スナノミ症の解決
子どもたちの足元から未来を守りたい。ケニアへ靴を届け、スナノミ症解決へ!
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2025/10/4 07:00
9/27~28 エスンバ村を訪問しました!
こんにちは!Waka Waka Kenyaです🔆
今回は、無事にエスンバ村の初回訪問を終え、私たちが現地へ赴いて感じたことや実際の村の様子についてご報告させていただきます。
エスンバ村は、ケニアにある47カウンティのうち(偶然にも日本の都道府県と同じ47!)、北西に位置するVihigaカウンティにあります。首都のナイロビからは、バスと車を乗り継いで片道8時間ほどかかります。
私たちは、キスムという隣のカウンティで車へ乗り継ぎをしたのですが、キスム出身のタクシードライバーさんはエスンバ村を知らないようで、道中に何度もエスンバ村の行き方を人に尋ねていました。しかし、エスンバという名前を知っている人にはなかなか出会えず、間違った道を教えられて一度迷ってしまい、内心ひやひやしましたが、村が街からはずれた場所にあるということがよくわかりました。
エスンバ村では、CBO(Community Based Organization)のエドワードとチャリティというご夫婦がご自宅に迎えてくださり、食事や寝る場所を提供してくださいました。家族のような温かい振る舞いにとても感動しました。
彼らの生活は自給自足で成り立っており、バナナやトウモロコシをはじめとした、様々な種類の果物や野菜、穀物を育て、必要な分だけ収穫し、ごみは肥料としてリサイクルしています。村では、水はとても貴重です。エドワードの家では、飲み水は購入し、そのほかは雨水を貯めて利用しているそうです。
初めに訪問したのは、エスンバ小学校です。学校は平日しかないため、子どもたちはいませんでしたが、学校関係者でもあるエドワードから小学校を案内してもらうことができました。エスンバ小学校には、2018年に日本政府の協力によって建てられた棟が2つあります。その他、比較的新しく改装された建物が多く、室内の床はコンクリート舗装されているので、一見するととてもきれいです。

しかし、メンテナンスはされていないようで、割れている窓ガラスも散見できました。また、日本の学校にあるような水道はなく、大きな貯水タンクも壊れた状態で放置されているため、子どもたちは、飲み水や掃除に必要な水を、毎日持参してこなくてはなりません。小学校は朝8時から始まりますが、中には10km以上離れたところから2時間ほど歩いてくる子どももいるようです。もちろんのこと給食もないため、お昼の時間になると一度帰宅して午後の授業までに戻ってくる必要があります。



ケニアの小中学校は学費が無料です。しかし、学校に通うために必要な制服や靴、勉強道具などは自己負担になるため、それらを用意するお金がなく、中退せざるを得ない生徒が多いといいます。エドワードによると、以前は約800人いた生徒のうち200人ほどが中退し、現在は600人まで在籍数が減ってしまったそうです。また、政府自体は小学校への支援に消極的であるため、トイレ建設の際には、政府の関係者が独自にお金を集めて、非公式的に工事を行ったといいます。
続いて、村の人が普段水をくむために使っている川の場所を教えてもらいました。エドワードの家からその川にたどり着くまでに、ハイキングコースのような崖路を20分ほど歩きました。道幅は30cmほどで、雨が降ると滑りやすく、60cmを越えるくらいの段差も存在します。この道を小さな子供たちが10~20Lほどのタンクを頭に載せて毎日水汲みをしているというのです!これは間違いなく児童労働です。この時は雨が降っていたこともありますが、軽い荷物しか持っていない私たち大人でも、ここまで来るのに怖い思いをしたので、想像を絶してしまいました。



その後、村に住むスナノミ症の患者さんを2軒訪問しました。最初に伺ったお宅は、室内に明かりがなく、暗闇でよく見えませんでしたが、およそ3,4畳しかない部屋が2つほどで、子ども4人とご老人を含めた大人の方が2人いました。屋根は穴が無数に空いていて、床は赤土のまま舗装されていません。雨が降ると雨漏りがひどく、部屋は水びたしになってしまうため、夜は寝ることができないといいます。患部の足は、私たちが事前に調査していたとおり、皮膚や爪がぼろぼろに割れて痛々しい様子でした。


手まで感染が及んでいた患者さんは、指が大きく腫れ、皮膚がむき出しになってしまっています。彼らは、穴の開いた服やサンダルを着用していて、閉じた靴はもっていませんでした。基本的に、現地独自の言語で話しているため、エドワードに翻訳を頼んで患者さんにお話を聞くと、スナノミ症の要因は、貧困やコンクリートが敷かれてないことにあると語り、床を舗装してほしいと話していました。


また、エドワードによると、子どもたちはスナノミ症に感染していると、笑われて心に傷を負っている子どもも少なくないという話です。それが原因なのか、村の子どもたちはあまり自分から顔を見せようとせず、すぐに隠れてしまう子もいました。


2軒目のお宅には、スナノミ症の重症患者の子どもがいるということでしたが、どうやらその子どもはどこかへ行ってしまったようで、会うことはできませんでした。しかし、その家族もやはりスナノミ症に感染しており、サンダルしか持っていないようでした。

今回の家庭訪問を通じて、子どもたちだけでなく、大人も深刻な被害を受けていること、スナノミ症患者が家族に一人いることで、家の中でスナノミの卵が、赤土のままの床へと落とされ、ほかの家族へと感染してしまうことがよくわかりました。また、一度スナノミ症の治療や家屋の消毒をしても、再度感染して家にスナノミを持ち込んでしまうことで、結果的にスナノミ症が繰り返されているというもどかしい実情を伺い、コンクリート舗装や靴の提供といった予防の重要性を改めて実感しました。
そして見落としてはならないのが、エスンバ村はスナノミ症以前に極度の貧困に苦しんでいるということです。
一杯の紅茶、一口のウガリ(ケニアの主食)ですら得ることができず、骨がスカスカになって体が衰弱してしまう。スナノミ症の他、マラリアやコレラ、赤痢(発熱、下痢や血便、腹痛などを伴う大腸感染症)といった重い感染症に苦しむ人々。もはや何もできず家族ですら我が子の命が失われるかもしれない状況に、ただ見守るしかないことも。
このような、村で実際に起きたリアルな内情をエドワードが教えてくれました。ケニアでは、医療機関を無料で利用することができますが、処方される薬の購入にはお金がかかり、実際のところ、最も必要としている人々に必要な医療サービスが届いていない状況です。
村にはストリートチルドレンも多くいます。彼らが犯罪に手を染めてしまう前に、エドワードが食糧を分け与え、学校へ行けるようにお世話をしているそうです。そのうちの一人の男の子は、来年から高校生になる年ですが、年間授業料の2万円が工面できず、進学できるかわからないと打ち明けてもらいました。その他、水不足や教育問題についても前述したとおり緊迫した課題です。
今回の訪問を通して、私たちはこの村で起きている問題の一部を目の当たりにすることができました。そこには、確かにそこで生きる人々の営みがあり、苦しみが隠されていました。プロジェクト立ち上げ当初から頭では理解していたつもりでも、現実に直面したときの衝撃は大きく、再度その深刻さと課題解決の困難さを認識しました。この現状を真摯に受け止め、Waka Waka Kenyaとして私たちに何ができるのか、村で生きる人々と、この活動報告を読んでくださっている皆さんと、共に考えていきたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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