逃げるを選べる社会
社会にもっと”逃げ”のグラデーションを。逃げの多様性を題材にした映画を広めたい




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2025/8/9 11:38
レビュー紹介① ソウダルア【出張料理人/現代美食家】

出張料理人/現代美食家のソウダルアさんより本作のレビューコメントをいただきました!
”
こっぴどく、マッチョになってしまった この世界では逃げることは基本的に許されない。
この映画の主人公もまた、その思いに苛まれる一人だ。
そんな彼が偶然の縁で辿り着いた場所 それは今作品の中心となる“逃げbar”
浮き世離れした真っ白い空間に様々な人が“逃げ”を求めてやってくる。
そんな不思議な小さな出会いの中で人の心が揺れ移ろう。
それぞれが秘密を抱えながら 閉塞感なんて言葉では表現できないくらい、凝り固まったこの世界で“逃げる”を肯定することは優しく映る。
それが救いかどうかはまた、それぞれだけれど、その多様こそが自由であり、光になり得るのかも知れない。
考えていなかったことを考えさせてくれる映画というよりはあたたかい絵本を読んだ後の様な気持ちになった。
”
彼自身、何度も逃げBarで、主に”食”を通して
逃亡幇助を共犯してくれました。
たとえば、コロナ禍で卒制展が中止になってしまった学生たちの、合同振替卒制展として開催した「卒業できなかった制作展」では、出展した元学生たちへ絵画のように鮮やかな食卓を。
はたまた、白の美を追求する人々には、白一色の食卓を。
僕の誕生日には白黒つかない食卓をたむけてくれました。
彼は、その土地、そのコンセプト、その場において、その呼吸に調和するような作品を風のような佇まいで、そっと作り、並べ、描きます。
そして数十分のうちに、それらは参加者の命となり、消えていくのです。
食事を作品と言ってしまうことにはもしかしたら語弊があるかもしれないけれど、彼のそれは「命のめぐりを表わす時間芸術」として、十分に成立するものです。
流線的なソースの川、山々のような食材、自然そのものが食卓に現れたかと思うと、川は山と混ざり、空が海を捻り、血が混ざり合うようにして抽象度を上げ、生命や祈りなどハイレイヤーのものが、体内の流れ落ち、消化され、自らの血肉として具体化していくのです。
料理は、人類最大の発明ともいわれます。
この技術の発達のお陰で、我々はカロリーを効率的に摂取し、古来においては大脳を肥大化させ、現代の知能レベルへの架け橋となりました。
彼との協働は、いつも料理、あるいは食事の本質を感じさせます。
ただ在り、摂取するのみならず、そこにある”流れ”を、その調理表現や料理そのものから体現されています。
そんな彼からすれば、世界はやはり凝り固まっていて、逃げるという選択肢は当然のようにしてそこにあるのに(彼がそれを積極的に選んできたかどうかは別として)なぜあるものを使わないのか、くらいの気持ちなのかもしれません。
とても自然体で、そうあればいいと僕も思います。多様で自由で、どの色の絵の具も当たり前のように使えることが、ひとつの光であるならば。
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ソウダルア 出張料理人/現代美食家
全国各地でその土地の素材のみを扱い 風土と歴史が交差する料理を和紙の上に表現する 食による地方創生、フードエッセイの連載、映画出演など、あらゆる食領域で活動 2015 越後妻有 大地の芸術祭 2016 瀬戸内国際芸術祭 2023 ウクライナ キーウの小学校にて 祈りの食卓を贈る 東京ビエンナーレ 東京駅にて22mの食卓を創出 2024 アートフェス すみだ向島EXPO コンセプターに就任
映像作品 香川県 父母ケ浜 2018〈春、海、夕日〉
https://youtu.be/6yzcExCF0OE?si=6LvQgxG50NvTlLjX
写真作品 https://photos.app.goo.gl/9wn9FstAYo74wsa49
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