未来の自然
日本古来の伝統構法を残してゆきたい。命の喜びを思い出せる場所として。
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2024年3月31日
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かね
2024年3月31日
最高のロケーションでヒデさんのコーヒーを飲む日を楽しみにしています。完成まで、心確かに、頑張って下さい!
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森の詩で扱う珈琲豆について
2024/3/2 10:28
地球と命が響き合う珈琲を求めて
本文でもお伝えしましたが、2015年に珈琲の焙煎士として炭火焙煎 森の詩を開業しました。
世界的に見ても圧倒的な消費量を誇る珈琲ですが、そんな珈琲豆の現状を、ご存知でしょうか。
僕が、自然の循環の中で育てられた豆を選ぶのには、いくつかの理由がありました。
1つ目の理由は農薬
農作物の農薬使用量は綿花に続き、珈琲豆が世界で2番目と言われ、珈琲豆の70%以上は多種多量の農薬や化学肥料が使われています。
綿花と珈琲豆栽培の農薬の使用が無くなれば、世界の約2/3の農薬汚染は改善されると言われています。
珈琲に限らず、農薬は消費者だけでなく、生産に関わる人の健康にも大きな影響を与え、癌を含む様々な健康被害が問題となっています。
更に農薬などの化学物質が土壌に与える影響は、地球規模で深刻化しています。
地球や全ての生命にとって、幸せな循環が生まれていない状況でした。
2つ目の理由は仕組みの問題
photo kosuke fukada
多くの生産現場、特に発展途上国では珈琲豆が競売に懸けられ、企業や地主からの不当な搾取が行われています。
また、珈琲豆の多くは僕らの手元に届くまで、仲買人や商社など、いくつもの仲介業者が入るため、企業から非常に安価で豆が購入されています。
その為、貧困は増加し、児童労働により子供が学校に行けないなど、多くの問題を抱えています。そして、一部の企業が莫大な利益を得る仕組みとなっています。
珈琲の分野に限らないのですが、この様な仕組みが身近な社会でも、あらゆる場所で起きている様に思います。
これは構造上の問題で、なかなか改善されにくいのですが、一人一人の意識や選択肢が変われば、この流れも変わってゆくのだと思います。
出所)農林水産省
3つ目の理由は、失われてゆく森や生態系
珈琲豆の多くが単一栽培での効率化によって、コーヒーベルトを中心に膨大な面積の森林が失われています。その原因の多くはプランテーションです。
出所)Wikipedia
プランテーションとは、先進国の植民地から始まった大規模農園で、宗主国(植民地支配をしている国)に輸出することを目的とした作物を、栽培する為の農園です。
プランテーション化される土地の多くは、先住民族が長年暮らし守ってきた土地や森林です。
欧米諸国の植民地だった国々が、広大な農地に多くの資本を投入し、黒人や先住民の安い労働力を使い、世界市場に向けて、一種類の作物だけを大量に生産しているのが、今の現状です。
珈琲栽培に限らず、プランテーション化が進んでいった事により、25年間で約1億ヘクタールを超える森林が減少したと言われ、この面積は南アフリカの国土と同じくらいだと言われています。
また、地球規模で森林植生と森林減少を合わせても、毎年約600万ヘクタール以上の面積の森が、地球上から失われていると言われています。
この先プランテーション化が進んでゆくと、どうなるのか?
