ケニアの小規模農家
アボカド加工品で、ケニアの農村コミュニティに還元されるしくみを作りたい!
みんなの応援コメント
トウジ
2024年6月4日
よりよい世界のために、応援してます!
Rena
2024年6月4日
LINEやSNSを通じて、伊治ちゃんのケニアでの大変なご活躍ぶりを拝見させていただいてました!帰国してからも次のステップのために一生懸命前に進み続ける伊治ちゃんの活動に、微力ですが支援出...
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アボカドオイル 試作最終日 アボカドオイル完成かと思いきや想定外の結果に…
2024/5/6 10:17
試作を続けてきたアボカドオイルの試作。
最終日5日目は最終工程の搾油→濾過までを行いました。
が、結果としては搾油率0.1%という予想よりもはるかに低い数字に(当初の想定では5~10%を想定)。検証と多品種での実験が必要です。
では、ひとつずつ工程を見ていきましょう。
①搾油
乾燥させたアボカドを搾油機にいれていきます。一度に大量に入れると油とカスが一緒に出てきてしまうとのことで、少しずつ入れていきます。
これが搾油機。真ん中の逆さ円錐型の部分にアボカドを投入。
この搾油機では1時間あたりに150㎏~200㎏の乾燥アボカドペーストを処理できます。ですが、結局のところアボカドに含まれる油分が多くなければ、大量に処理しても少量しか抽出できないということになるので、アボカドに含まれる油の比率が重要になります。そのため今回は同じ乾燥アボカドを5回機械に通しました。
搾油するとこんな感じです。しかし困ったことにカスも含めて果肉の一部もが一緒に油の出口から出てきてしまいました。
できる限り油のみが出てくるようにスクリューを調整できるはずですが、研修担当のKIRDIのオフィサーにはこの調整がベストと回答され…。その後適切な説明は受けることができなかったため、後程フォローアップが必要となりそうです。
搾油機に通した乾燥アボカドからは1度だけでは油が十分に出なかったため、最終的に5回機械に通しました。機械の熱で乾燥アボカドが茶色からこげ茶色に変色していくため、焦げが油の香りに影響するという助言のもと全5回に留めましたが、それでもまだ搾油できる油が残っているように思えました。
また、果肉が油と一緒に出てきてしまうのは、Hass種(アボカドの中でも油の含有量の多い品種)ではなくローカル種(ケニア自生種)だからだ、との意見がKIRDIのオフィサーからありましたが真相は分かりません。品種が変われば、抽出される油とカスは分離されて出てくるのでしょうか?これも検証が必要です。
本日はアボカドオイル専門のオフィサーが不在だったため、真相は明らかになっていませんが、彼が戻り次第、助言をあおぐ予定です。
②濾過
次に濾過作業です。
濾過は濾布を使用します。吸引式になっており、圧搾機械から出てきた油を吸引しながら、布を通して濾す仕組みです。
今回は、搾油量が極少でしかも油以外に果肉が混ざっていたため、機械からパイプを通して濾過せずに、機械から回収した油を濾布に広げ、吸引スイッチを作動させて油を分離しました。
しかし、あまりにも果肉が混ざっていたため、吸引もかなり難しく、油だけを濾すことが極めて難しかった印象。濾す前のドロドロの油は4L程ありましたが、最終的に濾して回収するとたったの170gにしかなりませんでした。
布の上に、まだ油っ気のある果肉ペーストが大量に残った上、濾した油にも果肉の一部が混ざっている状況でした。濾過後、オイルをボトルの中で沈殿させていますが、沈殿物を取り除くと100g程度にしかならないはずです。
香りは、ケニアの他社が作っているHass &Fuete種を使ったアボカドオイルと同様、多少アボカド独特の生臭さがあるものの、香りも見た目(深緑)も似ています。
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搾油できたオイルは想定よりも大分少なかったものの、この試作を通して、新たな課題が明確になりました。
今後やっていくこととして、
・アボカドオイルについて最も詳しいKIRDIのオフィサーが休暇から戻り次第、今回の試作の検証をする。
特にうまくいかなかった項目について、因果関係の解明、圧搾機械の調整など、どのような改善ができるのかを聞きます。
・ 「Hass種ではないから、搾油率がこんなにも低く、全て上手くいかないんだ」というのが今回の研修を担当したKIRDIのオフィサーの見解。(いや、それはない気がするが…笑)
今回はすべてローカル品種で試作しました。
確かに、このインド製の圧搾機はHass種であれば、ローカル種と比べて搾油率が高く全工程が上手くいく、というのはどのオフィサーに聞いても一致した意見。そのため、早速来週Hass種の搾油を試作します。
・ 一方、この圧搾機械と別のタイプの圧搾機(乾燥機にかけず、果実も取り除かず、すべてをヘドロ状にしたあと高温スチームで油と分離して搾油する、オリーブオイルの圧搾と同じタイプの機械)を保有している大手企業では、ローカル品種も大量に買い取って搾油していました。そのため、ローカル品種だから搾油ができない、上手くいかないというのはイコールではないと推測します。
・推測するに、ローカル品種に油がないのではなく、この機械の問題なのではと考えています。とはいえHass種はローカル種と比べて3倍の油が出ると言われています。
試作に立ち会った薬師川さんからのアドバイスとして、まずはKIRDI保有の機械ではHass種から油を搾油して売り上げが立つようにしつつ、市場の確実性も高まってきた頃に、もう少し高性能な機械を導入する、といった筋書きをご助言いただきました。
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「どんなに仮説を立てていても、ほとんど筋書き通りにはいかないものよ。」という薬師川さんの言っていた言葉の意味がだんだんと理解できるようになってきました。
ですが、そのような状況になった時に、
「では、どう改善していくか?」
「今できる最善の方法とは何なのだろう?」
と常に前を向く姿勢はこの8年間の経営で培われた力なのでしょうか。
「上手くいかないのは当たり前、上手くいったらラッキー」というマインドは、アフリカでビジネスをしていく人間として持っておくべき心持ちなのかもしれませんね。
今回の試作によって、新たな発見がいくつもありました。これは大きな収穫です!いつかはこういう上手くいかなかった経験を、「じゃ、もっとステップアップしていけるチャンスじゃないか!」とめちゃくちゃポジティブに捉えられる人になっていきたい、そう思います。
私も事業の実行者として、常に試行錯誤を繰り返し、より大きなインパクトを出していける最善の方法を見つけていく姿勢を持ち続けていたいと心から思いました。まだまだこれからです。
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