おかげさまで、クラウドファンディングの目標金額を達成することができました。本当に、本当にありがとうございます!
支援者の皆様に御礼のメッセージを書いている今も、ご支援くださったみなさまのお顔を思い浮かべながら、感謝の気持ちでいっぱいです。
クラウドファンディングは10月末まで続きます。ただ、ここから何かをお願いしたいわけではありません。今はただ、みなさまへの感謝をお伝えしたい。そして今回の出来事を通じて、私自身が気づかされたことを、どうしても正直にお伝えしたい。その想いで、この報告を書いています。少し長くなりますが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
■ 20年間、出会いに支えられて
私は飲食業を続けて、20年になります。
この仕事には、本当にたくさんの出会いがあります。働く仲間との出会い。お客様との出会い。ひとつひとつの出会いに誇りとやりがいを持って、今日まで続けてくることができました。
初めて接客したお客様が、通ってくださるうちに常連様になってくださる。気がつけば、たくさんのお客様に愛していただける環境の中に、私はいました。あたりまえのようにお店の扉を開けて、「こんばんは」と入ってきてくださる方々がいる。
考えてみれば、これは本当にすごいことです。数ある店の中から私たちの店を選び、何度も足を運んでくださる。それは決して、あたりまえのことではありません。
■ 薄れていたかもしれない、感謝の気持ち
けれど、今回の水害を経て、あらためて自分を振り返ったとき、正直に思うことがあります。
普段お店に来ていただけていることが、私の中でほんの少しだけ「あたりまえ」になり、感謝の気持ちが薄れていた時期があったかもしれない。今振り返ると、そう思うのです。
忙しい毎日の中では、目の前の仕事をこなすことで精一杯になってしまうことがあります。お客様がいらっしゃること、お店が開いていること、スタッフが元気に出勤してくれること。毎日が回っているとき、人はそのありがたさを、つい忘れてしまうのかもしれません。
それは、日頃から店舗でお客様のために一生懸命接客してくれているスタッフに対しても、同じだったかもしれません。
経営者として、現場で起きていること、スタッフのみんなのことを、見ているつもりでいました。でも、本当に見えていたのだろうか。毎日お客様の前に立ち、笑顔で接客してくれている一人ひとりの姿を、私はきちんと受け止められていたのだろうか。今回、そう自分に問いかける時間が、何度もありました。
■ 社員たちが、自分から声をあげてくれた
水害でおさけが営業できなくなり、私は経営者として、たくさんの判断をしなければならない状況に置かれました。何を優先するのか。これからどう動くのか。考えなければならないことが、次から次へと押し寄せてきました。
そんな中で、私が思いもしなかったことが起きました。
今いる社員のみんなが、自分たちから声をあげてくれたのです。
1店舗しか営業できない状況の中で、
「朝5時まで営業しましょう」
「昼の12時から営業しましょう」
「今ある店舗で時間を延ばして、売り上げを立てていきましょう」
誰かに指示されたわけではありません。自分たちで考え、自分たちで「やろう」と言ってくれたのです。
この言葉を聞いたとき、感謝しかありませんでした。頼もしさと、ありがたさと、こんなにも素晴らしい仲間と一緒に働いていたのだという驚きが、同時に込み上げてきました。そして、これまで私が見えていなかったものの大きさに、あらためて気づかされました。
そして今日も、スタッフたちは姉妹店で朝5時まで頑張ってくれています。夜通しお客様をお迎えして、朝を迎える。その姿を見るたびに、私はこの仲間たちに支えられているのだと、心の底から感じています。
■ 応援メッセージが教えてくれたこと
もうひとつ、私が気づかされたことがあります。
それは、今回のクラウドファンディングに寄せていただいた、たくさんの応援メッセージを読んだときのことです。
ひとつひとつのメッセージを読みながら、私は気づきました。これは、私ひとりに向けていただいた言葉ではない、と。
日頃の営業の中で、スタッフのみんなが、たくさんのお客様と信用と信頼を積み重ねてきてくれた。目の前のお客様を大切に、誠実に営業してくれていた。その積み重ねがあったからこそ、こんなにも多くの方々が、「応援したい」と声を届けてくださったのだと思います。
私の知らないところでも、スタッフのみんなは、お客様との時間を大切にしてくれていました。そのことを、みなさまからのメッセージを通して、私は教えていただいたのです。
経営者として、これほどありがたく、そして身の引き締まる気づきはありませんでした。お店の信頼は、私がつくったものではなく、現場に立つみんなが、毎日の営業の中でつくってくれたものだったのです。
■ 私が大切にしてきた「目の前のお客様」
私が飲食業を続ける中で、ずっと大切にしてきたことがあります。
それは、「目の前のお客様」です。
来てくださったお客様に、
「今日ここに来て良かった」
「楽しかった」
「元気になれた」
「笑顔になれた」
そう感じて帰っていただくこと。
20年間、私が大切にしてきたこの想いを、今のスタッフのみんなが、それぞれの形で、ちゃんと体現してくれていました。私が言葉で伝えるまでもなく、みんなが、お客様の前で実践してくれていたのです。そのことに気づいたとき、胸がいっぱいになりました。
飲食店は、料理やお酒を提供する場所であると同時に、人の気持ちが動く場所だと思っています。疲れて帰ってきた方が元気になれる。落ち込んでいた方が笑顔になれる。大切な人と楽しい時間を過ごせる。そんな瞬間が、毎日、店のあちこちで生まれています。
人と人とのつながりの中で生まれる、こんなにも必要としていただける居場所。それが、飲食業という仕事の持つ力なのだと、あらためて思います。
この仕事に出会えたこと。この仕事を続けてこられたこと。そして、この仕事を通じて出会えたすべての方々に、私はあらためて、感謝しかありません。
■ 支えられて、生きている
今回、こうした出来事が起きてしまったことで、私は、大切なことに気づかされました。
私は、たくさんの方々に支えられて、生きているのだと。
お客様に。スタッフに。そして今回ご支援やエールをくださったみなさまに。一人では、決して立っていられなかったと、心から思います。
順調なときには気づけなかったことに、苦しい状況になって初めて気づく。それは決して簡単なことではありませんでしたが、この気づきは、私にとってかけがえのない財産になりました。
■ これからの恩返し
だからこそ、これからは、その恩を返していきたいと思っています。
これから関わるたくさんの方々に、笑顔と元気と活力を、この場所から届けられるように。
私の居場所である飲食業を通して、今の仲間たちと一緒に、楽しく、飲食業を盛り上げていきます。
そして、今回ご支援くださったみなさま、応援のメッセージを寄せてくださったみなさま、日頃から店を愛してくださっているお客様に、「あのとき応援して良かった」と思っていただけるように。一日一日を、大切に、全力で積み重ねていきます。
今回の目標達成は、私ひとりの力ではありません。ご支援くださったみなさま、日々お店を守ってくれているスタッフ、そして変わらず足を運んでくださるお客様、すべての方と一緒につかみ取ったものです。
みなさんのおかげで、何とか乗り越えられる兆しが見えてきました!
本当に、本当に、ありがとうございます!
亀井 毅