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アートと社会をつなぐ

アートと社会をつなぐ挑戦!ポートランドで学ぶソーシャル・アート実践

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渡辺望(アーティスト)

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みんなの応援コメント

Aiko

2025年4月30日

応援しています!

el_sur_grande

2025年4月29日

有意義な滞在になりますように!

FOR GOOD

プロジェクト実行者が支援金を全額受け取れるよう、支援者さまからのシステム利用料(220円+決済手数料5%)により運営しています。

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2025/6/1 12:00

“This is our museum.”——KSMoCA現地ツアー記録|Kiara Hillさんの案内で学ぶ、アートと教育の交差点

はじめに:Kiara Hillさんの紹介と特別な機会について


2025年5月29日、KSMoCA(King School Museum of Contemporary Art)を案内してくださったのは、研究者であり、教育者・キュレーターとしても活躍する Kiara Hill さん。


Kiaraさんは、アメリカにおけるBlack Arts Movement(ブラック・アーツ・ムーブメント)やブラック・フェミニスト・アートを専門とする研究者で、マサチューセッツ大学アマースト校にてアフロアメリカン研究の博士号を取得しています。

自らもブラック・ヴィジュアル・アートのキュレーターとして活動しており、現在はポートランド州立大学(PSU)のArt + Social Practice MFAプログラムで教鞭をとる傍ら、KSMoCAの実践にも深く携わっています。


「子どもたちが“自分の声が芸術において意味を持つ”と実感できる環境をつくること。
それが私たちのアート教育の本質だと思います。」
—— Kiara Hill(Portland State Universityインタビューより)


アカデミックな知見と、現場に根ざした実践が融合したKiaraさんのツアーは、KSMoCAという場の成り立ちや価値を深く理解する、非常に特別な体験となりました。Kiaraさんの案内を通して、KSMoCAがなぜ「ミュージアム」と呼ばれ、そしてどのように子どもたちの創造性と社会性を育む場であるのかを、実感をもって理解することができました。



🏛️KSMoCAのはじまりと背景


KSMoCAは、ポートランドの歴史的黒人地区・アルビナにあるDr. Martin Luther King Jr. Elementary Schoolの校内に位置する現代美術館です。設立は2014年、Lisa JarrettHarrell Fletcherという二人のアーティストによって構想されました。


「美術館が学校にある」のではなく、「学校そのものが美術館になる」というビジョンのもとに始まったユニークなプロジェクトであり、ポートランド州立大学のArt and Social Practice MFAプログラムの一環として運営されています。大学生、地域のアーティスト、小学生、教員が入り混じる協働の場です。


その特徴は、大きく3つに集約されます:


  • 展示空間としての学校:校舎内の白い壁すべてがKSMoCAの展示スペースであり、プロのアーティストと生徒の作品が並列に展示されます。
  • 子どもたちがキュレーター/アーティスト/鑑賞者になる:日々の学校生活の中で、アーティストへのインタビューや作品解釈、展覧会の企画運営にも関わります。
  • 社会とつながる教育実践:アートを通して、ジェンダー、人種、環境、地域社会など多様なテーマに触れ、子どもたちが「自分の声で社会を語る力」を育んでいます。


KSMoCAは、展示やプロジェクトを通して、「アートとは何か」「誰のものか」という問いを、子どもたち自身に開いていく場です。


こうした実践を通じて、KSMoCAは単なる“学校の中の美術館”にとどまらず、学びのあり方そのものをアートで問い直す場となっています。


“This is our museum.”(ここは、私たちのミュージアム)—— それはKSMoCAの合言葉であり、現場にいるすべての子どもたちの実感でもあります。




✏️KSMoCAにおける“ラベル”の力 —— こどもの言葉が展示をつくる


KSMoCAでは、すべての展示作品に生徒自身が書いたラベル(キャプション)が添えられており、それはこのミュージアムの基本的な実践の一つです。


これは単なる説明ではなく、「アートを見る」「感じる」「考える」ことを自分の言葉で表現する力を育てる、重要な学びの機会です。

生徒たちは展示作品に対して自由に思ったことや感じたことを文章にし、来場者に向けたコメントとして展示に添えます。

その言葉には、驚くほど鋭い観察やユニークな解釈、時にはアーティスト自身が気づかなかった視点が含まれており、展示空間の中で“もうひとつの作品”として機能しています。


Kiaraの解説より:

「子どもたちのコメントには、私たちが思いつかないような視点があって、読みながら“ああ、そう見るんだ!”と気づかされることが本当に多いんです。

彼らの言葉は、アートの見方をぐっと広げてくれる存在なんですよ。」


🎨展示・プロジェクトの紹介とKiaraさんの語り


Napoleon Jones-Henderson「Rhythms of the Ancestors」

2025年3月13日〜5月30日


AfriCOBRA創設メンバーであるNapoleon Jones-HendersonとMs. KahnのクラスおよびKSMoCAメンティー生徒による共同制作プロジェクト。


