2025年5月26日
For Goodアカデミー

神社・寺院のクラウドファンディング|修繕や行事に使える資金調達方法

地域の神社やお寺を、次の世代にどう残していくか──その問いに、クラウドファンディングという選択肢があります。

「資金が足りない」「人手が集まらない」そんな悩みを、地域や支援者と一緒に乗り越えてきた事例が全国で増えています。

そこで本記事では、以下を解説します。

全国の寺社クラファン事例紹介

活用すべき目的と効果

実施時の注意点と対策

神社・寺院を守っていくためのヒントをぜひチェックしてください!

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神社・寺院に関するクラウドファンディング事例6選!

「神社や寺院がクラウドファンディングに挑戦している」と聞いて、少し意外に思われる方もいるかもしれません。

しかし、実際には文化財の修繕や伝統行事の継承、地域との新たな関係づくりなど、さまざまな目的で成功を収めている事例が全国に広がっています

まずは、どのような神社・寺院が、どんな想いでクラウドファンディングに取り組んでいるのかを見てみましょう。

京都・上賀茂神社「干支絵奉納プロジェクト」

伝統ある神社へ、1年の象徴である干支絵を奉納するため、画家がクラウドファンディングで広く共感を募りました。

参加者は連名で奉納者となり、祈願にも加われる仕組みとなっています。

高精細な複製画や干支にちなんだ特典が返礼品として用意され、1年の幸運を願う人々の支援を集めました。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名 京都・上賀茂神社に2025年の『干支絵』をみんなで一緒にご奉納・ご祈願したい!!

■達成金額 ¥1,332,000

■目標金額 ¥200,000

■支援者数 86人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1001484

鹿児島・豊玉媛神社「豪雨復興クラウドファンディング」

地域に千年以上根づく神社が豪雨災害により甚大な被害を受け、地元住民の手で復旧作業が進められました。

倒壊した建物の修復や、再発防止のための工事を目指し、全国からの支援を募るクラウドファンディングに挑戦しました。

地域の心の拠り所である神社を未来へ残すための、住民主体の復旧プロジェクトです。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名【薩摩今和泉/豪雨災害】篤姫ゆかりの豊玉媛神社を守りたい!

■達成金額 ¥819,500

■目標金額 ¥3,000,000

■支援者数 104人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1001309

長野・薬祖神社「井戸修繕による文化財保護」

薬にゆかりのある神社で、地域の湧水と祈りの場を守るための修繕プロジェクトが立ち上がりました。

老朽化した井戸と手水鉢の改修を通じて、衛生環境の改善と災害時の給水拠点としての機能維持を目指しています。

参拝者や地域住民に親しまれるこの場所を、次世代に継承するために支援を募りました。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名【薬の神様】を応援!!信州松本の薬祖神社の井戸を守りたい!

■達成金額 ¥469,500

■目標金額 ¥5,500,000

■支援者数 39人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1000987

島根県・志学荒神社「奉納文化と地場産品の全国発信」

自然豊かな地域で育まれた特産品に祈りを込めて届けることで、神事文化と農業を融合させた新たな価値を提案するプロジェクトです。

ご祈祷米や希少な蜂蜜などの地域資源を通じて、暮らしの中で精神性や自然とのつながりを感じられる体験を提供しています。

奉納文化の継承や地域活性を目指し、次世代に向けた持続可能な暮らしのあり方を全国へ発信しました。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名 【ご祈祷米・薔薇はちみつ】奥出雲の地域資源と奉納文化の継承を全国に広めたい!

■達成金額 ¥607,800

■目標金額 ¥3,500,000

■支援者数 36人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1001010

兵庫県・末代山温泉寺「城崎温泉の守護寺を修繕」

温泉地と深いつながりを持つ歴史ある寺院が、老朽化した鐘楼の修繕を目的にクラウドファンディングを実施しました。

地域文化や信仰の象徴として親しまれてきたこの建物を、曳家工法で安全な位置へ移築する工事に挑戦。

観光地として知られる地域の裏側で進む人口減少と信仰離れの中、文化遺産を次世代に継ぐ取り組みです。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名 城崎温泉の守護寺、1300年の歴史ある温泉寺に愛の手を。

■達成金額 ¥3,234,000

■目標金額 ¥3,000,000

■支援者数 129人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1001920

熊本・Sri Ashram「ヨガを学ぶための寺院を建設」

自然豊かな山間部に、誰もが学び・滞在できるヨガのための寺院型施設の建設が進められました。

伝統的な建築手法を取り入れた学び舎や図書室を整備し、心身の成長や精神性を育む場として活用されます。

多様な人々が集い、教育・芸術・奉仕を通じてつながる、新しい寺院の形を目指した取り組みです。

〈プロジェクトの詳細〉

■PJタイトル名 熊本にヨガアシュラム建設中。未来に繋がる教育のための寺院を完成させたい!

