夕張の未来づくり
かつての郵便局をもう一度“人が集う場所”へ 〜夕張ほっこりステーション計画〜
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2026/4/17 21:50
2027年、夕張市の借金が完済される。その後どうなるか
2027年3月。
夕張市の借金が、完済される。
約353億円。20年かけて返し続けた借金が、ゼロになる日が来る。
2026年度の予算で、残りの約25億6千万円の返済が計上された。これで終わる。長かった。本当に、長かった。
この数字を聞いても、多くの人にはピンと来ないかもしれない。でも夕張に住んでいる僕にとって、これは「ニュース」じゃない。「日常の延長線上にある、静かな節目」だ。
20年間、この町で何が起きていたか
少しだけ振り返らせてほしい。
2006年、夕張市は財政破綻を表明した。翌2007年に財政再生団体となり、国の管理下に入った。それから20年間、夕張市は自分たちの意思だけでは何も決められなくなった。
予算を組むにも、施設を修繕するにも、国の同意が必要だった。
職員の給料は平均3割カットされた。市長は7割カット。職員数は260人から半減し、100人台になった。全国の市町村で最も低い給与水準。それが20年間、続いた。
市民法律相談、スポーツ教室、敬老祝い金。人の生死に直結しない事業は、ほぼ全て廃止された。学校の窓が割れても、修繕費が予算措置されず、そのまま冬を越した年もあったと聞く。
「最高の住民負担、最低のサービス」。
そう呼ばれた自治体。それが夕張だった。
完済したら、何が変わるのか
正直に言うと、翌日から劇的に何かが変わるわけじゃない。
財政再生団体からの正式な脱却は、完済の3年後、2030年3月末の予定だ。でも完済によって、少しずつ変わることがある。
まず、20年ぶりに「自治権」が戻ってくる。国の許可なしに、自分たちで予算を組める。新しい事業を始められる。補助金や交付金にアクセスできるようになる。民間との連携も、行政側が柔軟に動けるようになる。
すでに動き出している計画もある。
築50年近い市庁舎の建て替え。コンパクトシティ構想の核として、市営住宅や医療機関を中心部に集約し、2030年度には市役所本庁舎も移転する予定だ。小中学生の給食費無償化も新年度予算に盛り込まれた。
市職員の給与カットも、2027年度から見直しが検討されている。これが実現すれば、人材確保の面で大きな転換になる。ずっと全国最低水準だった給与が、ようやく戻る。
一つひとつは地味かもしれない。でもこの町にとっては、どれも「20年間、我慢してきたこと」だ。
僕が一番心配していること
でも正直、複雑な気持ちもある。
この20年間、夕張には「行政に頼れない」という現実があった。補助金が使えない。予算がない。だから民間が動いた。自分たちで考えた。知恵を絞った。助け合った。
その「ないからこそ生まれた文化」が、夕張の一番の財産だと僕は思っている。
補助金が使えるようになった時、その文化は残るだろうか。「行政がやってくれるから」と、自分たちの手を止めてしまわないだろうか。
20年ぶりの総合計画の策定も、手探り状態が続いているという。国の管理下で行政を運営してきた職員たちには、自分たちで政策を立案し、実行してきた経験が薄い。「自治権の回復」は、「全部自分たちで決めなければならない」ということでもある。
自由には、責任が伴う。
その責任を、この町は引き受けられるか。
それでも、完済の日を楽しみにしている
心配はある。でもそれ以上に、楽しみにしている自分がいる。
「夕張って財政破綻したところでしょ?」
その枕詞が、少しずつなくなっていく。子どもたちが「夕張出身です」と胸を張って言える日が、近づいている。
完済は「ゴール」じゃない。新しいフェーズの「スタートライン」だ。
ここから先、夕張がどんな町になるかは、住んでいる僕たちが決めることだ。行政が動けるようになる。補助金が使えるようになる。それは追い風だ。でもその追い風の中でも、「自分たちの手でつくる」という姿勢を持ち続けたい。
完済の日を、住民として一緒に迎えたい。
そしてその先を、一緒につくっていきたい。
そのための場所が、夕張ほっこりステーションだ。
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