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2025/5/19 17:00
【授業レポート②】実践を通して学ぶ「student time」:文化、刺繍、他者との対話

こんにちは。渡辺望です。
来週の授業の詳細が届いたので、ご紹介します。
🎓 授業の背景:Conversation Seriesとstudent timeの融合
来週火曜日(日本時間では水曜日)に参加するのは、ポートランド州立大学MFA Art and Social Practiceプログラムの授業「ART 586 Conversation Series(visiting artists)」です。この授業は、アーティストや文化実践者との対話を通じて学びを深めることを目的としたもので、週替わりでゲストを迎える構成となっています。
ただし、実際に外部アーティストが招かれるのは冬学期(Winter Term)を中心とした時期が多く、それ以外の期間は、先日参加させていただいた木曜日の授業「ART 598 Social Practice: Workshop」と連動・融合するかたちで進行しているとのことです。
今回の授業は、そうした融合形式で行われる「student time」の一環で、学生が自身のリサーチや実践を共有し、体験を通じてクラス全体に問いを投げかける特別な機会となります。
今年度からはこのstudent timeに「実際の体験を盛り込む」が新たな課題として加わっており、今回の取り組みはその3例目にあたるそうです。
🧵 第1部:SWANA Roseでのスタジオ訪問
今回のstudent timeを企画するのは、学生のひとりAdela Cardona Puertaさん。彼女の実践の一端を共有するかたちで、まずはポートランド市内のThe SWANA Rose Culture + Community Centerを訪問します。
SWANAとは South West Asia and North Africa の略称で、中東・北アフリカ地域にルーツを持つ人々の文化を指す言葉。The SWANA Rose Culture + Community Centerは、この地域に関わる表現・対話・教育を支援・共有する、ボランティア運営のコミュニティスペースです。
▶︎ 公式ウェブサイト – swanarosepdx.org
この場所でお会いするのは、パレスチナの伝統刺繍タトリーズ(Tatreez)を実践するアーティストMillaさん。
Millaさんは、刺繍という営みを通じて文化的記憶や土地との関係を探る表現活動を行っており、その背景には、パレスチナおよびレヴァント地方のテキスタイル研究の第一人者である先生(Tatreez & Tea – Instagram)の存在もあります。
このスタジオ訪問やAdelaさんが今回紹介するアーティストの実践には、文化的背景や土地との関わりを感じさせる要素があり、その文脈での学びが期待されます。
🎉 第2部:KSMoCAでのファシリテーション「Piñata Panic」
SWANAでの訪問のあとは、KSMoCA(King School Museum of Contemporary Art)に移動し、Adelaさんによるファシリテーション「Piñata Panic」が実施されるそうです。
タイトルにある「ピニャータ」は、中身が詰まった紙製のオブジェを割って中から何かが現れるという、ラテン系の文化に根ざした遊びの要素。今回はその形式がどのように取り入れられるのかは現時点では明らかになっていませんが、Adelaさんのプラクティスを体験的に理解するための構成になっていることがうかがえます。
🔍 おわりに:プレゼンテーションから“体験”へ
これまでのstudent timeでは口頭発表によるプレゼン形式が主でしたが、今回のように「現地を訪れ、体験を通して学ぶ」形式が導入されたことで、実践への理解がより多層的になると感じています。
間接的ではありますが、アートと文化、記憶と身体、そしてコミュニティとの関係性に触れるこの一日を通して、どのような学びが得られるのか——
また授業後にレポートをお届けしますね!
渡辺 望
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