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アートと社会をつなぐ挑戦!ポートランドで学ぶソーシャル・アート実践

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Aiko

2025年4月30日

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el_sur_grande

2025年4月29日

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2025/6/27 15:00

【授業レポート⑨】homeを描く、語る、問う——ソーシャル・プラクティスをめぐる対話

2025年6月3日、King School Museum of Contemporary Art(KSMoCA)の芝生の上で、Dom ToliverさんとGwen Hoeffgenさんによる2回目の「Student Time」が行われました。


※1回目の記事はこちら:

https://for-good.net/project/1001885/activity/detail/6609#main-report


「Student Time」は、ポートランド州立大学MFA Art and Social Practiceプログラムにおける授業の一つで、学生が自身のリサーチや実践を共有することを目的としています。体験・思考・対話が多層的に織り込まれた構成が特徴です。


今回のテーマは「home」。参加者それぞれが「自分にとってのhome」を絵で描きながら、その意味や背景を語り合いました。気取らずリラックスした雰囲気の中で進行したこの時間は、個人的な記憶や文化的背景が交錯する、濃密な対話の場となりました。



🖍 描くことから始まる対話


レジャーシートの中央には、スナック菓子やチーズ、オリーブなどがピクニックのように並べられ、その周囲に参加者たちが輪になって座りました。


Gwen Hoeffgenさんの言葉とともにセッションが始まります。


“We are drawing what home is to you.”
(「自分にとってのhomeを描いてみましょう」)


配られたカラーペンを手に、参加者たちはそれぞれの「home」を描き始めました。 描く行為をきっかけに、記憶や感情が少しずつ言葉になっていきます。

“My mom would always make rice and eggs, sunny side up. That’s what reminds me of home.”
(母がいつもつくってくれた目玉焼きとご飯。それが、私にとってのhomeを思い出させてくれる)

“There’s a boba shop almost every block in San Jose. That’s a part of home.”
(サンノゼでは、ほとんど毎ブロックにタピオカ屋がある。それもhomeの一部)

“I also drew myself hiding in the house... where I hide and watch the world go by.”
(家の中に隠れている自分も描いた......世界をただ眺めている場所として)

“I drew palm trees, incense, gas prices… they’re tied to memories of my grandma and California.”
(ヤシの木、お香、ガソリンの値段......それらはすべて、祖母とカリフォルニアの記憶と結びついている)


それぞれの発言には、生活の手触りや匂い、土地の記憶が滲んでいます。他の参加者も共感のうなずきや笑いを交えながら、自分にとっての「home」へと静かに想いを巡らせていました。こうした絵と対話が重なり合い、シートの上には、それぞれの「home」が交差する、あたたかな共同の地図が広がっていきました。



🏠「home」とは何か? 実際の参加者の声から


会話の中では、場所としてのhomeだけでなく、人との関係性、あるいは感覚や記憶といった抽象的な「home」も語られました。


“I can feel at home with Dom, I can feel at home with my parents, with a best friend.”
(ドムと一緒にいるとき、親といるとき、親友と一緒にいるときもhomeを感じる)

“To make Portland feel like home, I’ve been going to these places that are helping unhoused people.”
(ポートランドをhomeと感じるために、ホームレス支援の場所に通っている)

“It’s nostalgia… not even safety. It’s where we spent Christmas and New Year’s, but now it’s gone.”
(それは安心感というよりノスタルジア。クリスマスやお正月を過ごしていた場所。でも今はもうない)


こうした発言の積み重ねは、参加者同士が互いの記憶や価値観を尊重しながら関係性を築いていく場でもありました。




🌿 まとめ:重なり合う“home”の記憶


シートに広がった色と線、語られた記憶、そして交わされたまなざし。

それらはまるで、一枚の共に描かれた地図のように、「home」という言葉の意味を多層的に可視化していました。

誰かにとってのhomeは、タピオカショップの通りかもしれず、ある人にとっては、目玉焼きの味や、お香の匂い。また別の人にとっては、隠れて世界を眺める静かな場所なのかもしれません。

この日、芝生の上に広がっていたのは、そんな多様なhomeが重なり合う風景でした。

他者のhomeにふれ、自分自身のhomeを見つめ直すなかで、ひとりひとりの内に問いとつながりが生まれていたように感じます。

セッションの終盤、Gwen Hoeffgenさんは次のように語っていました:


