牛の命
八丈島唯一の牧場に生きる40頭のジャージー牛たちに充分な飼料を
みんなの応援コメント
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2025/11/25 11:42
八丈島乳業のミルクに救われた私が、いま伝えたいこと(武蔵野デーリー木村様より)
東京・吉祥寺の牛乳屋、武蔵野デーリーの木村です。私たちは100年ほど前から牛乳屋を続けていますが、3年前に全国の放牧牧場のミルクをセレクトして提供する「CRAFT MILK STAND」を始めました。これまでに国内200戸以上の牧場を訪ね歩き、 “本当においしい牧場ミルク” を探し、皆さんに届けてきました。
その中でも 八丈島乳業さんのミルクは、開業当初から変わらず扱わせていただいている特別なミルクです。お店を始める前に、牧場も訪問させていただいていたのですが、その時飲んでいらい個人的にもずっと大好きなミルクです。
何より、お店を始める直前の5月ごろ、試飲としてミルクを取り寄せてもらった時の味は忘れません。草の香りがして、ソフトクリームをのんでいるかのようなやさしい甘さを感じました。それは私に「このミルクがあるなら、CRAFT MILK STANDは必ずやっていける」と確信をくれた一杯でした。
普段は島の中だけで消費され、本土へはほとんど流通しないミルクですが、特別にうちのお店にも卸してくださっています。その唯一無二の味わいに魅了され、吉祥寺には八丈島乳業さんのファンがたくさんいます。リピートされる方も多く、「またあのミルクを飲みたい」という声が絶えません。
先日の台風被害を受け、私たちも吉祥寺のお店で小さな応援イベントを開催しました。
すると、本当に多くの方が心配して来店し、「八丈島を応援したい」とミルクやチーズを買ってくださいました。八丈島乳業を応援する皆さんの温かい気持ちに、私自身が嬉しくなりました。
その後、被害状況を自分の目で確かめたいと思い、先日八丈島を再訪しました。今回で2度目の訪問です。
■ 絶景の中を歩くジャージー牛たち。しかし牧場のあちこちに残る、台風の爪痕。
目の前には雄大な太平洋。溶岩石の台に立つジャージー牛は、まるでライオンのようにたくましく、美しかったです。
一方で、椰子の木は強風と塩害で葉が枯れ、牧場のあちらこちらに落ちてしまった葉が残っていました。牛は食べないため、すべて片付けなければならないそうです。
台風当時は、子牛の小屋が壊れ(幸い子牛は逃げて無事)、電気も水道も止まり、搾乳機が使えず手搾りで作業を続けた日もあったと伺いました。想像するだけで胸が痛みます。
それでも、歌川社長もスタッフの金山さん、月ヶ瀬さんも、明るく前向きな雰囲気を失わずに話してくださいました。
■ 金山さんの「牛への愛」が伝わる時間
金山さんに牧場を案内していただいたのですが、終始笑顔で「この牛はね…」と嬉しそうに話す姿が印象的でした。以前撮りためた写真もたくさん見せてくれて、牛たちへの深い愛情がひしひしと伝わってきました。
スタッフの皆さんの前向きさや温かさが、きっと牛たちにとっても大きな安心につながっているのだと思います。
■ 八丈島乳業のチャーミングな文化
八丈島乳業さんでは、搾乳の際に牛の名前を呼びます。すると牛たちが「はいはい」と言わんばかりに、そろりそろりと搾乳小屋へ歩いてきます。
牛の名前もまた素敵です。たとえば「ゆりこ」。後に小池百合子都知事が牧場を訪れ、「ゆりこ」と一緒に記念撮影をされたそうです。
その子どもに付けた名前は「みどり」(注:キーカラー)。こういうストーリーが自然に生まれるのも、牧場の魅力です。
牧場には楽しさがあふれていて、「だからこそ、こんなにおいしいミルクが生まれるんだ」と強く感じました。
■ 観光復興まで、どう乗り越えるかが本当に大切です
島全体では観光が徐々に戻りつつあると聞きましたが、完全な復興まではまだ時間がかかります。観光が戻れば、多くの人が再び足を運ぶ八丈島。私もそう信じています。
しかし 「そこまで耐えられるかどうか」 が今、本当に大きな課題です。観光で潤っていたからこそ、観光が回らないと経済が回りません。危機的な状況といえます。だからこそ、今回のクラウドファンディングが大きな支えになります。
■ 八丈島乳業を愛する皆さんへ
八丈島乳業が好きな方、八丈島が好きな方、そして牛乳が好きな方。もちろんそれ以外の人も。どうか今回のクラウドファンディングに力を貸していただけると嬉しいです。私自身、この牧場のミルクに希望をもらい、お店を続けてこられました。
少しでも多くの方に、このミルクを未来につなぐお手伝いをしていただければ幸いです。
武蔵野デーリー
取締役 木村充慶
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