【活動報告③】教室を飛び出して学ぶ、日本での放課後
皆さま、いつも温かいご支援と応援をありがとうございます。
ウクライナの高校生たちが日本に到着し、最初の1週間が過ぎました。
平日は東京国際日本語学院で日本語を学んでいますが、授業が終わったあとも、一日はまだ終わりません。
道場で日本の武道に触れたり、東京都政の現場を見学したり、博物館で江戸の暮らしや文化を学んだり。高校生たちはこの1週間、教室の外にも学びの場を広げてきました。
今回は、そんな日本での「放課後」の様子をご紹介します。
日本の道場で学ぶ、合気道の稽古
放課後の活動の一つとして、天道館道場で合気道の稽古に参加しました。
今回日本を訪れている高校生たちは、ウクライナの学校で日本語とともに武道を学んでいます。そのため、日本の道場で実際に先生方から指導を受けることは、今回の短期留学で楽しみにしていた大切な体験の一つです。
道場では、技の形だけではなく、挨拶や礼、相手との向き合い方など、日本の武道が大切にしている精神にも触れました。
言葉による説明を聞き、先生の動きをよく見て、実際に自分の身体を動かして確かめる。慣れない環境の中でも、高校生たちは一つひとつの技に真剣に取り組んでいました。
日本語の授業で学んだ言葉を、実際の道場で聞き、動きと結びつけて理解することも、教室だけでは得られない学びになっています。

東京を動かす場所――東京都庁舎を見学
別の日には、東京都庁舎と東京都議会を見学しました。
東京都には多くの人々が暮らしており、行政は交通、防災、教育、福祉、都市整備など、日々の生活に関わるさまざまな仕事を担っています。
今回の見学では、建物を見るだけではなく、「これほど大きな都市は、どのように運営されているのだろう」という視点から、東京の行政や議会について学びました。
東京都議会の本会議場では、議員が議論を行い、東京の重要な方針を決めていく場所を実際に見ることができました。
日本語で行われる案内を聞きながら、「都議会」「本会議場」「議員」「条例」といった、普段の日本語学習ではなかなか触れない言葉にも出会いました。
集合写真も、本会議場で撮影しました。
高校生たちにとって、東京は観光地としてだけではなく、多くの人の生活を支える行政と政治の舞台でもあります。日本の社会がどのような仕組みで動いているのかを考える、貴重な機会となりました。

江戸の暮らしから、現在の東京を考える
さらに、江戸東京博物館を訪れ、現在の東京につながる江戸の歴史と文化を学びました。
展示を通して見えてきたのは、将軍や武士の歴史だけではありません。
人々がどのような家に住み、どのように働き、何を食べ、どのように町を行き来していたのか。江戸に暮らした人々の日常を知ることで、歴史が教科書の中だけのものではなく、実際の人間の生活の積み重ねであることを感じる時間となりました。
建物や町並みを再現した展示、当時使われていた道具などを見ながら、現在の東京との共通点や違いを探しました。
また、展示されている内容だけではなく、
「博物館は、どのように歴史を伝えているのか」
「実物、模型、映像では、伝わり方がどう違うのか」
「自分たちがウクライナの歴史や文化を紹介するなら、何を展示したいか」
という視点からも見学しました。
歴史を学ぶだけでなく、文化や記憶を次の世代に伝える博物館の役割について考える機会にもなりました。

たくさん歩き、見て、聞いて、考えた1週間
午前中は日本語学校で学び、授業後は東京のさまざまな場所へ移動する毎日です。
決して余裕のあるスケジュールではありません。それでも高校生たちは、疲れを見せながらも、新しく出会う人や場所に関心を持ち、できる限り多くのことを吸収しようとしています。
合気道では、日本の武道と礼の心を身体で学びました。
東京都庁舎では、現代の大都市を支える行政と議会について学びました。
江戸東京博物館では、現在の東京へと続く歴史と、人々の暮らしについて考えました。
一見するとまったく異なる三つの体験ですが、どれも日本という国を理解するための大切な学びです。
この短期留学では、日本語を「勉強する」だけではなく、実際の社会や文化の中で日本語を使い、自分の目で見たことを考え、自分の言葉で表現できるようになることを目指しています。
皆さまからのご支援によって、高校生たちはこうした学びの機会を得ることができています。改めて、心より御礼申し上げます。
これからも、日本語学校での学びや文化体験、日本の同世代や社会で活動する方々との交流が続きます。
高校生たちが日本で何を見て、何を感じ、どのように変化していくのか。今後も活動報告を通してお届けしてまいります。
引き続き、温かく見守っていただけますと幸いです。