“We’ve been thinking a lot about home…”
(私たちはずっと「home」について考えてきました)

“We’re interested in what home feels like, and how we can offer that feeling to others.”
(「home」の感覚とは何か、それを他の人にどう届けられるかに関心がある)


この言葉には、セッション全体を通じて流れていた問いや空気感が、そっと凝縮されているように感じられました。交わされた語りが折り重なり、「home」というテーマをめぐる思考と対話が、やさしく深められていったことが伝わってきました。



💬 定義なき実践——social practiceの揺らぎに触れる


Student Timeが終わったあと、参加者たちはそのまま芝生の上にとどまり、自然な流れで「social practice(ソーシャル・プラクティス)」という言葉について語り合い始めました。形式張った議論ではなく、さきほど「home」について思いを巡らせた余韻の中で、ことばの意味や表現の境界について思索を巡らせるような時間となりました。


話題の発端は、ある参加者が取り上げたテレビ番組『The Rehearsal』でした。カナダのコメディアン、俳優、作家、監督、プロデューサーでもあるNathan Fielderによるこのシリーズでは、複雑な対人関係や葛藤を事前に「練習(リハーサル)」できるように、徹底的に再現された空間の中で人々が“現実”を模擬体験します。たとえば、ある人が職場の同僚に嘘を告白するシーンを繰り返し練習したり、別のエピソードでは子育てに不安を抱える女性が子役と共に仮想の生活を送ったりします。


“I think it’s social practice.”
(私はあれをソーシャル・プラクティスだと思う)


この発言をきっかけに、「それを“social practice”と名乗らなければ、それにはならないのか?」という問いが投げかけられました。


“Is something social practice if you don’t say that it is?”
(それを名乗らなければ、ソーシャル・プラクティスではないの?)


そこからは、「呼び方」にまつわるさまざまな意見が交わされます。作品や行為そのものは変わらなくても、それをどう“位置づけるか”によって受け取られ方は大きく変わってしまう——そんな視点も出されました。


“The thing itself doesn’t really change. It’s just how you claim it.”
(作品そのものは変わらない。ただ、それをどう主張するかが違うだけ)

“When is it useful to call something art? Who does it allow to reach?”
(あるものをアートと呼ぶのはいつ有効なのか? それは誰に届き、誰を遠ざけるのか?)


こうした議論に通底していたのは、「ラベリング」に対する慎重なまなざしでした。


※補足:「ラベリング」とは、ある出来事や作品に対して「これはアートである」「これはソーシャル・プラクティスである」といった名称やカテゴリーを与える行為を指します。日常語ではあまり使われませんが、「名づけ」「呼び方」「位置づけ」といった意味も含まれています。


参加者の一人は、「成果や完成品がなくてもよい」というソーシャル・プラクティス特有の価値観に触れました。


“A lot of times in social practice, we don’t have outcomes.”
(ソーシャル・プラクティスでは、結果を重視しないことも多い)


別の参加者は、それでも人と人とのあいだに生まれるつながりこそが「作品」なのではないかと語ります。


“The moment of communion between human beings—that’s the work.”
(人と人とのつながりの瞬間こそが、作品だと思う)


この対話に明確な結論はありませんでした。それでも、あるいはだからこそ、この時間は価値あるものでした。「これは何か?」という枠を求めすぎず、ラベルよりも関係のなかに意味を見出す——そのような姿勢こそが、この時間の本質をなしていたように思われます。


揺らぎを抱えた問いと関係性の交差こそが、「学び」のかたちであり、「social practice(ソーシャル・プラクティス)」そのものなのかもしれません。

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※報告会は7月(東京)を予定しております。

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💡 アーティスト向けサポート
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🏫 教育関係者(学校現場や地域教育との連携に関心のある方)向けサポート
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🌟 提供するサポート
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※教育関係者・企業・法人向けサポートも可能です。ご希望の場合は、「支援者への質問(任意)」へご記載ください。
※日程は7/1以降、個別調整のうえで決定します。
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アートと社会をつなぐ特別なワークショップ
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🌠 星の箱を制作し、地上に星空を描くプロジェクト体験
🌠 アーティストトーク&プロジェクト紹介
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