アークシップ在籍2年目、会員ナンバー177の猪俣将です。
ホッチポッチでは、YOKOステージの音響が主担当です。
突然ですが、みなさんは「音響機材」を触ったことはありますか?
実際に音響機材を見ると、たくさんのボタンや配線があります。
どのボタンにどんな役割があるのか、そもそも何に使うものなのか、普通は分からないと思います。
僕の普段の職業は建築関係。
音響機材とは無縁の世界で働いています。
そんな僕が音響機材に詳しくなった理由は、単純に趣味としてハマったから。
少しずつ集めた音響機材はいつの間にかイベント現場を回せるほどの量になっていました。
「こんなに機材を持っているのだから、いつか本番のイベントで使ってみたい。」
少し変わっていますが、それが僕がアークシップに加入した理由なのです。
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音響は、音楽やダンスを主役にするための仕事です。
自分が目立つのではなく、出演する人やその音を聴く人を支える。
僕がそんな音響の世界にハマったきっかけは、高校生のときに軽音楽部に入ったことがきっかけでした。
最初はギターから始めましたが、指先に限界を感じドラムにジョブチェンジ。
しかし、部内にはドラム担当があふれていて実際にバンドで演奏する機会は訪れませんでした。
人前で演奏することがない軽音楽部生活の中で、ふと「音響が面白そう」と思うようになり、高校時代からほぼ音響担当として活動してきました。
さらに進学した先の大学に置いてある音響機材はすべて古く、学校の支援も当てにできない状況だったため、自腹で機材を買い始めた結果「機材沼」にどっぷり浸かることになります。
気づけば、大学在学中の4年間で部室を私物の機材でライブハウスへと魔改造するほどに音響機材を買い集めました。
地味かもしれない。でも縁の下の力持ちとして、みんなを支えている。
僕はそんな音響機材の存在が好きでした。
「こうしてせっかく集めたのだから、この機材たちをもっと活かしてあげたい…」
そう思い加入したアークシップ。
ここでは愛すべき音響機材たちの出番も増えとてもうれしく思っています。
しかし機材の使用頻度が増えた反面、実際の現場で使ってみることによって様々な失敗を経験することにもなりました。
たとえば、一度イベントでハウリングが止まらないことがありました。
スピーカーから「キーン」と耳障りな音が鳴り続ける、あの現象です。
自分が聴いてくれる人に届けたい音より先にスピーカーから不快な音が鳴ってしまう。
お客さんや出演者が、みんな心配した顔をしている。
みんなを支えるどころか邪魔をしている。
そのとき「まだ自分は人の前に出ていいレベルじゃない」と落ち込んだことを覚えています。
また昨年のホッチポッチでは、ステージで無線マイクを8本使いイベントを盛り上げようとしました。
しかしそのマイク同士の電波の干渉が起き、本番で使いものにならなくなってしまいました。
必要な本数を十分に用意すれば大丈夫だろうと思っていたのに、機材を用意するだけでは足りないことを思い知らされました。
他にもマイクのケーブルに苦戦したりもします。
足元で線が入り乱れ、踏まれたり、引っかかったり、どれがどこにつながっているのか分からなくなったり。
肝心の音以外の部分でも、音響の仕事には大切なことが山ほどありました。
音響の仕事は、機材を並べて音を出すだけではない。
音響機材に詳しいだけでは本番は回らない。
その事実と、自分の実力不足を僕はアークシップに入って痛感したのです。
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本業の建築の仕事とバランスをとることも課題のひとつです。
ホッチポッチ本番に向けてのミーティングに仕事のせいで出られないことも多く、「音の担当なのに音の話の場にいることができない」そんなもどかしさをいつも感じています。
失敗することもできないこともまだまだたくさんある。
それでも僕はこれからもアークシップにいたい。
そう思っています。
本業である建築の仕事とは違う人たちとひとつのイベントをつくる。
音がうまくはまって、人々が会場で足を止めて聴いてくれている。
音楽やダンスの力で、誰かが立ち止まり、楽しんでくれる。
もちろん、それは音響だけの手柄ではありません。
自分は、その瞬間が生まれるのを裏で支えているだけです。
でも音と、人とが、一体になったときの、あの光景、あの興奮は、日常ではなかなか味わうことができない。
そして去年なら見落としていたことに気づけたり、同じ失敗を繰り返さずに済んだり。
まだまだ力不足かもしれないですが、これまでに色々な失敗をしたことで少しずつ現場が見えるようになってきた。
自分が少しずつ成長している。
そんな実感が、「よし、次もやってみよう。」そう思わせてくれるのです。
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音楽を聴く人の、少し先まで。
ホッチポッチのテーマは「ごちゃまぜ」。
そこには様々な音楽やダンスがあります。
そして異なるジャンルの数だけ違った音がある。
初めて来た人も、毎年来てくれる人も、たまたま通りかかった人も、気になる音が聞こえたら少し立ち止まってくれる。
すると、知らなかったジャンルの音楽に出会ったり目の前のパフォーマンスに思わず見入ったりする。
そんな音が偶然作り出す、思いがけない素敵な時間が生まれる場所です。
そして音楽以外にもさまざまな出店もあります。
たとえば、ステージの音に誘われて足を止めた人が、帰り道には出店をのぞき、思いがけないものを見つけている。
そんなふうに最初は音楽を目当てに来た人にも、別の楽しみや発見が待っているかもしれません。
もちろん、誰もが同じ楽しみ方をする必要はありません。
じっくり音楽を聴く人も、ダンスを楽しむ人も、会場を歩きながら気になるものを探す人もいる。
自分のペースで過ごせることもホッチポッチの魅力だと思います。
ホッチポッチの奏でる音を色々な方法で聴いてくれる人がいる。
初めての人にも、毎年来る人にも、通りがかった人にも、
音楽やダンスを自然に楽しめる場所であってほしい。
自分が音響を担当しているから、音響の仕事に注目してほしいというわけではありません。
むしろ、音響のことを意識しなくても、音が自然に誰かに届いてその場にいる人が楽しんでくれたら。
僕にとっては、それが一番の喜びなのです。
誰かが足を止める。
知らなかった音楽を好きになる。
家に帰ってから、あの演奏がよかったなと思い出す。
そんな時間は目に見える形では残らないかもしれません。
でも、だからこそ、そういう時間が生まれる場所をこれからも横浜に残していきたいのです。
これまでホッチポッチを応援してくださった皆さん、そして、ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
イベントは、ステージに立つ人や運営する人だけでは続けられません。
応援してくださる皆さんの力があって、音楽を聴ける場所をつくることができます。
もし、ホッチポッチに「知らない音に出会える場所」「そこから素敵な時間が生まれる場所」としての価値を感じていただけたら、ぜひ寄付という形で応援していただけるとうれしいです。
皆さんの応援は、誰かが足を止めたくなる音とまた来たいと思える一日に変えられるよう僕も音の面から支えていきます。
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【おまけ】一問一答ホッチポッチリレー!!
リレーNo.14糸見啓介君からの質問
「恋人にするなら、どの機材ですか?」
↓
「ミキサーです。」
現場で一番近くにいる機材だからです。
使い方を分かっていないと、本番で慌ててしまいます。
いつも一番近くにいる相手のことをよく知っておく。
そういう意味では恋人に近いと思います。
次回は、やまだみきさんです。
いつも裏方にいる僕と違い、表で会場を見ている人にはどんなふうに見えているのかが気になります。
では最後に、やまだみきさんへ質問です。
「ホッチポッチの音を、ある一瞬だけ切り取って家に持ち帰れるとしたら、どの場面を持って帰りますか?」