クラウドファンディングにご支援いただいた皆さま、
こんにちは、とりくむゑメンバー/PUR平和センター職員の田畑です。
皆様からのご支援のおかげで、10月26日〜28日にかけて、ブルンジ経済首都ブジュンブラにて「アイデンティティと紛争」をテーマとした平和教育ワークショップが開催することができました。
今回の現地報告では、その様子や参加者の声をお伝えします。
・国籍、宗教、民族の「違い」は、紛争の原因か?

(ブルンジ経済首都ブジュンブラにて、平和教育ワークショップ開催)
会場に集まったのは、23人の若者たち。参加者の多くがブルンジ人でしたが、大湖地域出身の対立集団に属する若者たちを繋ぐという私たちの意図に沿い、ルワンダ・コンゴ人もそれぞれ2人ずつ参加しました。
テーマは「アイデンティティ」と紛争。
大湖地域では現在、ルワンダ人とブルンジ人、ルワンダ人とコンゴ人、ルワンダ系コンゴ人とコンゴ人隣接集団、ツチとフツ (*民族名称)、など、歴史的・政治的背景もあいまって、国籍や民族の違いが集団間の対立を煽っています。
それにより、異なる集団に属する若者たちの間には、根強い相互不信感や偏見が広がっています。しかし、これらの「違い」は、紛争の根本原因なのか。
この問いを深め、議論することが今回の主なテーマでした。
・「違い」と「共通点」を認識するワーク
ワークショップ初日。自己紹介を終えた参加者が最初に体験したのは「自らが認識するアイデンティティを書き出すワーク」です。
国籍、出身地区、宗教、民族集団、出身学校、職業、応援するサッカーチームなど、複数のアイデンティティで自らが形成されていることを認識し、また国籍や宗教などの「違い」はあれど、私たちの間には多くの「共通点」があることも確認しました。

(グループディスカッションの様子1)
差別・偏見についてのセッションでは、参加者が自由にお互いに対する偏見を語り合いました。
「ルワンダ人は兵士だ」とコンゴ人は言うと、
「コンゴ人は犬の肉も食べる」とルワンダ人は言いました。
会場にひとしきり笑いが起きた後、私たちは自らに問いかけます。
「でも、本当にそうなのか?それは今ここで顔を合わせている私たちに当てはまっているか?」と。
参加者同士は、こうした議論や対話を通じて「アイデンティティの違い自体が問題なのではなく、そこに差別・偏見・集団間格差などの要素が加わった時に、紛争・対立につながること」を実感していきました。

(グループディスカッションの様子2)
・国境を超えてつながっていく若者たちの存在
2日目には、アイデンティティにまつわる自らの苦労話を参加者同士で打ち明け合いました。
あるコンゴ人は、昨年武装勢力M23がコンゴ東部を支配した時のことを語りました。
「民兵たちは片っ端から住民を拘束して問いかけた。そこで民族の言葉を話せない者は敵だと見なされてひどい暴力の被害に遭った」
「幼少期からルワンダにルーツを持つコンゴ人とは付き合うなと両親に教えられて育ってきた。でも今、私はそれが正しいことなのかを疑っている」
あるブルンジ人は、2015年の政治危機の記憶を語りました。
「ルワンダ人の友人は、反政府勢力のスパイとみなされた。僕も典型的なツチの顔をしているという理由で拘束された」
このようにして、お互いの痛みに耳を傾ける中で、この場で出会った若者たちの関係性が深まっていくことを私は感じました。

(大湖地域の若者たちがワークショップを通して出会う)
3日間のワークショップが終わった後、ブルンジ人の参加者の1人が家に招待してくれました。私は同じくその場で出会ったコンゴ人とともに、会場近くにある彼の家を訪れました。
ブルンジ人の彼の母が用意してくれた、バナナとピーナッツソース煮込み料理を一つの大皿を突きながら、皆でいただきました。
食事中、私はブルンジ人、コンゴ人である彼らに尋ねました。
「お互いの国に対して持っている偏見はある?」
2人はしばらく「うーん」と考えた後、先にコンゴ人の彼が笑いながら言いました。
「We are same !」(俺たちは同胞だ!)
それを聞いたブルンジ人の彼は、一言だけ、愉快そうに言いました。
「Absolutely !」(完全に同意だ!)

(ワークショップ参加者による集合写真)
コンゴ東部や大湖地域における紛争の行く末を想像すると、私は暗い気持ちになることがあります。「紛争が終わった」と言えるであろう日は遠すぎて、うまく想像できないからです。
しかし、私は現場で日々繰り返し感じていることがあります。
「希望は、平和を志す人々の中にある」
母国やこの地域の平和に尽くすべく、その術を学び、実践していく若者たちは少なくありません。そんな彼らが国境を超えて出会い、信頼を育み、ともに平和のためのアクションを起こしていけるように。
私たちとりくむゑでは、引き続き、現地で情熱を持って活動する若者たちの活動を支え続けていきます。
引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします。
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記事執筆
とりくむゑ/ PUR平和センター
田畑