「来年は絶対にやらない。」
僕は、ホッチポッチが終わるたびにそう思っています。
今年で3年目。
この記事を書いている今も、正直「来年は辞める」と思っています。
大学やアルバイト、就活などやりたいことは他にもある。
ホッチポッチの準備は大変だし、夜遅くまでミーティングが続くこともある。
それでもたぶん僕は来年もやっているんだと思います。
なぜなのか、自分でも少し不思議です。
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会員No.181、アークシップ在籍3年目の古谷大河です。
現在は大学3年生で、アークシップでは広報班を担当しています。
僕が所属する広報班の仕事、それはホッチポッチの魅力をたくさんの人にとどけることです。
しかし大学1年生のときにインターン生としてアークシップに入った当時の僕は、
「ホッチポッチって何?」
「マイノリティって何?」
「そもそも何のイベント?」
という、まさに右も左も分からない状態でした。
広報班としてその魅力を伝えるべきホッチポッチがどんなイベントなのか全く知らないどころか、その魅力を想像する余裕すらない日々。
まだ責任感というものもあまり持っておらず、それでいて未熟なくせにプライドだけは高い僕は、ミーティングで知らない言葉が出てくるたび分かったふりをしながらスマホでこっそり検索していました(笑)。
そんな状態で広報班として出演者さんに取材をして、記事を書いて「どうすればこの出演者さんたちの魅力が、多くの人に伝わるんだろう」と、悩む日々。
今思えば、本当に何も分からないまま無我夢中でがむしゃらに頑張る、なかなか無茶なスタートでした。
そんな中、忘れもしないアークシップ1年目の2024年10月5日の出来事。
僕はその日、プライベートで三浦のマグロ食べ歩きイベントに出かけていました。
今日は大好きなマグロをお腹いっぱい食べられる、楽しみにしていた年に一度のお祭りの日。
そこに、インターンの先輩から一通のメッセージが届きました。
そのメッセージは、僕の何でも後回しにしてしまう怠け癖や連絡をきちんとできない意識の低さについて、スマホで2スクロール分くらいあるかなり厳しい注意の文章。
そこには動画や記事の作成が遅々として進まないことへの叱責の言葉が並んでいました。
「楽しい一日が台無しだよ…」
落ち込んでいるところに、今度はステージ担当のチーフから電話がかかってきました。
こちらでも出演者さんとの連絡に大きな不備があり、その件についても電話で厳しく注意を受けました。
赤いマグロを頬張りながら、頭の中は真っ白でした。
「もう辞めたい。」
正直、そう思いました。
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ホッチポッチのことを何も知らない上に、無責任で未熟だった僕。
マグロ事件で心は折れかけていましたが、それでも出演者さんとのやり取りは続きました。
そんな未熟な僕の取材にも、出演者の皆さんはいつも優しく接してくれました。
初めてのホッチポッチ当日のことです。
前に取材でお話ししたことがあった出演者さんから「一緒に写真を撮ろう」と声をかけてもらいました。
それが、ものすごく嬉しかった。
自分はただの「取材する側」だと思っていた。
所詮ホッチポッチ当日限りのお付き合いか、ビジネスとしての連絡が中心だと思っていました。
なにより、あれだけ失敗して迷惑もかけたのだから、きっともう見放されている、そう思っていたのです。
そんなどうしようもない自分のことを取材が終わったあとでも覚えてくれている人がいた。
その瞬間、ホッチポッチは記事や動画を作って終わる「仕事」ではなく、「人と人とのつながり」でできているんだと初めて実感しました。
そして初めてホッチポッチの会場に立ち、半年間にわたってずっと画面や文章を通してなんとか魅力を伝えようと頑張ってきたあのホッチポッチが目の前で始まったあの瞬間。
取材でお話した出演者さんがステージに立ち、その前にたくさんのお客さんが笑顔で集まっている。
「この瞬間のために、今までやってきたんだ…!」
自分が一つ一つ取り組んできたことが、目の前で音楽祭として形になったのを見たとき、辞めたいと思っていたあの辛さが吹き飛んだのを覚えています。
そんな激動の1年目を経て、アークシップメンバーとして3年目になった僕。
これまでにもホッチポッチに時間を使わずに「他のこともやりたいのにな」と思うこともたくさんあった。
毎日24時間くらい「辞めたい」と思っていた時期もありました(笑)。
でも不思議なことに「本当に辞めよう」と思ったことは一度もありません。
僕が辞めなかった理由、それは大学生の自分にここまで真剣に向き合ってくれる大人たちがいる環境を手放したらきっと後悔すると思ったからです。
この3年で一番自分が変わったと思えることのひとつに、「連絡のマメさ」があると思います。
昔は同期からのメール連絡を無視することすらあった僕が、今ではメンバーから「既読が早い」と認められるくらい返信を早く返すようになりました。
それは、自分の後回しや連絡ミスで誰かの作業を止めてしまうことがある、と分かったから。自分が「後で返そう」と思っている間にも誰かは返事を待っている。
そう考えるようになってから、僕は連絡がかなり早くなりました。
今では誰よりも圧倒的に返信が早いと自負しています(笑)。
たかが返信。
