ガザでは、9月下旬に子どもたちが新学期を迎えました。
皆さんにご支援いただいたクラウドファンディングの寄付金により、10月1日に第2回目の物資の調達・配布を無事に行うことができました。
カレッドさんのTLS(仮設の学習スペース)に届けたものは、「教室の黒板2枚」と「子どもたち全員分の文房具セット(ノート、鉛筆・鉛筆削り、消しゴム、定規)」です。
第2回調達計画の内容は、机・椅子、ノートパソコン、生徒に配布する文具等でしたが、残念ながらイスラエルからの物資搬入の停止による資材不足や価格高騰など様々な影響を受け、計画を変更させていただきました。
ガザの姉妹が物資を届けに行った様子、そして子どもたちの笑顔は、次回の活動報告でお伝えします。
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戦争が始まって3年 ―母として、アマルさんからの問いかけ―
さて、本日は、ガザの姉妹の姉、アマルさんの声を皆さんにお届けします。
私たちが彼女の想いを受け取った時、世界のひとりとしても、国際協力に携わる身としても、強い衝撃を受けました。そして、クラウドファンディングを通じて支援してくださった皆さんに、彼女の率直な声をお伝えすることに迷いもありました。
それでも、2023年10月7日に戦争が始まって3年が経った今、ガザの子どもたちがどのような教育環境に置かれているのか、その現実を知っていただくことも、私たちの責任の一つだと思っています。そのような思いから、アマルさんの「子ども達に学びの喜びを味わってほしい」と願う母としての苦悩と葛藤、そして国際社会に対する問いかけを、できるだけそのまま皆さんにお届けしたいと思います。
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ガザでの新学期。小学校1年生に上がった息子が、学校から教科書を抱えて帰ってきたとき、私は怒りを覚えました。
教科書を見て、疑問を抱かずにはいられなかったからです。

(今年度のガザの小学校1年生の英語教科書)
白と黒の色しかない教科書。
世界は、ガザの子どもたちにはこれで十分だと考えているのでしょうか。
これが、子ども向けの教科書なのでしょうか。
色はどこにあるのでしょうか。
イラストはどこにあるのでしょうか。
子どもの関心を引きつけ、好奇心を刺激し、次のページをめくりたいと思わせるものは、いったいどこにあるのでしょうか。
世界各地では、子どもたちの学びに合わせて、色彩豊かで、双方向性があり、子どもを夢中にさせる教材をつくるために、多大な努力と資源が注がれています。
その一方で、ガザでは、3年間にわたる戦争、避難、恐怖、喪失、そしてあらゆる困難を経験してきた子どもたちに、子ども向けの本とは到底思えない、白黒のページが手渡されているのです。
白黒印刷の場合、1部あたり約30シェケル(約1,600円)かかります。一方、カラー印刷では約300シェケル(約16,000円)かかるうえ、カラーインクが不足しているため、それでも仕上がりは粗末なものです。
30シェケルと300シェケル。
子どもが色彩に触れることさえ、手の届かない贅沢になってしまったのでしょうか。
私の息子は黒い制服を着て学校に通い、色のない教科書を持っています。
クラスの友達の多くは、避難生活と困難の痕跡を象徴するかのような、国際機関から無償配布された無地の水色のかばんを背負っています。

(国際機関が今年度新学期に配布した無地のかばん。転売対象にならないよう、華美なデザインを避けたという話がガザの人々の間でされています。)
それでは、教室の外には何があるでしょうか。
灰色の建物。損壊した建物。爆撃の跡に残る灰。使い古されたテント。
子ども時代の面影が、ほとんどすべて奪われてしまった風景です。

だからこそ、私は、世界に問いかけたいです。
「あなたたちは、自分の子どもにも同じものを与えますか。」
色もなく、視覚的な刺激もなく、楽しさも感じられない教科書を自分の子どもに渡して、それでも教育をきちんと届けたと納得できますか。
母親である私は、いったいどうすればよいのでしょうか。
隣に座る子どもたちが白黒の教科書を使い続けるなかで、自分の子どものためだけにカラーコピーをできると思いますか。
それとも、せめて子ども向けの教科書らしく見えるように、家で、私自身がページ一枚一枚に色を塗ればよいのでしょうか。
これは、人間の尊厳に関わる問題です。
教育とは、ただ紙の上に文字を並べ、何冊の教科書を配布したかを数えることではありません。
そのことを理解してほしいのです。

(テントで学ぶ女の子が、自分で彩ったノート)
子どもたちが学ぶ環境は大切です。
教材は大切です。色彩は大切です。デザインは大切です。
教科書を開いたときに子どもが感じる気持ちが、とても大切なのです。
すでに多くのものを失ってきたガザの子どもたちに、最低限のものだけを与え、それで十分だと言ってはなりません。
多くの苦難を経験してきた今、生き延びることだけで満足させられてはなりません。
子どもたちには、本来の教科書を手にする権利があります。
テントではなく、教室らしい教室で学ぶ権利があります。
色彩に触れる権利があります。
想像する権利があります。
好奇心を育む権利があります。
喜びを感じる権利があります。
子どもらしい子ども時代を過ごす権利があるのです。
どうか、ガザの子どもたちにとって、「色のついたページ」を贅沢なものにしないでください。
(ガザの姉妹より)
※「ガザの人々の教育への希望」にも掲載しています。
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