移植と海中旅行実現
「おかん、やっぱり肝臓ちょうだい」母の肝臓を移植し肝硬変と闘いあと10年生きたい
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2026/1/23 12:00
Episode05|告白した日、背中を蹴飛ばされた日
あの時の私は、
どこに軸足を置いているのか分からない、
中途半端な場所にいました。
運命には従う。
でも、生きたいとも、死にたいとも思わない。
そんな心境でした。
言葉を探しても、うまく形容できませんでした。
そんな中で、
ふと、ある方に電話をしました。
状況の説明と、今の心境を。
受け取る側からすれば、
ぐちゃぐちゃなキーワードや感情が、
かろうじて言語として聞き取れる程度の
会話だったかもしれません。
でもその方は、
一言だけ、こう言いました。
「なりふり構うな。命を賭けた戦いなんだろ?」
その瞬間、
何かが変わる音がしました。
このまま、
誰にも何も言わずに終わるのは違う。
たとえそれが運命を受け入れる選択だとしても、
伝えないといけないことがある。
そこだけは、やらなきゃだめだ。
そう思いました。
結論が出ていたわけではありません。
終わりに向かうとしても、
自分の状況と感謝だけは伝えよう。
それだけは、
やろうと決めました。
そこで、SNSに今の状況を書きました。
病気のこと。感謝の言葉。
そして、夢半ばで終わるかもしれない事業のこと。
同時に、身近な人たちにも電話をかけました。
お世話になった人。
仕事で関わってくださった人。
気がつけば、思いつく限り、
一日中電話をしていました。
途中、看護師さんや医師の方に
「大丈夫?」と驚くほどでした。
正直、怖かった。
ドキドキしていました。
ネガティブな話をするわけです。
混乱させてしまうかもしれない。
嫌なことを言われるかもしれない。
でも、予想は大きく外れました。
SNSには、応援と励ましの言葉が溢れました。
「何かできることはない?」
「移植できる病院、調べるよ」
「仕事できないなら、お金とか大丈夫?」
「詳しい人に聞いてみる」
「とにかく頑張れ!」
そして、夢ある仕事だな、と
いつも温かく応援してくれていた
寿司屋の大将は、こう言いました。
「なんだよ、早く言えよ!俺の肝臓やるよ。
俺、十分生きたからさ。明日、いつも言ってる病院に聞いてくる。」
本当は、
「今までありがとうございました」
それだけを伝えるつもりでした。
でもその瞬間、
ずっと我慢していたものが、
一気に込み上げてきました。
その日から、
少し涙もろくなり、
感情が豊かになった気がします。
背中を、思い切り蹴飛ばされたような感覚でした。
この日、私は初めて「まだ、生きたい」
「生きるためになりふり構わずでいい」
そう思っている自分に気づきました。
そこから、
未来を逆算し始めました。
どんな治療を受けるのか。
どの病院が最善なのか。
リスクをどう最小限にするのか。
そして、現実的な問題として、
お金をどうするのか。
感情だけでは進めない。
でも、感情や葛藤がなければ、
ここには立てなかった。
張り詰めていた世界の中で、
ようやく、スタート地点に立てた気がしました。
私は、もう一度生きようと決めました。
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