映画から歩む和解の道
学生発!映画を通して共に向き合い、共に歩む平和の道を見つける映画祭を実現したい!
みんなの応援コメント
Y
2024年6月7日
すばらしいイベントになりますように。
Hiroko Kawaguchi
2024年6月7日
応援しています!
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【歴代受賞者インタビュー #02】脚本家・桐乃さちさん
2024/5/13 13:19
脚本『グッド・ドライバー』に込められた二つの「和解」のあり方ーー国際和解映画祭を通じて得たものは「脚本仲間に出会えたこと」
第2回国際和解映画祭にて優秀賞を受賞!
脚本『グッド・ドライバー』桐乃さちさんインタビュー
桐乃さち
脚本家。2020年にシナリオ・センターで脚本を学び始める。2024年からフリーの脚本家として活動中。現在、MBSドラマフィル枠「ビジネス婚」3、6、7話の脚本を担当(5/23放送開始)。
<主な受賞歴>
- 第2回国際和解映画祭 脚本部門 優秀賞
- 第44回シナリオS1グランプリ 部門①・準グランプリ/部門②・奨励賞
- 第48回創作テレビドラマ大賞(NHK) 最終候補
- 伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2022 最終候補
- 令和2年度橋田賞新人脚本賞 最終候補 など
作品で向き合った二つの「和解」 ーー夫婦間の和解と過去との和解
ーー桐乃さんは、2022年に開催された第2回国際和解映画祭の脚本部門にて優秀賞を受賞されました。この国際和解映画祭に参加したきっかけはなんでしたか。
桐乃:2020年から脚本の勉強を始め、練習の為に多くのコンクールに応募していました。国際和解映画祭の公募は、ネットで知りました。過去の作品も直して応募する事が可能でしたので、直しの練習も兼ねて応募させていただきました。私が応募した時は、国際和解だけでなく、一般的な和解も含めた募集だったので、両部門に応募し、一般部門で受賞出来ました。「和解」というものをどう脚本に落とし込んだらいいのか分からず、最初は悩みましたね。
ーー受賞作品『グッド・ドライバー』はどんな作品なのでしょうか。
桐乃:65歳の高村秀平は、妻の涼子が病気になったことがきっかけで、運転免許を取得することを決意する。しかし、高村と涼子夫妻は、ある理由から車とは無縁の生活を送って来た。免許取得を巡り、高村と涼子は過去の傷と対峙することとなる…、というストーリーです。シナリオは公開しておりますので、もし興味があれば読んでみてください。
シナリオはこちら▷ https://film-buyer.jp/scenarios/1358
ーー『グッド・ドライバー』の脚本制作にあたって、映画祭の大きなテーマである「和解」という言葉とどのように向き合いましたか。
桐乃:二つの「和解」を入れました。一つは、免許取得によって生じた、高村と涼子の間の夫婦の問題を解決するという意味での「和解」。もう一つは、高村と涼子が、過去の傷と対峙し、どう折り合いをつけて人生を生きていくか、という意味での過去との「和解」です。授賞式で審査委員の方から、もっと「和解」を意識して欲しかったとのコメントがありましたので、そこは反省点でもあります。
ーー国際和解映画祭への参加を通して得たものはありましたか。
桐乃:脚本仲間に出会えたことです。初めての受賞・授賞式だったので、とても緊張していたのですが、同じく受賞した皆さんがとてもいい人で、すぐにリラックス出来ました。ステージ上で審査委員の方々が作品への講評をしてくれたのですが、スピーカーの音が小さくてよく聞こえなくて(笑)。ステージ裏で、みんなでスピーカーに耳を近づけて聞いたのが懐かしい思い出です。その時の仲間とは今もLINEやXでやり取りしています。
最初は点でしかなかったアイディアが、ある時突然線になる
ーー脚本を書くために、普段から心がけていることはあるでしょうか。
桐乃:思いついたことはどんなに小さなことでもメモするようにしています。ちょっとした人物の癖やセリフ、設定などです。また、ニュースやドキュメンタリーを見た時に、気になった問題などがあればメモしておきます。普段から情報を逃さないようにアンテナを張るようにしていますね。最初は点でしかなかったアイディアが、ある時突然線になる時があるので、焦らずコツコツ、ネタを溜めている感じです。
ーー良いシナリオを書くための秘訣のようなものがあれば教えてください。
桐乃:私自身まだまだ新米なので偉そうなことは言えませんが…、そうですね、コンクールへの応募も練習だと思って、あまり気負わずに書いてみる事が大事かな、と思います。例え落選したとしても、一つの作品を書き上げた事は必ず力になると思います。いい作品を書くコツとしては、シナリオの技術を一つずつ確実にアウトプットできるようにすることだと思います。
ーー「今後書いてみたい脚本」についてお聞かせください。
桐乃:5月23日から放送の「ビジネス婚」というドラマでデビューさせていただいたのですが、脚本の仕事が楽し過ぎて(笑)これからもジャンルを問わず、どんどん書いていきたい気持ちです。「ビジネス婚」は、原作漫画がLINEまんがなどで人気のラブコメディです。お互いの利益の為に結婚した二人が、「恋愛感情を抱いたら離婚」という条件で生活を始めるのですが、結婚生活はドキドキの連続で…というストーリーです。キャラクターやストーリーの作り方など、とても勉強になりました。今回のドラマで得たことを生かして、今後はオリジナルも書いてみたいという夢があります。
ーー最後に、第4回ERIFF国際和解映画祭に向けて一言メッセージをお願いします。
桐乃:国際和解映画祭は、学生スタッフさんと受賞者の距離が近い、アットホームなコンクールだと思います。授賞式では、早稲田大学大講堂の裏側や、ステージなど、普段は入れない場所にも入れるのでお得な気分になれます!
「国際和解」がテーマというと一見難しそうに感じますが、基本は普段書いている人間ドラマと同じです。例えば日本に住む東アジア地域の方の苦悩。または、日本人との価値観の違いや交流。ご自身が関心のある国際問題を入れ込んで、オリジナルの脚本に仕上げてみて下さい!
第4回ERIFF国際和解映画祭
2024年11月30日、12月1日に早稲田大学大隈記念講堂にて開催決定!今、目の前の対立とどう向き合うか。国境、世代、文化の壁を越えた「和解」のメッセージを伝える映画祭。 本記事に関するお問い合わせは、cjkwakai.filmfes@gmail.comまで。
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