皆さんこんにちは!ドキュメンタリー写真家の森佑一です。
10月27日にイスラエル総選挙の投票が始まりました。ネタニヤフ首相の進退が注目されるなど国際社会の注目が選挙に注がれています。
一方で、選挙騒動の影に隠れてマサーフェル・ヤッタでは大規模な住宅破壊がどんどん推し進められています。そうした危機的状況の中、ピースベアラーがホームページに最新記事を公開していたので翻訳・編集しました。是非ご一読ください。
=====以下本文=====
2011年10月26日、子供たちを学校へ送迎するために使用されていたトラクター2台とバン1台が、イスラエル軍に押収され軍のピックアップトラックによって、牽引されて持ち去られてしまいました。
イスラエルが選挙騒動に気を取られている間、現地ではパレスチナ人コミュニティを抹殺しようとする"Elimination Project"が進行しています。
今こそ目を覚まし、行動を起こすべき時です。
毎週、私たちは不安を抱えながら、マサーフェル・ヤッタのパレスチナ人家族たちを訪ねています。そこで私たちは、生活がどれほど困難になっているかを目の当たりにしています。
「丘の上の若者たち」(イスラエル人入植者)による毎日の嫌がらせや軍による威嚇、財産の没収、そして家屋の取り壊しなどによってです。
先月だけでも、3つの村で家屋や建造物が取り壊され、300人以上の人々が住む場所を追われ、彼らの生計を支える数百頭の羊を失いました。
毎日、イスラエル民政局の検査官がこの地を訪れ、新たな建設がないか確認して回り、さらなる家屋破壊を進めようとしています。
マサーフェル・ヤッタで起きている出来事は、単なる偶発的な事件ではありません。これらは、国家機関の支援と後押しを受けて、住民をその土地から追い出すという継続的なプロジェクトの一部なのです。
行動を起こすための時間は残り少なくなっています。
約10日前(2026年10月3日頃)、私はイスラエルや世界中の友人たちに、ジンバ村の完全な破壊を防ぐためにあらゆる手段を尽くすよう訴えました。同村の一部はすでに破壊されてしまっています。
こうした訴えは、とりわけ米国上院議員たちにも届きました。彼らの介入を受けて裁判所が命令を下し、取り壊しが3週間(選挙の前日まで)延期されることになったのです。
これは重要な成果でした。しかし、それは一時的なものに過ぎません。命令の期限が切れた後に何が起こるかは分からないのです。
その間も、住民たちへの圧力はますます強まっている。
暴力、没収、威嚇
ここ数週間、暴力事件や移動の自由に対する制限が増加している。
「丘の上の若者たち」はパレスチナ人の車両を待ち伏せし、石を投げつけています。我々はこれを警察に通報しましたが、事件に対して効果的な対応を行いませんでした
同時に、軍はパレスチナ人住民が所有する合法的な車両を没収しています。これらは、食料や医薬品を運搬したり、病人や子どもを学校へ送ったり、マサーフェル・ヤッタ内を移動するために使用されている車両です。没収された品目には、給水車や飼料を積んだトラックも含まれていました。
車両が返還される場合でも、その手続きには数週間を要し、所有者には数千シェケルの費用がかかります。私たちと共に現場へ出向いている「ヴィレッジ・グループ」の友人たちは、先週の木曜日にヘブロン警察に拘束され、取り調べを受けました。
このように、一歩一歩、生活そのものが不可能になりつつあります。
これは、マサーフェル・ヤッタのコミュニティの存続をかけた闘いです。
2023年10月7日以前、この地域に入植地の前哨基地はわずか数ヶ所孤立して存在しているだけでした。しかし10.7以降、多くの前哨基地が次々と出現し、現地で暴力的な入植者の存在感が急速に拡大しています。
その一方、「丘の上の若者たち」は自由に動き回り、自宅や牧草地、道路上で住民に嫌がらせを行っています。一方、私たちの様に、現場に身を置いて住民を守るために駆けつけるイスラエル人たちはこの地域にこっそりと潜入し、猫とネズミの追いかけっこの様に、軍や警察による追放や尋問の危険にさらされています。
民政局、軍、警察、そして入植者たちは、さまざまな戦術を用いていますが、それらはすべて一つの結果、すなわちパレスチナ人住民を彼らの土地から追い出すことに繋がっています。
私たちが選挙に気を取られている間、このプロセスは世間の注目をほとんど浴びることなく続いています。現政権は、まさに世間の視線が他に向いているまさにそのタイミングで"Elimination Project"を完遂してしまうかもしれません。
それでもなお、彼らパレスチナ人たちはそこに留まり続けているのです。
マサーフェル・ヤッタを、実際に訪れたことのない人に説明するのは難しいですが。
広大な荒野、乾燥した大地、過酷な生活環境にありながら、それでも、この地の人々は自分たちの土地にしがみついています。あらゆる逆境に直面しながらも、彼らは子どもを育て、家畜を放牧し、生活を維持し続けています。
私たちがこの地にいるのは、彼らが孤立してしまはない様に、支援と「プロテクティブ・プレゼンス」を提供するためです。そして、兵士や入植者、警察官たちに、彼らの前に立つ人々が「人間」であり、「家族」であり、「コミュニティ」であること、決して「排除すべき障害物」ではないことを思い出させるためです。
そして、虐待に耐え忍びながらも憎しみに支配されない人々に私たちは繰り返し出会ってきました。
私たちは、住居破壊を阻止できると保証することはできません。しかし、私たちは住居破壊が沈黙の中で進められることを許さないことはできます。
今、私は皆さんの助けを求めています。
解体停止命令の期限が切れるのを待ってはいけません。
次の住居破壊の映像が流れるのを待ってはいけません。
さらに多くの家族が住まいも水も生計手段をも失うのを待ってはいけません。
病人を病院へ、子どもたちを学校へ、あるいは食料や医薬品をコミュニティへ運ぶための車両が全て無くなってしまうのを待ってはいけません。
今すぐ行動を起こしてください:
- この証言をイスラエル国内および世界中に広めてください。ソーシャルメディアやグループ内、そして変化をもたらす力を持つ人々が集まるあらゆる場所で広めてください。
- 国会議員、上院議員、外交代表、人権団体に働きかけてください。ジンバでの取り壊しの再開を阻止し、マサーフェル・ヤッタのコミュニティを守るために、彼らが実質的な圧力をかけるよう要求してください。
- メディア、政界、国際機関における人脈を活用してください。現在起きている事態を、一般市民や意思決定者の目に留まるようにしてください。
- この取り組みに参加してください。支援の方法があるなら、人脈を活かし、この問題を広く知らせてください。
私たちは、意思決定者たちに「世界は注視している。世界は知っている。世界は決して忘れない」ということをはっきりと伝えるため、国内および国際社会から明確な圧力をかけなければなりません。
マサーフェル・ヤッタの問題は、選挙が終わるまで待てないのです!!!
どんな小さなことでも、大小を問わずあらゆる行動に感謝します。
「ピースベアラー(平和の使者)」の名の下に
イヤール・シャニ