子どもたちは段ボールや銀箔などを使って「自分の居場所」を表現し、リズムと色彩の調和をもつ「コミュニティ構造体」として壁に展示されました。

アーティストと子どもたちが共作者として並ぶこの展示は、KSMoCAの理念を体現しています。


Kiaraの解説より:

「このプロジェクトでは、子どもたちが“自分にとっての居場所”を形にしていきました。ただ作るだけじゃなく、Napoleonのヴィジュアル言語——色、リズム、構造——を取り入れながら、自分たちの声を持って表現しています。」

「そしてなにより大切なのは、アーティストと子どもが“共に作った”という事実。KSMoCAではそれを展示でも並列に扱っています。」





KSMoCA Students「Our Civil Rights History Revisited」

2015年11月 - 2016年3月


KSMoCAの生徒たちが、公民権運動時代の写真を再現したプロジェクト。当時の構図、衣装、雰囲気を可能な限り再現しながら撮影することで、子どもたちは歴史を身体でなぞるように学び取る体験を行いました。


Kiaraの解説より:

「この再現写真は、ただの“模倣”ではありません。写真の中に自分自身を投影し、“あの時代の誰かになってみる”ことで、歴史を身体で感じ取ることができるんです。」



Wendy Ewald「The Best Part of Me」

2023年4月〜


子どもたちが「自分の好きな身体の部位」を撮影し、その理由を言葉で表現するプロジェクト。

写真家ウェンディ・エーウルドとの協働により、身体性と自己肯定感に焦点を当てた写真と言葉のインスタレーションが構成されました。


Kiaraの解説より:

「“私は自分の脚が好き、だって走れるから!”とか、“指はピアノを弾けるから”とか。子どもたちは本当に自由に、自分自身を語ります。それはもう、立派なアーティスト・ステートメントなんです。」




Lauren Moran「Endangered Species: After Andy Warhol」

2023年


Andy Warholの1983年シリーズ『Endangered Species』に触発されて行われたプロジェクト。子どもたちは現在の絶滅危惧種について調べ、ウォーホル風の色彩と構図で新たなイメージとして再構成しました。


Kiaraの解説より:

「ウォーホルの作品を“真似る”というより、“どう受け取って、自分たちなりに再構成するか”というプロセスが大事でした。環境のこと、動物のこと、自分の知らなかった世界に目を向けるきっかけにもなっています。」



Hank Willis Thomas「Four Freedoms」

2019年11月5日 - 2020年3月5日


「〇〇の自由/〇〇からの自由」をテーマに、子どもたちが自身の言葉と写真で表現したシリーズ。

自由とは何か?を自らに問い直し、それぞれの価値観を共有するプロジェクトです。


Kiaraの解説より:

「“ラップする自由”“嫉妬しない自由”“誰かとつながる自由”——KSMoCAの子どもたちから出てくる言葉は、どれもまっすぐで本質的です。私たちは、その“まっすぐさ”に耳を傾ける必要があると思っています。」


Magnum Photo Agency「Collection of Postcards From America」

2014年


KSMoCA最初の展示として開催された本プロジェクトでは、Alec SothやJim GoldbergらMagnum Photosの写真家による作品が紹介されました。

注目すべきは、生徒たち自身が展示写真を選び、キュレーションのプロセスに主体的に関わった点です。Alec Sothのワークショップのもと、図書室で作品を選定し、投票によって構成が決まりました。


Kiaraの解説より:

「この展示は私がKSMoCAに来る前のものでしたが、今でも子どもたちが“自分で選んだ作品が展示されている”ということにとても誇りを持っています。

作品の横にある子どもたちのコメントには、いつも新しい視点があって、私も学ばされることが多いんです。」



Jim Hodges「Wherever You Like」

2015年


KSMoCA初期の展示のひとつで、アーティストのジム・ホッジスによる参加型プロジェクト。校舎の壁面に生徒たちの名前や身長、日付を色鉛筆やペンで記録し、それぞれの“存在の痕跡”が積み重なっていきます。

「ただここにいた」ことが記録として残る壁そのものが、アート作品として機能しているのが大きな特徴です。


Kiaraの解説より:

「この壁に書かれているのは、特別な出来事じゃなくて、“ふつうにここにいた”という証なんです。子どもたちは成長とともに背が伸びて、その記録が残っていく。誰かがどこかにいたということを忘れないようにする、静かで力強い展示です。」




🔍KSMoCAを支える人と仕組み:実践の広がりとこれから


KSMoCAでは、アーティストとの出会いもまた「教育の場」として開かれています。アーティスト選定についてKiara Hillさんに尋ねたところ、KSMoCA共同ディレクターであるLisa Jarrett自身が現代アーティストであることから、彼女のネットワークを通じて声をかけるケースが多いそうです。


一方で、KSMoCAの存在を知ったアーティストが自主的に連絡を取ってくるケースも年々増えており、そこから新たなプロジェクトや関係が生まれています。

「今度は1年生の先生であり画家でもあるMr. Pierceが、KSMoCAで初の“教員アーティスト・イン・レジデンス”として展示を行う予定なんです。こうした広がりも、KSMoCAならではの面白さだと思います。」(Kiara Hill)

