アンちゃんは現在、JCCG(日本小児がん研究グループ)が行っている「AT20」という臨床試験に参加し、治療を受けています。
AT20は、アンちゃんの病気である**AT/RT(非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍)**に対する第Ⅱ相臨床試験です。
AT/RTは、主に乳幼児の脳や脊髄に発生する、進行の速い悪性脳腫瘍です。現在も、すべての患者さんに共通して使える標準治療は確立されていません。
そのためAT20では、これまでの治療経験や研究結果をもとに、複数の治療を組み合わせて、できるだけ強力に腫瘍を治療することを目指しています。
そして、乳幼児にとって大きな負担となる放射線治療については、できるだけ実施する時期を遅らせることも、この治療の大きな目的の一つです。
AT20で行われる治療
大きく分けると、
① 強化した化学療法・髄注化学療法
まず、複数の抗がん剤を使って腫瘍を治療します。
さらに、血管から薬を入れるだけではなく、**髄液の中に直接抗がん剤を投与する「髄注化学療法」**も行います。
AT/RTは脳脊髄液を通して広がることがあるため、髄液に対しても治療を行います。
② 残っている腫瘍への手術
最初の手術で腫瘍をすべて取り切れなかった場合でも、化学療法によって腫瘍が小さくなったり、手術がしやすい状態になった場合には、**残っている腫瘍を取り除く「セカンドルック手術」**を目指すことがあります。
そのため、治療中はMRIなどで腫瘍の変化を確認しながら、次の治療を判断していきます。
③ チオテパ・メルファランによる大量化学療法
その後、チオテパとメルファランという抗がん剤を使った大量化学療法を行います。
AT20では、このような強力な化学療法を組み合わせることで、AT/RTに対する治療効果を高めることを目指しています。
④ 遅延放射線治療
そして、乳幼児の脳はまだ発達途中にあるため、放射線治療による長期的な影響が大きな問題になります。
AT20では、強力な化学療法などを行ったうえで、放射線治療の時期をできるだけ遅らせることを目指しています。
---
アンちゃんは今、この治療の中で抗がん剤治療を進めています。
本日、3クール目がスタートとし、抗がん剤投与中です。
3クール目を終えた段階で、MRIなどで腫瘍の状態を確認し、治療にどのように反応しているのかを見ながら、その後の治療へ進んでいきます。
AT20は、ひとつの治療だけで終わるものではありません。
化学療法&髄注化学療法
↓
必要に応じた手術
↓
大量化学療法
↓
できるだけ遅らせた放射線治療
というように、いくつもの治療を組み合わせて、長い期間をかけて病気と闘っていく治療です。
まだ9ヶ月のアンちゃんにとって、一つひとつの治療は決して簡単なものではありません。
それでも、今できる治療を一つずつ積み重ねながら、治療を続けています。
私たちも、AT20という治療がどのようなものなのかを知っていただくことで、アンちゃんが今どんな治療を受けているのか、少しでも皆様に伝わればと思っています。
ここまでアンちゃんの治療について読んでくださり、本当にありがとうございます。
長い治療の中では、予定通りに進まなかったり、体調を崩して治療が延期になったりすることもあります。
それでも、そのたびに先生方と相談しながら、アンちゃんにとって今できる治療を一つずつ進めています。
こうして治療を続けていられるのも、応援してくださる皆様がいてくださるからです。
ご支援だけでなく、温かいメッセージやアンちゃんを気にかけてくださるお気持ち一つひとつが、私たち家族にとって大きな支えになっています。
まだまだ長い治療が続きますが、アンちゃんと一緒に一歩ずつ進んでいきたいと思います。
これからもアンちゃんの治療の経過を、皆様にお伝えしていきます。
いつもアンちゃんを応援してくださり、本当にありがとうございます。