学校と地域の未来
おなかま(同釜)募集!学校と地域の当たり前を問い続ける「ふつうの小学校」をつくる
みんなの応援コメント
柳元さんへ
2024年6月20日
園舎見学ツアーではお世話になりました!素敵なご縁をいただきありがとうございます!少額ではありますが支援させていただきます。頑張ってください!江島
ジュンフラワー
2024年6月20日
わくわく
FOR GOOD
プロジェクト実行者が支援金を全額受け取れるよう、支援者さまからのシステム利用料(220円+決済手数料5%)により運営しています。
食とことば
2024/6/18 23:41
【「食」と「ことば」】
ふつうの小学校をつくるということですので、現時点で、この学校だけの特別な教育メソッドや特徴を定めることはしていません。
一条校(学校教育法第1条に定められた学校)ですので、学習指導要領に則った授業を行うことは大前提としつつ、
その上で、学びの環境をつくる際に大事にしてきたいことを挙げるとすると、「食」と「ことば」の二つです。
食ⅰ: 健康の土台
私たちは「食育」の目的を、難しい料理が作れるようになることや楽しむことではなく、ご馳走ではない「普段の食事」を自分で選び、調理できる最低限の「習慣を作ること」に置いています。
人類の歴史は飢えとの戦いの歴史で、人は文字通り生きるために食べていたし食べるために生きていましたが、現代の日本は自分で田畑を耕さなくても、狩に行かなくても、調理すらしなくても明日食べるものに困らないという飽食の時代になりました。
何をどう食べるのかによって体や心のコンディションや健康でいられる期間が大きく左右されることは今や周知の事実ですが、少し前の時代までは、そもそも「食べ物を選ぶことができる」という前提が存在しなかったので、私たち大人の多くは食べ方を学んだ経験がありません。しかし、今の時代だからこそ、親元にいるうちに自分の健康を支える食べ方を時間をかけて学び、習慣を育む機会を作りたいものです。
食ⅱ:思考の土台
身の回りで起こることに興味を持ち、自分で考えて行動/探究するための思考や行動の土台を作るには、ゴールをイメージして、試行錯誤しながら行動し、なんとか目標としていたゴールまで辿り着き、評価・振り返りをするという経験が不可欠で、その一連のプロセスを踏めるなら、大掛かりなプロジェクトを一つ達成するよりも、小さくていいので日常的に何度もそれを繰り返す機会を持てる方が効果が高いようです。料理は、小さな子どもたちでもいわゆるPDCAが回しやすく、自己評価もしやすい(さらにはうまくできたら「おいしい」という喜びまで!)ので教材として優れているだけでなく、感情や脳の働きにも大きな影響を与える効果もあります。
食ⅲ:コミュニティの土台
現代の子どもたちは(あるいは大人も)、固定化された狭い人間関係の中で日々を送ることが多くなりました。関わる人が固定化されているだけでなく、極端に言えば「親」と「先生」と「同級生」。と、人の属性も限られていることが多いですが、長い視点での生きやすさ・暮らしやすさを考えると多様な人々との深すぎない関わりの中で自分の居場所を自力で見つける力を育んでおきたいものです。
また、自分や学び場を中心に置いた半径300m、3km、30kmの世界と温度感のあるつながりを作る上でも、食べることや暮らすことの周りには探究したくなるようなテーマがたくさん存在します。将来ローカルに深く根差して活躍する人も、グローバルに羽ばたく人も。目の前の人と心地よくコミュニケーションできるスキルは必須ですし、同心円状に広がる世界の軸の部分(自分の足元)の解像度が低いままでは、広い世界や多様なローカルへの想像力は持ちづらいでしょう。
おいしいものが目の前にあると、世代も地域も国籍も超えて繋がり合うことができます。
多様な人々がつながり合い学び合うためのキッカケとして、自分たちの暮らす地域に根ざした小さな経済圏を生み出す触媒として、「食」を真ん中にした学校づくりを行います。
「ことば」
ことばⅰ:五感を広げる/身体感覚に紐づける
今まで人がしていた仕事の多くをAIに任せられるようになる世の中では、五感をフルに活用し、より人間らしく生きることに人生の時間を使えそうです。その五感も、ことばをうまく活用することでより研ぎ澄ますことが可能です。例えば、何かを食べてみた時に「どんな味がする?」「どんなにおい?」とお互いに言葉に出して味わってみたり、森などの自然や動物を眺めて「何色が見える?」と言い合ってみたり。ある日、味噌作りの際に米麹を味見させてみたら、子どもたちからは「納豆みたい」「レモンみたい」「甘い匂い」「甘い!」「おいしい!」「シャインマスカットみたい!」「グレープフルーツの匂い!」」とさまざまな声が上がりました。ことばを頼りにお互いが感じた味や匂いを探しながらもう一度味見をしてみると、一人で食べただけでは感じなかった味や匂いに気づくのです。
ことばⅱ:解像度を上げる/語彙を増やす
同じように、ものの名前や感情を表す言葉、概念などをたくさん知っていると世界の見え方や、自分や相手の感情との向き合い方、折り合いの付け方が変わってきます。
植物に詳しくない人にとってはただの「山」が、植生や植物に詳しい人がみると全く違った解像度で見えてきたり、そうでない人が食べるとただの「おいしいカレー」が、スパイスに詳しい人は「クミンの味、カルダモンの味、クローブの味」とそれぞれの味が感じられますし、あっちのおいしい店と、こっちのおいしい店との違いをより深く感じられたりします。
その結果として、気づく力や楽しむ力がグングンと育まれていきます。
ことばⅲ:探究するための基礎体力/まとまった量の文章に多く触れる
たくさんの本を読むことも大切にしたいことの一つです。
現代人は少し前の時代の人たちと比べて、短文でのコミュニケーションが増えたと言われています。
たくさんの情報に触れるという意味では、テレビでも本でも、Youtubeでも同じに感じるかもしれませんが、明確な違いがあると私たちは思っています。
本を一冊読み切るには、テレビ番組を1本見終わるよりも、受け取り手の力が必要です。まとまった量の情報を自力で受け取って解釈できるスキルは、対話する上で相手の話を聞ききるスキルにもつながります。
自力で探究していくための力を身につける上でとても大切な要素です。
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