ラオスの子どもたち
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2025/10/29 20:00
日本人の児童買春
今朝一番に私の目に入ってきたニュースは、これでした。
ラオスで横行する「日本人による児童買春」の実態。恐怖で泣き叫ぶ10歳の少女に“500ドルを払い行為を強行”30代男性の鬼畜ぶり(日刊SPA!)
朝からもやっとした気分になり、一日中、頭のどこかでこのニュースのことが引っかかっていました。もちろん記事が100%真実でないこともあるでしょう。ただ、この最近のこういった記事を続けて目にしている状況では、「火のないところに煙は立たないのでは?」と思うのです。
今日は、そんなことを考えながら進捗を書きました。
2025年6月17日、在ラオス日本国大使館のウェブサイトに【ラオスにおける児童買春に関する注意喚起】として、『昨今、SNS上でラオスにおける日本人による児童買春を示唆するような内容の投稿が見受けられます。』と掲載されていました。https://www.la.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01097.html
外務省の海外安全ホームページでも同様に掲載されていましたし、オンラインのニュースでもいくつか同じニュースが入り、思わず「え!うそ!」と声が出たほどショッキングなニュースでした。
ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)は、小児専門の病院です。15歳のお誕生日までの子供たちを診療しています。日々病院で診療をしている年代の子たちが被害に遭っている、それも日本人によって…。まだまだ大人たちが守ってあげなければいけない年齢なのにと胸が痛みます。当院にもこれまでに同じように守るべき大人に守られず、心身を痛め入院してきた何名かの子が頭に浮かびました。
Aちゃんは、12歳の女の子。街から車で1~2時間離れた村に住んでいました。ある日その村へある人物がやってきて「街のレストランでの仕事を紹介するよ」と村の子供たちを勧誘しました。既に何度かそういう勧誘が近くの村にも来たという噂も聞いていたのと、家族の財政は厳しく、Aちゃんもすでに学校は退学し、農作業を手伝っている状況でした。Aちゃんはその勧誘に飛びつきました。ご家族もAちゃんが稼いでくれれば助かる…と送りだしたのでした。
そして、街の中にあるレストランでウェイトレスとして働きだし数か月が過ぎたころAちゃんが高熱を出しました。数日しても熱が下がらず、レストランのオーナーは、働けないなら出ていけと病院へ送り込んでそのまま帰ってしまったそうです。Aちゃんの診断はデング熱で、大事には至らず済みましたが、村から家族が付き添い安心して寝ているAちゃんは、まだ幼い赤ちゃんのようでした。こんな子が家族を支えたいと働いていたかと思うと、ギューッとします。
入院中は、家族とゆっくりお話ができるいいチャンスです。家では農作業やたくさんの子どもの世話で落ち着いた時間が取れませんから、この時を逃すまい!と思うのです。
そして、色々お話しを聞くと、Aちゃんのようにして村から連れて来られた子が大きな一部屋で同居していたそうです。食事は自分たちで作り食べていたそうです。デング熱は蚊が媒体となって感染する病気なので、他にも何名か同じように熱を出している子がいたようで、オーナーは解熱剤(?)のみ提供してくれたと言っていました。付き添いでいたお母さんとAちゃんに「ここを退院したらどうするの?」と確認したところ、「もうあそこへは戻らない(戻らせない)」と言っているのを聞いて、ホッとしました。ただ、貧困という大きなストレスは、時にこうした状況を見えなくしてしまうことが多々あります。
以前、ラオスのある場所で売春をしている子たちが住んでいる家を訪れたことがありました。4~5名の女の子がいましたが、全て10代の若い子でした。彼女たちの稼ぎで家族を支えているのだそうです。10代といえば箸が転げても笑えるというほど、なんでも楽しい年ごろです。それが、ニコリともしないことにとても驚きました。全員が家族を支えるために村から出てきてその仕事につくようになったそうですが、既に4~5年も働いている子は、10代前半からになりますね。数名は妊娠中絶を何度も繰り返す経験をし、また全員が何らかの性感染症にかかった経験があると言っていました。定期的に検査はしているとは言いますが、今日の検査の後に感染する可能性があることは、妊娠を繰り返しているということからも分かります。コンドームを使用しないと金額が高くなることで、そのリスクを分かりながらも見ないふりをしてしまうようです。みんながどこかに、そんなことを思いながらその仕事を続けていたのです。
一人は付き合っている彼と別れてこの仕事についたと言っていました。一切笑わない彼女たちに、「今、楽しいことは何かある?」と聞くと、「今は楽しいことはない。お金を稼ぐ時だから。」と言っていました。かなりショッキングな言葉です。そして、「いつまでここにいるの?」と聞くと、「20歳を超えたら年齢がね…でも村へも帰れない」と言っていました。もうあの生活には戻れないということを言っていました。つまり、セックスでお金が稼げるなら、村で毎日朝から晩まで働いて重労働してほんの少しの収入よりいいというのです。何とも言えないもやもやが残りました。
身体も心も消耗して、帰る場所もないことが分かりながらも働き続けている彼女たち。そんな片棒を担ぐようなことに日本人が加担していたのかと改めて悔しい思いがしました。彼女たちに笑顔が戻る日が来てほしい。
病院は病気を治すところだというのは当然ですが、身体だけではない健康を守り、それがその子の10年後、20年後までも笑顔でいられるようなケアとサポートができる病院でありたいのです。もちろん、病院でできることは限られていると思いますが、病院という枠にこだわっていたのではラオスでは医療活動なんてできません!将来彼女たちのようになる可能性のある子たちに日々接しているのですから、少しの機会をも逃さぬように意識を持っていたいのです。
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