな多くの人の手と、心で編まれているメディアです。
「IDEAS FOR GOODとして、どんな社会をつくりたいと思う?」
先日、クラファンチームとそんな話をしていたとき、ふと浮かんだのが、 IDEAS FOR GOODは私にとって「聞いてもらえる場所」だということでした。
自分が出会って心動かされた人や、世界中の素敵なアイデア。「こんな社会だったらいいな」と願う想い。こうした小さな感情が記事となり、誰かの心に届いていく。それに共感してくれる人がいて、対話を広げてくれる仲間がいる。そのたびに、自分の中のもやもやや生きづらさが、少しずつ肯定されていくような気がするのです。IDEAS FOR GOODには、社会の片隅にある小さな声や、その価値を見つけるのが上手な、やさしい人たちが集まっています。私自身も、そのやさしさに何度も救われてきた一人です。
聞くとは、ただ耳を傾けることではなく、判断を保留する勇気。誰かの声を急いでまとめず、白黒をつけず、そのまま社会の中にそっと置いてみること。
正しいか間違っているかではなく、その人の中にある揺らぎごと、受けとめること。IDEAS FOR GOODの記事に「やさしさを感じる」と言っていただけるのは、きっとその曖昧さを恐れずに、誰かの声をそのまま置いているからかもしれません。
そして白黒をつけないことは、弱さではなく、世界の複雑さに敬意を払うことだと思っています。答えを出すよりも、問いをひらくこと。そうして生まれる対話の余白こそが、世界を少しずつつなぎ、分断の多い社会に新しい対話を生むのだと、信じています。
そしてこのクラウドファンディングは、「この世界にIDEAS FOR GOODという場所を残したい」と願ってくださる人たちと、手を取り合うためのプロセスであると思っています。
この場所を、これからもみなさんと一緒に丁寧に、大切に育てていけたら、それほど嬉しいことはありません。


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