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危機を希望に。読者とともに「新しいメディアのかたち」をつくりたい
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2025/11/1 13:00
IDEAS FOR GOODメンバーの想い #8 「自分の言葉」を紡いでいくために。IDEAS FOR GOODがつくりたい対話の場
こんにちは!IDEAS FOR GOOD編集部の伊藤智子です。このページに辿り着いてくださった皆さま、本当にありがとうございます。クラウドファンディングが始まり、早一か月。残りも約一週間ほどとなりました。
本日は、私のIDEAS FOR GOODへの想いを少し綴らせていただきます。
文章を書いていたわけでもない、取材の経験もない。そんな私がIDEAS FOR GOODにかかわり始めたのは、まぎれもない偶然でした。貧困、飢餓、差別や偏見……世界中で苦しんでいる人を助けたい。そう思って勉強したものの、知れば知るほど現実は複雑で、いつになっても困っている人たちが世界のどこかに存在し続ける。そんな世界に希望を失いかけ、自分にはできることはないのではないか、と途方に暮れていました。
そのとき出会ったのが、IDEAS FOR GOOD。なくならない社会の課題に対して、心から向き合い、熱い想いを持って解決しようと取り組む素敵な人たちやアイデアに光を当てながら、同時に世の中の課題を伝えていく。その存在を知ったとき、とてもワクワクし、私も「希望」を届ける一人になりたいと強く思いました。
それから、早5年。その間、私は半年ほど休職していました。一日中パソコンの画面を眺めながら文章を書いていると、あっという間に一日が終わっている。一歩も外に出ない日もある。そんな日が続くと、自分があまりに狭い世界に閉じこもっていると感じました。この世界は、広く、どこまでも続いているのに。また、記事を通して発信しているにもかかわらず、自分自身が机上の空論でしか理解していないことにもどかしさを覚えていました。もっと人間らしく、地に足ついた生活をしよう。そんな想いで私は休職を決めました。
畑仕事にいそしんだり、店長としてカフェに立ったり、キッチンカーで地域の特産品を販売したり、農家さんの手伝いをしたり。休職中、色々な挑戦をするなかで、「顔が見える場」の大切さを身に染みて感じました。これまで接点のなかった人同士が、偶然出会い、何かが巻き起こっていく。予測不能な偶発的な出会いだからこそ、生まれるつながりや可能性。そうやって新たな扉が開く瞬間を幾度となく目の当たりにしました。そこにはいつだって、「心の揺さぶり」がありました。人、モノ、自然……何かと真正面から向き合い、直接触れ、そこからこみあげてくる想いとゆっくりと向き合う。そうした時間の大切さを実感しました。

そんな私が、IDEAS FOR GOOD第二章で描いていきたいのは、「心通う場とコミュニティ」です。心の奥底に触れ、じんわりと沁み込んでいくような出会いや体験。そこで感じた問いや気づきを共有できる場と時間。言葉上の情報だけでなく、そこからはみ出たものたちをも掬い上げ、生身の身体で体感し、深めていけるような場です。
形あるものや目に見えるもの、わかりやすいものばかりが価値となりやすいこの社会で、ともすれば零れ落ちてしまう曖昧なものや複雑なもの。そうしたものにも目を向け、言葉ではなく、心で理解し、対話を重ねていく──そんな時間が必要だと思うのです。
かつて、取材で時間を共にした生物学者の福岡伸一先生はこんな言葉を伝えてくれました。「誰かの借り物の言葉でなく、『自分の言葉』で語れるようになることが大切です」。誰もが簡単に言葉を発することができ、そこここに言葉が溢れるこの世界で私たちメディアが果たすべきこと。それは、心のうちから湧き出た「自分の言葉」を紡いでいくこと、読者の皆さんが「本物」を感じとる体験を共に創り出すことだと考えています。そのために、私たちは、一方的な情報発信ではなく、共に心揺さぶられる体験を共有し、対話を重ねるという、メディアの新しい形を築いていきたいのです。


誰かの心にそっと、だけど力強く触れる言葉と、希望の光が差し込むようなわくわくする体験。そんなメディアを通して、もっと良い社会を共に築いていければ嬉しいです。
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