こんばんは。田川教育振興財団設立プロジェクト実行委員会の北です。
10月27日(火)の夜、一般社団法人かたりすと主催のオンラインイベント「田川市と三宅町の実践から考える、自律的な教育や町づくりとは?」に登壇しました。ご参加いただいたみなさん、平日の夜遅くまで本当にありがとうございました。
■ イベントについて
地域から教育を変えようとする動きは全国で生まれています。
でも、先進事例として注目されるほど「あの市だからできた」「あの人がいたからできた」で片づけられてしまう。今回のイベントは、そうした「事例紹介」ではなく、実践が生まれた背景、地域の人との関係のつくり方、続けるための工夫に焦点を当てた時間でした。
登壇したのは、奈良県三宅町の大泉志保教育長、株式会社BOOK代表の青柳考哉さん、そして私。モデレーターはかたりすと代表理事のたかのまさこさんです。
■ 青柳さんの話:「やりたい」を寛容する空気感
青柳さんは、廃校を活用した「いいかねPalette」の10年を、包み隠さず話してくれました。開設、資金ショート、大規模な赤字、スタッフ全員の解雇。「に、逃げてぇ。」というスライドが映ったとき、視聴者の「わかる」という表情はなんとも言えませんでした笑
それでも青柳さんが手放さなかったのは、「今まで何らかの理由で諦めていたことが、ここだったらやれる」という場所をつくること。人は増えなくても、誰かの「やりたい」を寛容する空気感があれば、関係人口が増え、町は動き出す。その言葉が強く残っています。
■ 私の話:「頑張れない環境」にいる子どもたち
私は、Teach For Japanで後藤寺小学校に赴任してからの小学校での実践、西田川高校での5年間の実践をお話ししました。
そのうえで、田川の現状をデータでお伝えしました。田川地区の学力は県内で最も低い水準にあること。子どもの相対的貧困率は22.7%で、全国の約1.6倍。3人に1人が就学援助を受けていること。不登校は5年で1.6倍に増えていること。
田川に来る前の私は、「頑張らない人がいけない」と思っていました。でも、頑張れる環境にいない子どもたちが確かにいる。同じ県、同じ制度、同じ教科書でも、違うのは子どもを取り巻く環境です。だからこそ、個人ではなく「環境」を変えたい。それが財団設立の原点です。
三宅町の大泉教育長からは、子どもたちの声を反映した教育大綱づくりや、小学校の建て替えと教育改革を一体で進める「未来の学校プロジェクト」など、住民との対話を軸にした町づくりのお話を伺い、規模も地域性も違う町から多くのヒントをいただきました。
■ 終えてみて感じたこと
一つ目は、教育と地域の両輪が絡まったときに、物事は前進しはじめるということです。青柳さんの場づくりと、私の学校現場での実践。それぞれ単独では行き詰まっていたことが、重なったところから動き出してきました。今日の話を通して、改めてそう実感しました。
二つ目は、地域に人が集まる仕組みとは何かという問いです。人々の「やりたい」をかなえられる場所って、どんな場所なのだろう。設備や制度だけではなく、挑戦を許す空気感をどうつくるか。財団として、この問いに向き合い続けたいと思います。
三つ目は、参加者の感想にあった「自分の地域も似たような課題を抱えている」という言葉です。最後のスライドに「どこかの誰かの問題ではない。田川だけの問題でもない」と書きましたが、まさにその声をいただけたことが嬉しかった。
だからこそ、田川教育振興財団は田川だけのものではなく、同じような課題を抱える地域の人たちの希望になりたい。田川で生まれた実践と知恵を、ほかの地域にも横展開できる形にしていきたいと思っています。
■ 最後に
クラウドファンディングは現在、83人の方から171万7,000円のご支援をいただいています(目標350万円、残り34日)。ひとつひとつの応援が、田川の子どもたちが「生まれた場所で人生が決まらない」未来につながっています。
「自分の地域でも」と感じてくださった方とも、ぜひつながりたいです。引き続き、応援・シェアをよろしくお願いします。
なお、イベントの音声はかたりすとのPodcastで公開予定です。ぜひそちらもチェックしてみてください。