こんにちは。田川教育振興財団設立プロジェクト実行委員会の北です。
先日、助産師のあきさんにお声がけいただき、「本格思春期に伸びる子・流される子」をテーマにお話しする機会をいただきました。あきさんは、思春期の親子に向けて性教育講座をされている方です。今日はその内容を、少しだけご紹介させてください。

「流される」のは、性格ではなく経験の差
「周りに流されず、自分で考えて行動できる子になってほしい」
「やりたいことを見つけて、自分らしく生きてほしい」
多くの保護者の方が、こうした願いを持っていると思います。
高校の現場で生徒たちと関わってきて感じるのは、思春期に伸びる子は、特別な才能がある子ではないということです。違いは、「小さく自分で決めて、やってみた経験」がどれだけあるか。
決めてもらうことに慣れている子は、友達やSNSの「正解」に乗りやすくなります。流されるのは性格ではなく、経験の量の差なのだと思います。
ちなみに、思春期に親の話を聞かなくなるのは、「自分で決めたい」という気持ちが育ってきた健全なサインでもあります。
子どもが自分から動くための3つの条件
私が大切にしている考え方に、心理学の「自己決定理論」があります。人が自分から動くには、次の3つが満たされていることが大切だとされています。
- 自律性:自分で選んでいる感覚
- 有能感:やればできるという感覚
- 関係性:見守られているという安心感
親の「こうなってほしい」は、子どもが自分で選んだ経験の上にしか育ちません。今回お伝えしたかったのは、この一点です。
「やりたいことがない」のではなく、「選んでいいと思っていない」
西田川高校で行っている探究の授業「たがたん」では、「やりたいことがない」と言う生徒によく出会います。でも話していると、本当は「自分で選んでいいと思っていない」だけ、ということが少なくありません。
やりたいことは最初からあるものではなく、動いた後に見つかるものなのだと、生徒たちから教わっています。
親や周りの大人ができること
お話の中で一番時間をかけたのが、ここです。
- 答えではなく問いを渡す:「あなたはどうしたい?」
- 小さな選択肢を渡す:服、休日の過ごし方、習い事を続けるかどうか
- 失敗を先回りして止めない:大人から見て100点の選択でなくても、まずやらせてみる。そして終わった後に「どうだった?」と一緒に振り返る
- 結果より「選んだこと」を認める。他の子と比べない
- 親以外の「ななめの大人」とつなぐ
本人が選んでやってみて得たものは、たとえ失敗でも、大人が用意した正解より何倍も価値があります。子どもが安心して失敗し、また挑戦できる環境をつくること。大人もその環境の一部なのだと思います。

性教育と、同じ根っこ
あきさんとお話しして気づいたのは、包括的性教育と自己決定は同じ根っこを持っているということです。「自分の体も、自分の人生も、自分で決めていい」。そして「NOと言える」「自分で選べる」ことは、自分の身を守る力にもなります。分野は違っても、目指している子どもの姿は同じだと感じました。
田川に「選べる環境」を
思春期は、親の言葉が届きにくくなる時期です。だからこそ、親以外の大人と出会えること、学校や家庭の外に挑戦の場があることが大切です。
田川教育振興財団は、そうした「子どもが自分で選び、挑戦できる環境」を、行政の予算や方針に左右されず、地域の力で届け続けるための仕組みです。
最後に、当日お伝えした言葉で締めくくります。
子どもの「こうなりたい」は、親が見つけてあげるものではなく、子どもが選ぶ経験の中で育つものです。今日からひとつ、お子さんに「どうしたい?」と聞いてみてください。
引き続き、クラウドファンディングへの応援をよろしくお願いします。
▼当日の様子(あきさんのInstagram)
https://www.instagram.com/reel/DehJbbUDUCr/