パレスチナのいま展に先立ちシンポジウム「ジャーナリストが標的となる時代」を開催します。
■日 時:2026年9月12日(土)17時~18時30分
■場 所:立教大学池袋キャンパス15号館M302教室
■入場料:無料
■内 容:21世紀に入って、イラク戦争、シリア内戦、ウクライナ、パレスチナ、メキシコ、パキスタンなどで、ジャーナリストやカメラマンが政府や武装組織によって殺害、脅迫、拘束、拉致、追放などの暴力の標的になっている事例が増えている。
ジャーナリストは戦地で取材活動をしていても、国際人道法上、民間人として保護される。ジャーナリストは、市民社会が必要とする情報を提供し、市民の知る権利を支えることで、権力を監視し、民主主義を支える役割を担っている。しかし、イラク戦争、「アラブの春」、シリア内戦、ガザ戦争などで、ジャーナリストが軍や武装組織の標的となり、殺害、拉致、拘束される例が増えている。特にガザではイスラエル軍の攻撃によって2年間で250人のジャーナリストが殺害された。メキシコでも2000年以降、マフィアとつながる政治家や企業を取材するジャーナリスト150人以上が殺害されている。
本シンポジウムでは、ジャーナリスト自身がジャーナリストに対する暴力をどのようにとらえているのか、ジャーナリストは暴力にどのように対処できるのか、市民社会との関係でジャーナリズムはどのような関係をつくるべきか—などを関係する映画の上映とともに議論する。
■講 師
▼司会・川上 泰徳 氏(中東ジャーナリスト)
▼パネリスト
萩原 豊 氏(TBSテレビ記者/編集主幹・解説委員長)
安田 菜津紀 氏(認定NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
石原 孝 氏(朝日新聞国際報道部次長・元エルサレム駐在)
■主 催:社会学部・砂川ゼミ
■共 催:「パレスチナのいま」展実行委員会
■問合せ先:砂川浩慶(sunakawa@rikkyo.ac.jp)
【講師略歴】
□川上 泰徳(中東ジャーナリスト)元朝日新聞社の中東特派員、編集委員。長崎県出身。大阪外国語大学アラビア語科卒業。著書「シャティーラの記憶」「ハマスの実像」「戦争・革命・テロの連鎖ー中東危機を読む」、映画「壁の外側と内側ーパレスチナ・イスラエル取材記」
□萩原 豊TBSテレビ記者(編集主幹、解説委員長) 1991年TBS入社。社会部記者、「報道特集」「筑紫哲也 NEWS23」ディレクター、ロンドン支局長、「NEWS23」番組プロデューサー・編集長、外信部デスク、ニューヨーク支局長などを経て現職。これまで50か国以上で戦争、環境、人権などをテーマに取材を続ける。ドキュメンタリー映画に『ダリエン・ルート~”死のジャングル”に向かう子どもたち~』(2023年)、『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変~』(2025年)、『強制沈黙~殺される記者たち~』(2026年)。長野県生まれ。東京大学文学部卒。
□安田菜津紀(フォトジャーナリスト)1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に』(ヘウレーカ)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
□石原 孝(朝日新聞国際報道部次長・元エルサレム駐在)ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院修士課程(国際関係・外交)修了。朝日新聞の記者として横浜や奈良、大阪、東京、南アフリカで勤務し、2022年からニューデリー支局長。著書に『「インドの野心」人口・経済・外交–急成長する「大国」の実像』(朝日新書)『堕ちた英雄「独裁者」ムガベの37年』(集英社新書)など。
【映画上映】
当日、シンポジウムに先だって、ジャーナリストへの暴力をあつかったドキュメンタリー映画2作を上映します。(入場無料)
14:00~14:05 開会挨拶、趣旨説明
14:05~16:30 ジャーナリストへの暴力をあつかったドキュメンタリー映画2作の上映
・「強制沈黙~殺される記者たち~」TBS・萩原豊監督(80分、2026年)
・「ガザの眼」マハムード・アタッシ監督(50分、2025年)
17:00~18:30 パネルディスカッション「沈黙させられるジャーナリスト」
▼「強制沈黙~殺される記者たち~」TBS・萩原豊監督(80分、2026年)
銃弾で命を奪っても、真実までは消せない。
不都合な事実を闇に葬るため、記者が標的となる世界の最前線を追う。メキシコの汚職告発、レバノンの砲撃死――権力による「強制沈黙」が広がる実態、それでも真実を届けようと抗うジャーナリストたちの記録。
▼「ガザの眼」マハムード・アタッシ監督(50分、2025年)
イスラエル軍の激しい砲撃の中、スマートフォンを手に、目の前の状況を語りながら走り抜ける男たちがいる。彼らの職業はジャーナリスト。ガザのリアルな惨状を、世界へ向けて発信し続けてきた。イスラエル軍が破壊の限りを尽くしたガザの街は、建物がすべて瓦礫と化し、通信インフラも機能していない。ジャーナリストたちはスマホに収めた映像や記事を、微弱な電波が届くイスラエルとの国境近くの高所から、世界へ向けて発信している。昼夜を問わず空爆を行い、人命救助の救急車も標的にし、食料の配給を待つ群衆にさえ発砲するイスラエル軍。計り知れない市民の恐怖や不安、怒りは、リアルタイムで伝播する。渾身のジャーナリズムがここにある。