■達成金額 ¥3,566,220

■目標金額 ¥2,000,000

■支援者数 265人

➡ 詳細を見る https://for-good.net/project/1001110

では、こうしたクラウドファンディングの広がりの背景には、どのような時代的・社会的な理由があるのでしょうか。次章ではその理由に迫ります。

神社・寺院がなぜ今クラウドファンディングに取り組むのか

かつては地域の中心として、寄進や奉納によって支えられてきた神社や寺院。

しかし現代では、少子高齢化や参拝者の減少など、これまでのやり方だけでは運営を維持することが難しくなってきています。

この章では、神社・寺院が置かれている現状と、なぜ今クラウドファンディングに目を向けているのかを整理してご紹介します。

寺社が直面する課題

多くの神社・寺院が、以下のような課題に直面しています。

・本殿や社殿などの老朽化と修繕費の不足

・地域の人口減少による氏子・檀家の減少

・伝統行事の担い手不足

・若年層との接点の希薄化

・観光地でない地域では参拝者数の激減

こうした背景から、「今まで通りの寄付だけでは立ち行かない」と感じる寺社が増えつつあります。

従来の寄付とクラウドファンディングの違い

クラウドファンディングは、従来の寄付や奉納とは異なる特徴を持っています。

項目

従来の寄付

クラウドファンディング

支援者

地域の氏子・檀家が中心

全国・世界から誰でも可能

方法

寄付・現地参拝時の奉納

インターネットを通じて支援

お返し

お札・お守りなど

リターン設計の自由度が高い(例:限定品・体験)

情報発信

地域内での掲示・回覧が主

SNSやメディアで広く発信可能

支援動機

信仰や慣習によるものが多い

共感・ストーリー・目的への賛同が重視される

クラウドファンディングでは、支援者に「共感してもらう」ことが成功の鍵となるため、活動の背景や願いを丁寧に伝えることが重要です。

地域とのつながりを強めるクラウドファンディングの有用性

クラウドファンディングは、単に資金を集める手段ではなく、地域との関係を再構築し、新しい支援の輪を広げる手段でもあります。

たとえば:

・修繕をきっかけに地元の人々が再び神社に集う

・若い世代や遠方に住む出身者がオンラインで関われる

・神事や文化行事に共感した観光客・移住希望者が応援する

・プロジェクトの情報発信により、地域そのものの魅力が伝わる

クラウドファンディングは、「応援したい人」と「応援されたい地域・寺社」を結び直す新たな手段として、今後ますます注目されていくでしょう。

では、実際にどのような場面でクラウドファンディングが活用されているのでしょうか?

次章では、「神社・寺がクラウドファンディングを活用すべきケース」について具体的に見ていきます。

神社・寺院がクラウドファンディングを活用すべきケースとは

クラウドファンディングが有効とは聞くけれど、「自分たちの神社・寺院でも活用できるのか?」と感じている方も多いかもしれません。

この章では、実際にどのような目的や状況でクラウドファンディングが活用されているのかを具体的にご紹介します。

自分たちの取り組みが該当するかどうかを検討する手がかりにしてください。

修繕・保存を目的とするケース

最も多く活用されているのが、老朽化した社殿や建物の修繕・保存を目的としたクラウドファンディングです。

・雨漏りや倒壊リスクのある本殿や鐘楼の補修

歴史的建造物としての価値を有する施設の保存

・豪雨・地震など災害による被災箇所の復旧

・地域住民だけではまかないきれない費用を、広く共感を得ることで補える点が強みです。

伝統行事や神事の継続・再興を目的とするケース

年々継続が難しくなっている伝統行事・神事の維持や復活も、支援を集めるきっかけになります。

・担い手不足で中止が続いていた祭りや神事の再興

・行事に必要な備品や衣装、道具の新調

・地域外の人にも知ってもらいたい文化・習俗の発信

信仰心に加え「文化の継承」という視点が共感を呼びます。

地域と連動して地域活性化を目的とするケース

神社・寺院を拠点に、地域全体の魅力を再発見・発信するプロジェクトにもクラウドファンディングは有効です。

・地元の農産品や特産物とのコラボ(奉納米・ご祈祷蜂蜜など)

