夢の話・特別編 Day11
4年ぶりに、世界への扉が開いた。
2020年。
世界は、新型コロナウイルスのパンデミックによって大きく変わりました。
飛行機は飛ばず、
国境は閉ざされ、
海外へ行くことが当たり前ではなくなりました。
宮里大八国際交流基金も、その影響を受け、4年間にわたり海外派遣を実施することができませんでした。
それでも、私たちは諦めませんでした。
「いつか必ず再開する。」
その想いを胸に、受け入れ先であるインドネシア・バリ島の皆さんとも連絡を取り続け、再開の日を待ち続けました。
そして2023年。
ついに、4年ぶりとなる海外派遣を実施することができました。
今回選ばれたドリーマーは2名。
高校3年生と高校1年生。
応募してくれた5名の中から選ばれた、新しい世代の挑戦者です。
派遣先は、これまでと同じインドネシア・バリ島。
2017年のスタート当初から変わらない、この基金の柱である
ホームステイとインターンシップ(職場体験)。
今回も受け入れてくださったのは、長年私たちを支えてくださっている「バリ俱楽部」の皆さんです。
観光では見ることのできない、
地域の人々の暮らしに入り込み、
一緒に生活し、
一緒に働き、
一緒に学ぶ。
そんな10日間の挑戦が始まりました。
帰国後に開催した成果報告会では、
二人が自分自身の言葉で、現地で学んだことを語ってくれました。
「入国審査では英語の大切さを実感しました。でも、英語だけではなく、その国の言葉を知ることも必要だと感じました。」
「出発前にバリ島について調べ、『子どもの頭は撫でない』『トイレは水浸しがきれいな状態』など、日本とは違う文化や習慣を学んでから現地へ向かいました。」
「伝統音楽やダンスを体験し、多神教という日本ではあまり触れることのない文化を学ぶことができました。」
「インドネシアでは、経済的には豊かではなくても、多くの子どもを育て、幸せを分け合うという価値観に出会いました。日本の少子化についても改めて考えるきっかけになりました。」
「地元の独立記念日のイベントにも参加し、ケチャや神々の踊りなど、その土地ならではの文化を体験することができました。」
「バリ俱楽部でのインターンシップ、SUP体験、シュノーケリングなど、どれも普段では経験できない貴重な時間でした。」
「ナシチャンプルーの『チャンプルー』が沖縄と同じ意味だと知り、とても親近感を覚えました。」
「ホームステイ先では、沖縄のゴーヤーチャンプルーを紹介したところ、実際に作っていただき、とても嬉しかったです。」
「バリ島の家は、昔の沖縄の家とよく似ていると教えていただき、沖縄とのつながりを感じました。」
「言葉が通じなかったり、トイレなど生活環境の違いに戸惑うこともありましたが、それ以上に現地の皆さんが本当に優しく接してくださり、『また必ずバリ島へ戻ってきたい』と思える旅になりました。」
そして、成果報告会で最も印象に残ったエピソードがありました。
現地で仲良くなった友人は、ボロボロになった靴を履いていました。
「新しい靴を買ってあげたい。」
そう思い、日本円で約1,000円ほどの靴をプレゼントしようとしたそうです。
しかし、その友人は静かにこう答えました。
「ありがとう。でも、自分で働いて、お金を貯めて買うよ。」
その言葉に、ドリーマーは大きな衝撃を受けました。
困っている人にお金や物を渡すことだけが支援ではない。
相手の誇りや、自立する力を尊重することも、本当の支援なのではないか。
この出来事は、
「持続可能な支援とは何か。」
を考える、大きなきっかけになったそうです。
海外へ行くことは、
英語を学ぶことだけではありません。
異文化に触れ、
多様な価値観を知り、
そして、
自分自身の価値観を育てること。
それが、この宮里大八国際交流基金が目指している学びです。
4年ぶりに再開したこのプロジェクトで、
二人のドリーマーは、
世界を見て、
人と出会い、
少し大人になって帰ってきました。
その一歩が、
きっと未来につながっていくと信じています。