でも、その一通がホッチポッチを一歩前に進めることもある。
一通のメールもホッチポッチをつくるための大事な仕事なのだと、今は思えるようになったのです。
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来年ホッチポッチが無かったら、きっと寂しい。
怠け者でプライドも高い自分にとって、厳しく注意されるのは正直しんどかった。
でも、自分の行動を見て本気で伝えてくれる大人がいる。
それは、今思えばすごくありがたいことでした。
そして何より、ここで辞めたら自分が引き受けた仕事を誰かにやってもらうことになる。それはお世話になった人たちに迷惑をかけることになる。
「もし失敗したとしても、自分から投げ出すのはやっぱり違う」
担当を外されない限りは、失敗したとしても任された仕事は最後まで責任を持ってやり切ろうと決めた。
そんな小さな責任感が僕の心に芽生えたのも、見守ってくれる大人の先輩たちがいて、僕を覚えていていくれる出演者の人たちがいるからなのだと思います。
最初は何のイベントなのか、その意味さえ分からず辞めたいといつも思っていたホッチポッチは、いつの間にか僕の中で就活やアルバイトがある中でも続けていきたいと思えるような存在になっていました。
そんなに頑張っているのも就活のためでしょ?と聞かれれば、もちろんその気持ちがゼロだとは言えません。
でも就活のためだけだとしたら、毎日夜中まで行われるミーティングや毎週行う出演者さんへの取材なんかの時間も体力も削られることを続けることはできなかったでしょう。
結局は、手を抜かずに責任感をもって先輩や仲間たちとこの2日間の音楽祭にかける。
その時間は、僕にとって他では経験できないかけがえのないものだからなんだと思います。
だから毎年「来年は絶対辞める」と言いながら、また次の年も戻ってきてしまう。
もしホッチポッチが今年で最後だったら、一番寂しいのは来年「絶対やらない」と言えなくなることかもしれません。
「来年もある」と思っているからこそ、文句も言える。
「今年は大変だったな」と笑える。
そして、なんだかんだで「来年はどうしよう」と考えられる。
本当に最後になったら、きっと僕は「来年はやらない」ではなく「来年もやりたかった」と言っている気がします。
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ここまで記事を読んでくれたみなさん、そしてクラウドファンディングを応援してくれたみなさん、本当にありがとうございました。
最初の僕は、「ホッチポッチって何?」というところから始まりました。
失敗して、怒られて、何度も「辞めたい」と思いました。
それでも、ここで出会った大人たちや出演者さんたちが、僕を見捨てずに向き合ってくれた。
そのおかげで、僕は少しだけ人の立場を考えて動けるようになったと思っています。
だから今度は、僕と同じように最初は何も分からない誰かがこの場所で何かを見つけられるようにしたい。
「自分には何もできない」と思っていた学生が、本気で一つのアイディアを出し合って、みんなで一つのものを育てていく。
そんな経験ができる場所を僕はなくしたくありません。
だからもし、もしこの記事を読んで「なんか面白そうだな」「こういう場所、なくならないでほしいな」と思ってくださったなら、ぜひその気持ちを応援という形に変えていただけたら嬉しいです。
そしてホッチポッチをまだ知らない人がいたら、ぜひ一度ホッチポッチに遊びに来てください。
スタッフが、スタッフなのにお客さんと同じくらい楽しんでいる姿にきっと驚くと思います。
スタッフなのに出店を覗きに行ったり、バナナジュースを飲みながらお客さんと話したり。
もちろん仕事はちゃんとやっている、でもその上で自分たちも楽しんでいる。
「運営する側もこんなに楽しんでいいんだ。」
それが、僕にとってホッチポッチの大きな魅力です。
そして10年後には「横浜といえばホッチポッチ」と言われるくらい、この場所が街に根付いていたら嬉しいです。
あと10年後には、今度は僕が新人に「俺も1年目はめちゃくちゃ怒られたよ」と笑って話せるくらいになっていたい。
そしてたぶん、その新人に「来年は辞めます!」と言われたら、僕は「まあ、そう言うよね」と笑っていると思います(笑)。
こうして僕は、今年も「来年は辞めてやる!」と言えるのを楽しみにホッチポッチをつくり続けているのです。
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【おまけ】一問一答ホッチポッチリレー!!
リレーNo.09 遠藤夕菜さんからの質問
「ホッチポッチの長谷川代表の、驚くべき一面を教えてください!」
↓
「意外と“寂しがりや”なところです。」
仕事や大学などの都合で活動を続けるのが難しくなり、アークシップを離れるメンバーが毎年います。
そういう時はかなりヘコむと、長谷川代表自身が話していました。
普段は明るくパワフルな印象があるので、そんなふうに寂しさを感じているのは意外でした。
一緒に活動してきたメンバーが離れるのは、長谷川代表にとってもやっぱり寂しいんだなと思いました。
では最後に、次回の記事担当者である関戸楓さんへ質問です!
「ホッチポッチを海外で開催するとしたら、どの国・地域でやってみたいですか? そこでどんな『ごちゃまぜ』を実現したいですか?」