・観光資源としての地域文化の見直し

・リトリートやワークショップ、案内ツアーなど体験型企画

「地域全体で応援できるテーマ」はメディアなどにも取り上げられやすくなります。

若年層など新たな支援者集めを目的とするケース

インターネットを活用するクラウドファンディングは、これまで接点のなかった世代との出会いのきっかけにもなります。

・SNSでの拡散によって20〜40代の支援者が増加

・ご祈祷リターンや限定グッズによる共感型の支援設計

・オンラインイベントやワークショップでの継続的な関係構築

「一度支援したら終わり」ではなく、次の縁につながる支援者との関係性が築ける可能性あります。

このように、クラウドファンディングは資金集めにとどまらず、文化継承・地域活性・新しいつながりづくりにまで広がりを見せています。

ただし実施にあたっては、宗教法人としての法的な配慮や、伝統とのバランスに気をつける必要もあります。

次章では、「神社・寺院がクラウドファンディングを行う際に注意すべきこと」を詳しく解説します。

神社・寺院がクラウドファンディングを行う際に注意すべきこと

クラウドファンディングは、神社・寺院にとって新たな資金調達の手段として有効ですが、一方で、宗教法人という特性上、注意しなければならない点もあります。

信頼性や地域との関係性を損なわないためにも、以下のようなポイントを事前に確認しておくことが大切です。

宗教法人としての法的・税務上の留意点

宗教法人がクラウドファンディングを活用する場合には、収支の取り扱いについて明確にしておく必要があります

宗教活動か、それ以外の収益事業かで課税区分が異なる

・寄付金とリターンの対価性によっては「売上」と見なされることも

・プロジェクト内容によっては法人税や消費税の対象となる可能性あり

税務署や税理士と相談し、あらかじめ帳簿処理や報告方法を整理しておきましょう。

既存の寄付方法(奉納・寄付)との整合性

クラウドファンディングを導入することで、従来からの寄付文化との間に混乱が生じることもあります。

・氏子や檀家からの「なぜ今さらネットで?」という反発

同じ目的での二重募集と誤解される可能性

・募金や奉納とクラウドファンディングの役割分担が不明確になりがち

あらかじめ地域の関係者に説明し、理解と協力を得たうえで始めることが望まれます。

ご祈祷・御札・御朱印をリターンにする際の扱い

神聖な儀式や授与品を、リターンとして提供する際には細心の注意が求められます。

・「売買」ではなく「お志に対する御礼」であることを明記する

相場以上の金額での対価性を避ける(営利目的と誤解されやすい)

・オンライン提供する場合の宗教的意義・正当性も要確認

リターン設計は、信仰の本質を損なわないよう配慮しつつ、共感を得られる工夫が求められます。

これらの点を事前に整理しておくことで、クラウドファンディングの実施がより円滑かつ信頼性のあるものになります。

まとめ|神社・寺院の未来を守るためのクラウドファンディング

千年以上にわたり、地域とともに歩んできた神社や寺院。

しかし現代では、少子高齢化・信仰離れ・経済的困難などにより、その存続が危ぶまれるケースも増えています

そうした状況の中、クラウドファンディングは単なる資金集めを超えて、寺社の想いや地域の文化を未来へつなぐ新しい手段となりつつあります。

・クラウドファンディングは「資金調達+共感の輪づくり」の手段

・全国・世界から支援が集まる可能性がある

・若年層や地域外の新たな支援者とつながるチャンス

・修繕・神事・地域活性など幅広い目的で活用できる

・想いを発信することで支援者との共創が生まれる

クラウドファンディングは、寺社が大切にしてきた「祈り」や「つながり」を、時代に合ったかたちで再発信できる手段です。
まずは小さな一歩でも構いません。あなたの想いを発信することで、きっと誰かが応えてくれるでしょう。

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