150年後の日本
命に火をつける舞台『やむにやまれぬ蒼』を次世代に遺したい!
みんなの応援コメント
ひかりさん
2025年1月12日
応援しています!
さっこ
2025年1月11日
熱い想い、沢山の方に届きます様に。
FOR GOOD
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【やむ蒼群像劇】Emiの場合
2025/1/8 20:30
(ああ、なんてとてつもないエネルギーなんや…!!!!!)
2023年11月。客席で初めて観たやむ蒼には、何が何だかわからない感動があった。数ヶ月が経ち、気がつくとわたしの足はオーディション会場へと向かっていた。あの舞台に自分も立って、何かをつかみたかったのだろう。
演じることになったのは、吉田松陰先生の妹であり、久坂玄瑞さんの妻である杉文さん。第1希望であった吉田稔麿さんになれなかったどころか、避けたいと思っていた唯一の役だった。
ほぼ全登場人物に魅力を感じていたわたしが、唯一拒絶したくなった役。それが杉文さんだった。その可愛らしいキャラクターは、自分の対極の性質であるような気がしていたからだ。実際に、稽古でもなかなか壁を越えられない時期が続いた。
「もっとかわいさを出して」
「ピンクのハートを飛ばして」
というフィードバックを受けて、演技を改善しようとすればするほどドツボにハマった。舞台の上の自分が、自然体の自分から日に日に遠ざかっていく時期もあった。過去にもらったフィードバックを思い出して試行錯誤している時、心は「今」にいなかったのだ。そんなわたしが文さんと自分自身を重ねることができてきたのは、公演直前のことだった。
稽古期間や本番を向き合う過程で、人生で一番といっていいくらい「かわいいね」という言葉をもらった。「そんなことないって!」と思っていたわたしも、だんだんその言葉を嬉しい気持ちで受け取れるようになった。ちょっとしたことのように思われるかもしれないけれど、わたしの中で驚くほど大きな変化だ。
やむ蒼に取り組んでいた期間に受け取ったものは「かわいい」への許可だけではない。この作品の大きなテーマは「命の使い方」だから、わたしも自然とそこに向き合うようになった。特に、7公演を演じ切った後の変化が大きかった。
「『生きる』を描いた作品を通じて命の使い方と向き合い、魂の喜ぶ生き方をしてほしい」という想いで、大切な人にやむ蒼を届けてきた。だが、その自分自身の生き方は果たしてどうなんだろうか。自問をする日々が続いた。
「生きる美しさを届けたい」という想いを胸に、いつかは独立するつもりだった。そして、今の仕事を「自分の命が輝く場所ではない」と感じている自分がいる。その生き方は、果たして命の使い方と100%向き合った選択といえるだろうか。いつかの未来のために、今を耐える生き方が、最高の生き方なのだろうか。自問を続けていくと、内側から声が聞こえた。
「心から歩みたい人生は、『今』を大切にした先にしか広がっていない」
「今を大切にする」とは、アートを通じた表現活動にほかならない。
「過去とか未来とかを考えず、今この瞬間を生きたい」
「それをさせてくれる『表現』を深めていきたい」
やむにやまれぬ想いで、今の仕事を休職することにした。いつかはしたいと思っていたアートを中心とした生き方をするなら今だ。うまくいかないことだって多々あるかもしれない。それでも、この選択の先に待っている未来に、魂はただただワクワクしている。
わたしに取ってやむ蒼とは、「今を生きる」という究極の感覚を学ばせてくれる存在だ。
2024杉文役・Emi
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