アフリカの障害者支援
アフリカのモザンビークで障害があっても無くても安心して生活できる社会を作りたい!
みんなの応援コメント
naho.ume
2024年10月13日
せっきーさんの熱意、素敵です! モザンビークの皆さんのより良い人生につながりますように!
こばち
2024年10月13日
少しでも力になれば幸いです
FOR GOOD
プロジェクト実行者が支援金を全額受け取れるよう、支援者さまからのシステム利用料(220円+決済手数料5%)により運営しています。
リタさんとのインタビューで考えたこと2
2024/9/7 11:30
リタさんとのインタビューで印象に残ったこととして、親族のつながりの強さがあります。
彼女は10歳ごろまで母方の祖母の家で育てられていたのですが、それ以降は父親の家に引き取られました。私は「急に生活環境が変わってイヤだったろうな」とネガティブな反応が返ってくると思いながらどう感じたかを聞いたのですが、「家族が増えてとてもうれしかった」という風な回答で、ちょっと驚きつつもモザンビークの人たちのセンスを改めて学びました。
こちらでは親族のつながりが非常に強く、とりあえず親族の輪の中に入っていれば、飢え死になどに至ることはまずないです。病気や進学などで急な出費が必要になったときにはお互いがサポートし合います。日本では公的な制度が担っている部分を親族同士のつながりでカバーしています。毎週のように親族の誰かの洗礼式や誕生日や結婚やお葬式などのイベントがあり、そういった集まりに参加して絆を深めています。
この7月までJICABLUEという青年海外協力隊経験者向けの起業プログラムに参加していて、モザンビークで障害者が働ける仕事作りを計画していました。その過程で障害者とその家族の方々にインタビューをさせてもらいました。思ったことの一つとして、障害当事者がどう扱われるかは近しい家族がいるかどうかにものすごく依存しているという点がありました。レオナルドさんなどは母親を中心として兄弟に囲まれて大切にされているのですが、別の事例では、母親が妊娠中に父親と別れてしまい、母親も出産後どこかに行ってしまって大人になった今も親族の家を転々とし続けているというようなこともありました。
レオナルドさんと同じような軽度の知的障害がある20代男性の事例で、母親はすでに死亡していて、父親が違う兄と二人で暮らしており、日中は簡単な家事と時間があるときは近所のバス乗り場で荷物運びなどの日雇い仕事をされている方とお話しさせていただきました。気さくな性格で近所の人からかわいがられているとのことでした。彼のお兄さんに「弟さんは近所の人たちに愛されていてすばらしいですね。地域のつながりを大事にしたいですね」というようなことを話すと、「地域の人たちは弟をかわいがってはくれるが、いざというときに助けてくれることはない」と返されて、その現実的なものの見方にまた考えさせられました。確かに今そのお兄さんが亡くなったとして、近所の人がその弟さんを引き取って一緒に暮らすかというとそういうことは多分ないです。かといって彼の場合、頼れる家族、親族はいないということでした。お兄さんは勤め人なのですが、貯金して不動産を買い家賃収入を得られるようにして仮に自分が死んだら弟に相続させて将来困らないようにしようと計画していました。
不動産を詐欺的に横取りすることがこちらではよくあって、仮に不動産を弟が相続できたとして、弟さんの能力だと裁判などを起こされると訴訟などに対応することは難しいだろうなと思います。恐らくはお兄さんもそうしたことを分かっていてその上でできることをしようとされていました。家族や親族のつながりに頼った助け合いのネットワークは強固ではありますがそれだけで社会全体をカバーすることは不可能です。
今回のプロジェクトでは近所の孤児院の入居者と一緒に障害があっても働ける仕事を作ります。この孤児院には50名以上の方が住んでいて全員になんらかの障害があります。孤児院と翻訳していますが子どもだけが住んでいるわけではなく、子どもから40代の方までが住んでいます。孤児院の機能として、住んでいる間に自立するスキルを身に付けて一定の年齢になると外に出て自分で生活することが目指されてはいますが現実的には難しいです。この社会は、仮に障害がなかったとしても、親族のサポートなしに社会に出ることは非常に困難です。ましてや障害がある人の場合はより困難です。
このプロジェクトを通して彼らが自己理解を深めたり他者と協働する場を作ろうとしています。
今後の展望として、より多くの方々が参加できるようにしたいと考えています。
モザンビークの首都圏人口はだいたい200万人です。ひとまず知的障害に限定するとして、知的障害は1%の割合で発生するので2万人の知的障害者が首都圏にいると推計できます。2万人とその家族が同じような問題を抱えていることになります。孤児院の皆さんとモデルを作ってより多くの人たちが参加できるようにしたいです。
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