京築みらい塾を終えて ― 14年続いた「田川飛翔塾」のこと、そして財団をつくる理由
10月10日・11日の2日間、「京築みらい塾」を実施しました。

京築みらい塾は、福岡県の事業として県内各地域で行われている「未来の地域リーダー育成プログラム」のひとつです。ひとつの市町村ではなく、県と複数の市町村が協力して実行委員会をつくり、地域ぐるみで中学生を育てていく仕組みです。
実はこのプログラム、もともとは田川から始まりました。
田川飛翔塾の14年
田川地域では、8市町村による「田川飛翔塾」が14年間続いてきました。3泊4日の合宿型プログラムで、時代に合わせて形や内容を変えながら、毎年中学生と向き合ってきました。
この14年で、うれしい変化がたくさん生まれました。
・飛翔塾で育った子たちが、地域に思いを持って行動するようになったこと
・大学生になって、今度はスタッフとしてプログラムに帰ってきてくれたこと
・住んでいる市町村の枠を越えて、新しい仲間と出会えたこと

昨年度は、私が7年前に中学2年生として関わった子たちが、大学生になって戻ってきてくれました。さらに、その当時に大学生スタッフとして関わっていた子が、今はLocal Educationのスタッフとして一緒に運営に携わってくれました。「学びの循環」が、確かに起きていたのです。
参加した中学生の成長も、数字に表れていました。最終期となった昨年度は27名の中学生が参加し、36名の大人がボランティアとして関わってくれました。初日と最終日の自己評価を比べると、「目標達成」「セルフイメージ」「考える力」などすべての項目で伸びが見られ、その伸びは県内の他地域と比べても高いものでした。


こうした成果が認められ、4年前に「この取り組みを県内全域に広げよう」ということになりました。今では各地で同様のプログラムが実施され、その意味はさらに大きくなっています。今回の京築みらい塾も、その流れの中にあります。
それでも、田川飛翔塾は幕を閉じた
しかし、田川飛翔塾は昨年度をもって、14年の歴史に幕を閉じました。
田川の8市町村も「いいプログラムだ」と認めてくださっていました。それでも続けられなかったのには、いくつかの理由があります。
ひとつは、参加者を集めることの難しさです。スマートフォンが当たり前になり、人と関わることに不安を感じる中学生も増えています。そんな中で、3泊4日の社会教育プログラムに参加してもらうのは簡単ではありません。チラシを配れば集まった時代とは違い、行政の負担が増える一方で、かけた費用に見合う参加者数に届かない年もありました。
もうひとつは、8つの市町村それぞれの思いや方向性が少しずつ変わってきたことです。飛翔塾を続けたいという自治体、新たにグローバル事業に取り組みたいという自治体、今は実施しないという判断をする自治体。それぞれに理由があり、どれも間違いではありません。ただ、広域で一緒に予算を出す形を保つことが難しくなりました。
その結果、「いいプログラムだけど」、今年度は実施しないことになりました。
身をもって知ったこと
いいプログラムをつくっても、そこで子どもたちが成長していても、続けられないことがある。
そしてそれは、企画・運営をしてきた私の努力や判断だけではどうにもならない。
このことを、身をもって感じました。
だから、財団をつくりたい
私は、お金がなくてもこの事業を続けたいと思っています。でも現実には、会場費、来てくださる講師への謝礼、備品や消耗品など、どうしてもお金がかかります。
行政の予算や方針に左右されず、「子どもたちのために必要なこと」を地域の意思で続けられる仕組みをつくりたい。それが、田川教育振興財団を立ち上げようとしている大きな理由のひとつです。
財団ができたら、田川飛翔塾が大切にしてきた理念を受け継ぐプログラムを、もう一度田川で実現したいと考えています。
見返りではなく、「田川の子どもたちの未来に投資したい」という思いで応援していただけたら、これほどうれしいことはありません。引き続き、応援とシェアをどうぞよろしくお願いいたします。