プランテーションでの生産が環境や生態系に与える影響は大きく、熱帯林がプランテーションになると、哺乳動物や爬虫類、鳥類など8割以上の生き物が消失すると言われています。
2020年に、公益財団法人世界自然保護基金(WWF)とロンドン動物学会が発表した生きている地球レポート2020によると、1970年の時点から、地球の生物多様性が、わずか半世紀ほどで68%減少しているという事です。
このまま森林の減少が進んでゆくと、おそらくは野生生物の絶滅や気候変動をはじめ、人々の生活や子供達の未来に大きな影響を与えます。
1番の理由は、自然との繋がり
森や川や土や山は、海と繋がっていて、その海はすべての命に繋がっています。
だから、海を汚すという事は、僕たち人間だけでなく、多くの「命」に影響しているのだと思いました。
経済社会の中で生きる僕たちにとって、自然と経済のバランスはとても重要だと考えています。
僕たち一人一人の選択や経済活動が、地球に影響を与えているからです。
一人一人の選択が、この地球や子供たちの未来を形作ってゆくのだと考えた時、「自然の循環を大切にしてゆきたい」と思えたのです。
これらが、自然の循環の中で育った豆を選んだ、主な理由です。
森の詩で選んでいる珈琲豆
森の詩では「森の詩 珈琲・森のしずく 珈琲・森のおと 珈琲」の、三種類の珈琲豆を扱っています。
三種類とも、商社が現地に出向き、農家から適正な価格で取引きされた生豆を直接購入しています。
また、どの農園も生物多様性の豊かな土地にあり、農薬や化学肥料に頼らない、自然の循環から生まれた生豆です。
これから、その三種類の豆をご紹介いたします。
森の詩 珈琲
中米ニカラグアのマドリス地区にある、標高約1300mの山脈地帯。
多種多様の動植物が生息する大自然の森の中、先住民の文化でもある森林農法(アグロフォレストリー)で有機栽培された豆になります。
森林農法とは、一つの土地に多種多様の樹木と農作物を一緒に植え、農業・林業・畜産業を同時に行う農法です。
森林農法に関心が高まる背景のひとつには、貧困や飢餓の増加があります。
環境の保全と同時に、その土地で暮らす人々の収入源や、食料を得られる手段の一つとなっています。
森林農法は森をつくり、地球を守る農法と言えるのです。
ここの農園でも、森林農法での栽培が、以下の方法で行われています。
①珈琲の日陰を作るために、アボカドやバナナやスパイスなど、背の高い樹木を植え、コーヒーノキを直射日光から守っています。
コーヒーノキは直射日光を浴び続けると葉が日焼けし、充分な栄養が珈琲豆に行き渡らず、豆の大きさが不揃いになりやすいからです。
②珈琲の果肉などの有機原料を与え、良い土壌を形成しています。
有機原料を与えることで、微生物の種類が増え、農作物が育ちやすい土壌になります。また、微生物で分解できなかった有機物の一部が土に残ることで、通気性や保水性が高まります。
森林農法では、多様な動植物が存在する事で、害虫の天敵が生まれてゆくだけでなく、他の植物が土壌の調和を整えてくれる為、農薬や化学肥料を撒く必要が無くなります。
森のしずく 珈琲
標高約1800m〜2000mの高地。
アラビカ種珈琲の起源とされる、エチオピアの南西部に残る手付かずの原生林で、稀少な珈琲の木が自生しています。
世代交代を繰り返し、その土地に昔から根付いている原種の野生豆です。
森林資源を保全しながら手積みで収穫された珈琲豆は選別され、昔ながらの天日干しで十分に乾燥された後、出荷されます。
複雑な生態系を有する森で、人々は珈琲だけでなく、蜂蜜やコラリマというスパイスを採取しながら生活をしています。
森の中は収穫時以外、ほとんど人の手が加わらず、品種改良もされていないので、アラビカ種本来の、野生のままの味があります。
また、一般的な農園で栽培されている珈琲に比べて、素朴な深みがあります。
森のおと 珈琲
動物保護区に隣接した南インドのケララ州にあるポアブス農園は、標高1065mから1245mの高地で、バイオダイナミック農法で珈琲の有機栽培が行われています。
珈琲豆以外にも紅茶、カルダモン、はちみつ、オレンジ、胡椒、野菜なども育てています。
バイオダイナミック農法とは、ドイツの哲学者、ルドルフ・シュタイナーが人智学に基づいて考案しました。天体の働きや月の満ち欠けの周期など、宇宙を含む自然の全てと調和する農法です。
有機肥料には粉末状にした水晶などの鉱物をはじめ、カモミール、ノコギリソウなどの植物や牛糞などを混ぜてつくる調合剤を使います。
この調合剤は、宇宙や自然からのエネルギーを受け取りやすくし、植物の潜在的な力を高めてゆくと言われています。
バイオダイナミック農法は高い評価を受ける一方、一般的な農法と比べて収穫量が少なく、収穫予測も難しいとされています。
慈善事業から始まった農業
ポアブス農園の創業者は敬虔なクリスチャンで、元々は資材メーカーで大きな成功をおさめています。
その後、珈琲や紅茶の農業事業を始め、利益が出ると、そのすべてを地域や人々に還元しているため、農園の人々は豊かに生活を送る事が出来ているそうです。
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