夢の話・特別編 Day12
「自分には無理だと思っていた。」その一歩が、未来を変えた。
2024年。
宮里大八国際交流基金では、2人のドリーマーをインドネシア・バリ島へ派遣しました。
今回の成果報告会で、私が最も心を動かされたのは、現地で何を体験したかではありません。
子どもたち自身が、自分の言葉で語ってくれた「夢」と「成長」でした。
あるドリーマーは、応募した理由をこう話してくれました。
「私の今の家庭環境では、海外留学なんてとても無理なことだとずっと思っていました。
でも、この Okinawan Dreams Project の話を聞いて、自分でも海外へ行けるかもしれない、可能性があると思い、とても嬉しくなって応募しました。」
そして、バリ島での10日間を振り返り、
「沖縄ではできない多くのことを体験することができました。
異文化に触れ、現地の人と関わり、自分の知らないことをたくさん学ぶことができました。
この経験を今後の人生に役立て、自分の人生を変えるための一歩を踏み出せるような気がします。」
そう力強く話してくれました。
私は、この言葉を聞いた瞬間、
「この基金を続けてきて、本当に良かった。」
と心から感じました。
もう一人のドリーマーには、バリ島へ行く前から叶えたい夢が4つありました。
一つ目は、
「世界中の伝統的な食べ物を食べること。」
人生の目標の一つが、
「世界中の伝統料理を食べること」
だったそうです。
バリ島ではナシチャンプルーをはじめ、様々な郷土料理を味わい、その夢を叶えることができました。
二つ目は、
「インドネシア語を覚えること。」
これまで触れたことのなかったインドネシア語に挑戦し、
沖縄の「チャンプルー」と同じ意味を持つ言葉があることを知り、文化のつながりにも驚いたそうです。
三つ目は、
「現地の友達をつくること。」
学校交流や地域行事へ積極的に参加し、
最初は人見知りだった自分が、
現地の子どもたちと笑顔で交流できるようになりました。
四つ目は、
「その土地でしか体験できないことに挑戦すること。」
伝統衣装を身にまとい、
村の行事へ参加し、
ホームステイ先の家族と一緒に、お祈りのお供え物を作る。
観光では決して体験できない時間を過ごすことができました。
もちろん、楽しいことばかりではありませんでした。
ホームステイではホームシックになり、
「早く沖縄へ帰りたい。」
と思った日もあったそうです。
トイレや生活習慣の違い。
寝具が寒く体調を崩したこと。
ホームステイ2日目からは、朝4時に起きて日の出ツアーのアテンドにも同行しました。
また、言葉が通じず、翻訳アプリを使いながら同年代の子どもたちと話をする難しさも経験しました。
「毎日ホストファミリーと一緒に食事をすると思っていましたが、家族が気を遣って別々に食事をしていたことが少し寂しかった。」
そんな率直な感想も話してくれました。
しかし、その一つ一つの経験が、
子どもたちを大きく成長させてくれました。
帰国後。
保護者や支援者の皆さんからは、
「出発前と帰国後では、子どもが大きく成長した。」
「ホームシックになった時は家族も辛かったが、最後まで頑張って本当に良かった。」
「将来の夢や目標を前向きに話すようになった。」
「今回の経験をまとめた夏休みのレポートが評価され、学校代表に選ばれた。」
という嬉しい報告もいただきました。
海外での10日間は、
子どもたちだけでなく、
家族にも大きな変化をもたらしていたのです。
そして2024年は、
子どもたちの挑戦だけではなく、
このプロジェクトそのものにも、新しい支援の輪が広がった一年となりました。
長年応援してくださっている一般社団法人りゅうぎん国際化振興財団様からは、
4回目となるご寄付をいただき、
今年も事業を実施することができました。
さらに、
面白法人カヤック様にも、
このプロジェクトの理念に共感していただき、
初めてご寄付をいただくことができました。
活動を続ける中で、
少しずつ共感の輪が広がっていることを実感した、とても嬉しい一年でした。
そして、
2024年には、
基金を立ち上げて以来、初めての出来事がありました。
現地でバリ俱楽部のツアーに参加されていた日本人のご家族が、
ドリーマーが一生懸命にツアーをアテンドし、お客様をご案内している姿をご覧になり、
帰国後、
「子どもたちが一生懸命に頑張る姿に感動しました。」
という温かいメッセージとともに、
このプロジェクトへご寄付を届けてくださいました。
お願いしたわけでもありません。
返礼品があったわけでもありません。
ただ、
子どもたちが真剣に挑戦する姿そのものが、人の心を動かした。
その結果として生まれた、
宮里大八国際交流基金が始まって以来、初めて現地参加者の方からいただいたご寄付でした。
私は、この知らせを受けた時、
このプロジェクトが目指してきたものは間違っていなかったと確信しました。
子どもたちの挑戦は、
自分自身の未来を変えるだけではありません。
周りの人の心を動かし、新たな支援の輪を生み出していく。
それを実感した、忘れることのできない一年となりました。