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【サルと共存】サルによる被害を防ぐ犬「モンキードッグ」を徳島・南阿波で活かしたい




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2025/5/16 16:55
【モンキードッグの活動報告まとめ】2025年4月版

みなさまのあたたかいご支援により、2025年3月から4月にかけて、モンキードッグのシロとポチが、野生のニホンザル「相生群(あいおいぐん)」に対して追払い活動を行いました。
その結果、サルの動きに明らかな変化が見られ、被害の減少につながる効果が確認できましたので、ご報告いたします!
対象:相生群
モンキードッグ:シロ、ポチ
期間:2025年3月~4月(※GPSはバッテリー切れにより4月16日までのデータ)
1. はじめに
サルによる農作物の被害や人里への侵入を防ぐため、相生群の動きをGPSで調べながら、シロとポチが出動。サルのいる場所を特定し、集落から追い払う活動を行いました。
このとき、モンキードッグの移動距離やサルの反応、出没場所などを記録し、サルの行動がどう変わったかを調べました。
2. 調査・追払いの方法
2.1 使用したデータ
調査には次のデータを使用しました。
・相生群のGPSデータ(GLT-02:サーキットデザイン社製)
2024年3~4月と2025年3~4月の位置情報(0時、3時、6時、9時、12時、15時、18時、21時に測定)
※4月は15日までのデータを使用しています。
・モンキードッグのGPSデータ(i-gatU GT-600:Mobile Action Technology社製)
1秒ごとの位置情報を取得。
・モンキードッグの出動履歴
出動日時、対象エリア、追払い距離、サルの反応などを記録。
2.2 追払いの実施方法
- サルの位置を確認:GPSデータに基づき相生群の位置を特定
- モンキードッグを出動:シロとポチを現場に向かわせ、追払いを実施
- 追払いの記録:モンキードッグの移動軌跡やサルの反応を記録
- 効果の評価:サルの移動・土地利用・行動パターンの変化を分析
3. 結果
3.1 モンキードッグの活動記録
- 出動回数:17回
- モンキードッグの平均移動距離:2.8km
表1.モンキードッグの出動記録
モンキードッグのGPSデータを分析すると、シロとポチは相生群の動きに対応しながら追いかけており、犬の走行距離が延びた。
3.2 サルの移動パターンの変化と土地利用
音谷西平間集落・音谷田ノ久保集落
両年とも3月には出没が見られたが(図1)、4月の出没は少ない(図2)。
これは、季節による食物分布の変化が影響した可能性が考えられる。
図1.野生ニホンザル「相生群」の位置と、モンキードッグの軌跡(2024年および2025年の3月。音谷西平間集落および音谷田ノ久保集落)
図2.野生ニホンザル「相生群」の位置と、モンキードッグの軌跡(2024年および2025年の4月。音谷西平間集落および音谷田ノ久保集落)
横石向原集落・朴野下原集落
2024年4月上旬はサルの利用が見られたが(図3)、2025年4月にはほとんど集落に接近していない(図4)。
これは、3月に集中して行った追払いの効果と考えられる。
図3.野生ニホンザル「相生群」の位置と、モンキードッグの軌跡(2024年および2025年の3月。横石向原集落および朴野下原集落)
図4.野生ニホンザル「相生群」の位置と、モンキードッグの軌跡(2024年および2025年の4月。横石向原集落および朴野下原集落)
朴野堂ノ東集落・東曽根集落
2025年4月には、サルがこの東部地域を頻繁に利用するようになった。
2024年には集落西部の利用が多かったが、2025年は急斜面の河畔林を使う傾向が強まっており、モンキードッグの追跡を避けるためにより複雑な地形を選んだ可能性がある(図5)。
図5.野生ニホンザル「相生群」の位置と、モンキードッグの軌跡(朴野堂ノ東集落および東曽根集落)
3.3 サルによる被害の変化
サルに接近した際に、サルが何をしていたのかを図6に示す。
相生群の人里への出没頻度と、農作物の被害率の両方が大幅に減少していることが分かりました。
これはモンキードッグによる追払いの効果と評価できます。
図6.野生ニホンザル「相生群」が、遭遇時に発生させていた被害の種類と頻度(2025年3月~4月)
4. 考察
今回の追払い活動により、サルの土地利用に変化が見られ、農作物被害の発生率も大きく減少しました。
季節的な要因(食物資源の分布)も影響していると考えられるが、モンキードッグによる追跡・追払い行動が、サルの行動変容をもたらした主な要因であると推測される。
特に、これまで頻繁に出没していた集落への接近頻度が減少し、急斜面や森林内など、犬の進入が困難なエリアを利用する傾向が強まった。
追払い期間が長くなってきたことが影響し、サルが犬の存在を学習・警戒する行動が顕著に見られた。
5. まとめと今後の展望
今回の活動から、モンキードッグの存在がサルにとって「危険」として認識され、警戒するようになったと考えられます。特に、追払いが続くことで、サルの行動が変化していったことが明らかになりました。
もちろん、季節によって山にある食べ物の量なども影響していますが、犬による追払いがサルに与えるインパクトは非常に大きいと感じています。
今後も活動を続けることで、さらに広い範囲で被害を防げるようになると期待しています!このような成果を得ることができたのは、ひとえに皆さまのご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。
シロとポチも、頼れる相棒として頑張ってくれています!
これからも彼らと一緒に、地域を守る活動を続けてまいります。
どうぞ今後とも、ご関心・ご支援をよろしくお願いいたします!
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