移植と海中旅行実現
「おかん、やっぱり肝臓ちょうだい」母の肝臓を移植し肝硬変と闘いあと10年生きたい
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2026/1/23 12:00
Episode01|誰もが海中を旅する。ありそうで無い世界への衝動
この章は、私が病に倒れる前、
何を失いかけていたのかの話です。
そして、なぜ今も、
この未来を諦めきれずにいるのかの話でもあります。
海は私にとって、かけがえの無い思い出の場であり、
自由の象徴とも言える場所でした。
幼き頃、いつも忙しく家にいない父との貴重な時間を共にし、
独占できる唯一の場でした。
海が好きで、釣りが趣味の父は、
いつも私を連れて行ってくれました。
深夜、車を走らせ、日の出と共に釣りをする。
それが当時の私にとって、とても嬉しい時間だったのだと思います。
今でもその情景は、
驚くほど鮮明に記憶に刻まれています。
釣りをしているときはもちろん、そこへ向かう道中も含めて、
ワクワクとドキドキがいつも一緒にありました。
帰り道、ドライブスルーであんみつを食べようと
よく約束するのですが、疲れて寝てしまう私に、
その機会は一度も訪れませんでした。
なんで起こしてくれなかったんだと
抗議している幼い頃の自分を思い出すと、
今でも少し懐かしい気持ちになります。
だからでしょうか。それから私にとって海は、
当たり前の場であり、同時に特別な場として、
今も変わらず大好きな場所です。
海の中にも、陸上のような地形があり、
生命が暮らす家がある場所です。
その莫大な領域は、地球の約70%にも及ぶ、
とてつもなく大きな世界でもあります。
ある時、趣味のダイビングをしていたとき、
ふと、こんなことを感じました。
人類が進歩して、宇宙にまで行ける時代なのに、
どうして海中へは、一部の限られた人しか行けないのだろう。
この、ごく当たり前の疑問が、
私の人生の大きな分岐点になりました。
じゃあ、誰でも海の中の世界に触れられるように。
自由で、雄大で、
言葉では言い尽くせないほど素晴らしいその場所を、
人類にとって日常にできないだろうか。
そう考えた瞬間から、私は大きく舵を切りました。
思い立ったら吉日。
「Seaballoon」という構想を掲げ、
現在に至るまで、開発を進めてきました。
正直に言えば、本当に子供じみた、
誰でも思いつきそうな発想だと思います。
振り返ると、困難はあまりにも大きく、
なんであんなことをやろうとしたんだろうと、
自分に苦笑いしてしまうほどの歳月を
過ごしてきました。
それでも、素晴らしい世界へのアクセスを、
小さな子どもから一緒に体験できるようにすることに、
私は大きな意義を感じていました。
その未来を実現できるなら、人生を賭けてもいい。
そう思って、ここまで走り続けてきました。
10年がかりで多くの方に支えられながら、最終設計まで辿り着き、
あらゆるリスクを取り除き、あとは製造に着手する。
その一歩手前まで、ようやく来ていました。
10年かけて、ようやくここまで来ました。
そしてこの直後、私の人生は、
まったく違う方向へ進むことになります。
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