KSMoCAは、日常とアート、教育と社会実践、子どもと専門家、それらすべての境界を“やわらかくする”場。Kiara Hillさんの案内を通じて、「思考すること」「感じること」「発言すること」が日常にある空間としての美術館の姿を実感しました。


🔜今後の予定:Kiara Hillさんへのインタビュー


滞在中には、KSMoCAやアート教育、ソーシャル・プラクティスに関する考え方について、Kiara Hillさんに改めてインタビューをさせていただく予定です。


教育・歴史・社会批評が交差する彼女の言葉を通して、アートと公共性、そして子どもたちの未来を照らす「教育としてのアート」の現在地を、さらに深く探っていきたいと思います。

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3,000

ちょこっと応援プランA

心を込めたお礼メッセージをお届けします!また、活動報告用のオープンチャットにご招待し、現地の最新情報をリアルタイムで共有します!

支援者34人

お届け予定2025-05-14

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8,000

リアルタイム体験プラン

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✨ 帰国後のリアル報告会へ優先的にご招待
✨ 現地からのリアルタイム報告&質問会(Zoom)にご招待

※報告会は7月(東京)を予定しております。

支援者7人

お届け予定2025-05-14

プロジェクトは終了しました

15,000

リアル報告&体験プラン

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✨ 帰国後のリアル報告会へ優先的にご招待(1ドリンク付き)
✨ 現地からのリアルタイム報告&質問会(Zoom)にご招待
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※報告会は7月(東京)を予定しております。

支援者7人

お届け予定2025-05-14

プロジェクトは終了しました

20,000

Zoom個別相談プラン(60分)

アーティストとしての知見や経験を1対1で共有します!

助成金申請ノウハウや、持続可能なプロジェクト構築の方法など、あなたのニーズに合わせたアドバイスを提供します。

💡 アーティスト向けサポート
- 助成金獲得のリアルなノウハウ
- 海外レジデンス経験から学んだ視点
- 子育てしながら創作を続けるための工夫
- プロジェクト企画や運営に関するアドバイス 等

🏫 教育関係者(学校現場や地域教育との連携に関心のある方)向けサポート
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🏢 企業・法人様向けサポート
- コミュニティ連携を活かしたプロジェクト立案
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🌟 個別相談のポイント
・相談テーマは自由!「ただ話がしてみたい!」という方も大歓迎です。
・資料提供もOK:必要に応じて、アドバイス資料を後日お送りします。

※「リアル報告&体験プラン」の特典が付きます。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。

支援者1人

お届け予定2025-07-01

プロジェクトは終了しました

50,000

継続サポートプラン

伴走型のサポートで、プロジェクト成功を目指します!

✨ Zoom個別相談 2回(各60分)
✨ メッセージサポート(1ヶ月)
✨ 支援者の活動をウェブやSNSで紹介(希望者のみ)

🌟 提供するサポート
- 助成金申請やプロジェクト計画書のブラッシュアップ
- 子育てと創作の両立に関するアドバイス
- 地域社会や企業と連携したアートプロジェクトの実現方法 等

※教育関係者・企業・法人向けサポートも可能です。ご希望の場合は、「支援者への質問(任意)」へご記載ください。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。
※「リアル報告&体験プラン」の特典が付きます。

支援者0人

お届け予定2025-07-01

プロジェクトは終了しました

100,000

プロジェクトサポートプラン

プロジェクト計画から実現までを徹底サポート!

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✨ プロジェクト計画書や助成金申請書の添削&ブラッシュアップ
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✨ 支援者の活動をウェブやSNSで紹介(希望者のみ)

※教育関係者・企業・法人向けサポートも可能です。ご希望の場合は、「支援者への質問(任意)」へご記載ください。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。
※「リアル報告&体験プラン」の特典が付きます。

支援者0人

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プロジェクトは終了しました

200,000

「星の箱」特別体験プラン(最大10名)

アートと社会をつなぐ特別なワークショップ
「Nomadic Stars Project」(星の箱ワークショップ)を開催!

🌠 星の箱を制作し、地上に星空を描くプロジェクト体験
🌠 アーティストトーク&プロジェクト紹介
🌠 ワークショップ終了後、星の箱を持ち帰り

※最大10名
※開催場所に別途、往復交通費と宿泊費をご負担いただく場合がございます。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。詳細はご相談ください。

支援者0人

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350,000

「星の箱」特別体験プラン(最大20名)

アートと社会をつなぐ特別なワークショップ
「Nomadic Stars Project」(星の箱ワークショップ)を大人数向けに開催!

🌠 星の箱を制作し、地上に星空を描くプロジェクト体験
🌠 アーティストトーク&プロジェクト紹介
🌠 ワークショップ終了後、星の箱を持ち帰り

※最大20名
※開催場所に別途、往復交通費と宿泊費をご負担いただく場合がございます。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。詳細はご相談ください。

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10,000

しっかり応援プランB

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支援者12人

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がっつり応援プランC

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ドカンと応援プランD

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支援者1人

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100,000

どーんと応援プランE

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支援者1人

お届け予定2025-05-14

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